📊 本レポートは、RE:Insightが対応する19の不動産クラウドファンディングサービスから 自動収集したデータに基づく集計・分析です。日本国内の全サービスを網羅するものではありません。
2026年3月の不動産クラウドファンディング市場
サマリー
新規36ファンド、募集総額145億円。前月比33%増の組成数ながら、平均利回りは7.1%と前月の7.9%から低下。劣後比率は13.4%へ厚み増す。量の拡大と質の引き締め、市場は防火壁を高く積み上げる局面に入った。
市場全体の動き
| 指標 | 2026年3月 |
|---|---|
| 新規組成ファンド数 | 36件 |
| 募集総額 | 145.5億円 |
| 平均利回り(予定) | 7.1% |
| 平均劣後比率 | 13.4% |
| 募集中件数(月末時点) | 0件 |
前月27件から36件へ、組成数は9件増加した。募集総額145億円は今年度に入って最大規模。一方で平均利回りは前月7.9%から7.1%へ、約0.8ポイントの低下を見せた。数を打って利回りを抑える——典型的な「量から質へ」の転換パターンだ。
特筆すべきは劣後比率の変化。前月10.0%から13.4%へ、約3.4ポイントの上昇。事業者が自己資金を厚く積む姿勢は、市場への慎重なシグナルと読める。月末時点で募集中ファンドがゼロという事実も、供給がスムーズに消化されていることを示している。需給バランスは依然として売り手優位の構図だ。
プラットフォーム別の活動量
| 順位 | プラットフォーム | 新規組成数 | 平均利回り |
|---|---|---|---|
| 1 | TSON | 9件 | 5.7% |
| 2 | TORCHES | 6件 | 14.5% |
| 3 | 利回りくん | 5件 | 4.5% |
| 4 | みらファン | 3件 | 5.3% |
| 5 | TOMOTAQU | 2件 | 6.8% |
TSONが9件で首位。平均利回り5.7%は市場平均を下回るが、安定路線を貫く姿勢が見える。対照的にTORCHESは6件ながら平均14.5%という突出した高利回り。開発系・土地系ファンドを主軸に攻めの姿勢を崩さない。
利回りくんは5件・4.5%と控えめな水準。両者の差は単なる利回り競争ではなく、ビジネスモデルの違いを映し出している。高回転・低利回り型と、低回転・高利回り型。投資家は自身のリスク許容度に応じた選択を迫られる構造だ。
アセットクラス別の動向
| アセットクラス | 件数 | 平均利回り |
|---|---|---|
| レジデンス(区分) | 18件 | 6.8% |
| レジデンス(戸建) | 5件 | 5.2% |
| ホテル・旅館 | 5件 | 8.0% |
| 土地 | 3件 | 6.0% |
| 土地・開発 | 2件 | 15.1% |
| オフィス | 2件 | 8.9% |
| ヘルスケア | 1件 | 3.0% |
レジデンス系が全体の64%を占める。区分マンションが18件・6.8%、戸建が5件・5.2%。出口の見えやすさが組成しやすさに直結する構図は変わらない。
高利回りの源泉は土地・開発の2件、平均15.1%。開発リスクを取る代わりの対価だが、劣後比率の薄さ(後述)には留意が必要だ。ホテル・旅館は5件・8.0%と堅調。観光需要の回復を背景に、稼働率改善への期待が織り込まれている。ヘルスケアは1件のみ、利回り3.0%。キャッシュフローの安定性と引き換えにリターンは控えめ。アセットの性質が利回りに素直に反映されている。
利回り帯別の分布
| 利回り帯 | 件数 | 構成比 |
|---|---|---|
| 〜4% | 3件 | 8.3% |
| 4〜6% | 16件 | 44.4% |
| 6〜8% | 8件 | 22.2% |
| 8〜10% | 1件 | 2.8% |
| 10%〜 | 7件 | 19.4% |
ボリュームゾーンは4〜6%帯の16件、全体の44%を占める。市場の「標準品」はこの水準に収斂しつつある。6〜8%帯が22%で続き、8〜10%帯はわずか1件。この「谷間」は偶然ではない。7%を超えると事業者の採算が厳しくなり、10%超は開発リスク込みでないと成立しにくい構造的な断層だ。
10%超が7件・19%存在するが、うち6件はTORCHES発。高利回り帯の厚みは特定プラットフォームへの集中を意味する。分散投資を考えるなら、この偏りを認識しておく必要がある。
注目ファンド
| ファンド名 | プラットフォーム | 利回り | 劣後比率 | 所在地 |
|---|---|---|---|---|
| No.24 福岡県糟屋郡 系統用蓄電池用地ファンド | TORCHES | 18.0% | 1.0% | 福岡県糟屋郡久山町 |
| No.23 山梨・甲州リゾートホテル用地ファンド | TORCHES | 17.0% | 1.0% | 山梨県甲州市 |
| No.22 港区南麻布3丁目ファンド | TORCHES | 15.0% | 1.0% | 東京都港区南麻布 |
| No.25 新宿区矢来町ファンド | TORCHES | 13.0% | 1.0% | 東京都新宿区矢来町 |
| 利回り不動産84号ファンド(募集中止) | 利回り不動産 | 12.1% | 10.0% | - |
利回り上位5件中4件がTORCHES。いずれも劣後比率1.0%と極めて薄い。高利回りの裏側にある構造を端的に示している。蓄電池用地、リゾート開発用地など、伝統的な収益不動産とは異なるアセットが並ぶ。出口戦略の不透明さと引き換えのリターン設計だ。利回り不動産84号は募集中止となっており、組成段階での慎重な判断がなされた形跡がある。
来月以降の論点
劣後比率の上昇傾向は、市場参加者のリスク認識が変化しつつあることを示唆している。利回り低下と劣後比率上昇の組み合わせは、事業者側が「守り」に入り始めたサインとも読める。
4〜6%帯への集中が進む一方で、10%超の高利回り帯は特定プラットフォームが牽引する構図。この二極化が続くのか、それとも中間帯(6〜8%)が再び厚みを増すのか。来月以降のアセットクラス構成、特に開発系ファンドの組成動向が一つの指標になる。レジデンス偏重の現状が続くなら、利回りの緩やかな低下トレンドは当面継続するだろう。
⚠️ 免責事項:本記事はRE:Insight AIが自社に蓄積された公開データを元に自動生成した市場動向の分析情報です。 投資助言には該当しません。投資判断は必ずご自身の責任のもとで行い、各事業者の公式情報を直接ご確認ください。