ホーム 月次レポート 2026年3月の不動産クラウドファンディング市場レポート
月次市場レポート

2026年3月の不動産クラウドファンディング市場レポート

2026年04月17日 ・ RE:Insight AI

📊 本レポートは、RE:Insightが対応する19の不動産クラウドファンディングサービスから 自動収集したデータに基づく集計・分析です。日本国内の全サービスを網羅するものではありません。

2026年3月の不動産クラウドファンディング市場

サマリー

新規36ファンド、募集総額145億円。前月比33%増の組成数ながら、平均利回りは7.1%と前月の7.9%から低下。劣後比率は13.4%へ厚み増す。量の拡大と質の引き締め、市場は防火壁を高く積み上げる局面に入った。


市場全体の動き

指標 2026年3月
新規組成ファンド数 36件
募集総額 145.5億円
平均利回り(予定) 7.1%
平均劣後比率 13.4%
募集中件数(月末時点) 0件

前月27件から36件へ、組成数は9件増加した。募集総額145億円は今年度に入って最大規模。一方で平均利回りは前月7.9%から7.1%へ、約0.8ポイントの低下を見せた。数を打って利回りを抑える——典型的な「量から質へ」の転換パターンだ。

特筆すべきは劣後比率の変化。前月10.0%から13.4%へ、約3.4ポイントの上昇。事業者が自己資金を厚く積む姿勢は、市場への慎重なシグナルと読める。月末時点で募集中ファンドがゼロという事実も、供給がスムーズに消化されていることを示している。需給バランスは依然として売り手優位の構図だ。


プラットフォーム別の活動量

順位 プラットフォーム 新規組成数 平均利回り
1 TSON 9件 5.7%
2 TORCHES 6件 14.5%
3 利回りくん 5件 4.5%
4 みらファン 3件 5.3%
5 TOMOTAQU 2件 6.8%

TSONが9件で首位。平均利回り5.7%は市場平均を下回るが、安定路線を貫く姿勢が見える。対照的にTORCHESは6件ながら平均14.5%という突出した高利回り。開発系・土地系ファンドを主軸に攻めの姿勢を崩さない。

利回りくんは5件・4.5%と控えめな水準。両者の差は単なる利回り競争ではなく、ビジネスモデルの違いを映し出している。高回転・低利回り型と、低回転・高利回り型。投資家は自身のリスク許容度に応じた選択を迫られる構造だ。


アセットクラス別の動向

アセットクラス 件数 平均利回り
レジデンス(区分) 18件 6.8%
レジデンス(戸建) 5件 5.2%
ホテル・旅館 5件 8.0%
土地 3件 6.0%
土地・開発 2件 15.1%
オフィス 2件 8.9%
ヘルスケア 1件 3.0%

レジデンス系が全体の64%を占める。区分マンションが18件・6.8%、戸建が5件・5.2%。出口の見えやすさが組成しやすさに直結する構図は変わらない。

高利回りの源泉は土地・開発の2件、平均15.1%。開発リスクを取る代わりの対価だが、劣後比率の薄さ(後述)には留意が必要だ。ホテル・旅館は5件・8.0%と堅調。観光需要の回復を背景に、稼働率改善への期待が織り込まれている。ヘルスケアは1件のみ、利回り3.0%。キャッシュフローの安定性と引き換えにリターンは控えめ。アセットの性質が利回りに素直に反映されている。


利回り帯別の分布

利回り帯 件数 構成比
〜4% 3件 8.3%
4〜6% 16件 44.4%
6〜8% 8件 22.2%
8〜10% 1件 2.8%
10%〜 7件 19.4%

ボリュームゾーンは4〜6%帯の16件、全体の44%を占める。市場の「標準品」はこの水準に収斂しつつある。6〜8%帯が22%で続き、8〜10%帯はわずか1件。この「谷間」は偶然ではない。7%を超えると事業者の採算が厳しくなり、10%超は開発リスク込みでないと成立しにくい構造的な断層だ。

10%超が7件・19%存在するが、うち6件はTORCHES発。高利回り帯の厚みは特定プラットフォームへの集中を意味する。分散投資を考えるなら、この偏りを認識しておく必要がある。


注目ファンド

ファンド名 プラットフォーム 利回り 劣後比率 所在地
No.24 福岡県糟屋郡 系統用蓄電池用地ファンド TORCHES 18.0% 1.0% 福岡県糟屋郡久山町
No.23 山梨・甲州リゾートホテル用地ファンド TORCHES 17.0% 1.0% 山梨県甲州市
No.22 港区南麻布3丁目ファンド TORCHES 15.0% 1.0% 東京都港区南麻布
No.25 新宿区矢来町ファンド TORCHES 13.0% 1.0% 東京都新宿区矢来町
利回り不動産84号ファンド(募集中止) 利回り不動産 12.1% 10.0% -

利回り上位5件中4件がTORCHES。いずれも劣後比率1.0%と極めて薄い。高利回りの裏側にある構造を端的に示している。蓄電池用地、リゾート開発用地など、伝統的な収益不動産とは異なるアセットが並ぶ。出口戦略の不透明さと引き換えのリターン設計だ。利回り不動産84号は募集中止となっており、組成段階での慎重な判断がなされた形跡がある。


来月以降の論点

劣後比率の上昇傾向は、市場参加者のリスク認識が変化しつつあることを示唆している。利回り低下と劣後比率上昇の組み合わせは、事業者側が「守り」に入り始めたサインとも読める。

4〜6%帯への集中が進む一方で、10%超の高利回り帯は特定プラットフォームが牽引する構図。この二極化が続くのか、それとも中間帯(6〜8%)が再び厚みを増すのか。来月以降のアセットクラス構成、特に開発系ファンドの組成動向が一つの指標になる。レジデンス偏重の現状が続くなら、利回りの緩やかな低下トレンドは当面継続するだろう。

⚠️ 免責事項:本記事はRE:Insight AIが自社に蓄積された公開データを元に自動生成した市場動向の分析情報です。 投資助言には該当しません。投資判断は必ずご自身の責任のもとで行い、各事業者の公式情報を直接ご確認ください。