総評
鑑定1,620百万円に対し取得価格1,340百万円と17.3%の乖離。甘く見えるが、劣後比率・NOI・利回りすべて非開示の三重苦。クリアル自身が前所有者という関連当事者取引の霧の中、数字なき配当原資を信じるかは自己責任。
ポイント
鑑定評価との17.3%乖離は新築プレミアムか割安取得か
鑑定評価額1,620百万円に対し、取得価格1,340百万円は280百万円(17.3%)の乖離がある。新築物件の場合、竣工直後の鑑定評価は将来の賃料上昇期待を織り込むため、実勢価格より高めに出る傾向がある。しかし本件は前所有者がクリアル自身であり、グループ内取引の価格設定が市場実勢を反映しているか検証不能。鑑定書の収益還元法の前提条件(想定賃料・稼働率・CapRate)が非開示のため、この乖離が「割安取得の成功」なのか「鑑定評価の過大評価」なのか判別できない。
劣後比率データなしで元本安全性の定量評価が不可能
basic_dataで劣後比率がNone(データなし)のため、個人投資家の元本がどこまで保護されるか数値で示せない。仮に劣後比率10%なら144.3百万円のバッファがあるが、5%なら72.2百万円、0%ならゼロ。物件価格が1,340百万円から何%下落するまで個人投資家の財布が無傷かという最重要指標が欠落している状態での投資判断は、霧の中を手探りで歩くに等しい。
NOI非開示・賃料情報なしで収益性の裏付けゼロ
契約書面にNOI・賃料・テナント情報の記載なし。マスターリース先が株式会社ASSETIAと判明しているが、賃料金額・契約期間・更新条件が一切不明。配当原資が「キャピタル型」と明記されているため、売却益頼みの構造だが、売却先の確保状況も非開示。利回りすら提示されていない状態で、「どこから配当が出るのか」が説明できない。
クリアル自身が前所有者という関連当事者取引の構造
対象不動産の前所有者はクリアル株式会社(2026年4月13日時点の登記名義人)。本ファンドの第四号業務者もクリアル。つまりクリアルが自社保有物件をSPCに売却し、そのSPCの募集をクリアル自身が取り扱う構造。取得価格1,340百万円の妥当性を第三者が検証する手段がなく、グループ内取引特有の利益相反リスクが内在する。
事業者信頼性は高いが本ファンド固有の情報開示は不十分
クリアルは119件の償還実績・元本割れなし・東証グロース上場と事業者基盤は堅固。FY2025の売上高418億円・営業利益19.7億円と高成長を実現している。しかし本ファンド固有の情報開示(劣後比率・NOI・利回り・賃料)が著しく不足しており、事業者の過去実績と本案件の透明性は別問題。トラックレコードへの信頼と、本ファンドの情報開示不足を混同してはならない。
物件概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都文京区千石3-37-16 |
| 物件種別 | 共同住宅(新築) |
| 構造 | 鉄筋コンクリート造陸屋根4階建 |
| 築年月 | 2026年3月竣工(新築) |
| 延床面積 | 999.46㎡ |
| テナント | 株式会社ASSETIA(マスターリース) |
| 稼働率 | データなし |
収益構造とNOI分析
契約書面にNOI・賃料・管理費等の費用項目が一切記載されていないため、収益構造の定量分析が実施不可能。以下、判明している事実のみを記載する。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 年間賃料収入 | データなし |
| 管理費 | データなし |
| 火災保険料 | データなし |
| 固都税 | データなし |
| NOI | データなし |
- キャップレート: NOI非開示のため算出不可
- 配当原資: キャピタル型(売却益依存)
配当原資が「キャピタル型」と明記されているため、運用期間中のインカムゲインは配当に回らず、2028年5月の売却益が配当原資となる。しかし売却先の確保状況・想定売却価格・売却益の見込額がすべて非開示。鑑定評価1,620百万円を前提とすれば、取得価格1,340百万円との差額280百万円が理論上の売却益だが、2年後の市況次第で実現可能性は不透明。
市場価格検証
近隣取引データ(文京区小石川・小日向エリア、2024年第1四半期)との比較を試みる。ただし本物件は新築共同住宅(999.46㎡)であり、近隣取引の大半は中古マンション(区分所有)または小規模宅地のため、直接比較には限界がある。
| 比較項目 | ファンド物件 | 近隣取引中央値 | 乖離率 |
|---|---|---|---|
| ㎡単価 | 1,340,000円 | 1,257,143円 | +6.6% |
| 取引価格 | 1,340,000,000円 | 100,171,357円 | +1,237% |
ファンド物件の㎡単価1,340,000円は、近隣取引の中央値1,257,143円を6.6%上回る水準。文京区の新築RC造共同住宅としては妥当な範囲内と推測される。ただし近隣取引データは区分所有マンションが中心であり、一棟物件との比較には構造的な差異がある。
参考事例として、同エリアの「宅地(土地と建物)」で2024年第1四半期に取引された新築共同住宅(延床1,300㎡・RC造・2023年竣工)が18億円で取引されている。本物件の取得価格13.4億円は、この事例と比較して延床面積あたり約26%割安だが、立地・築年数・テナント構成の違いを考慮すれば、一概に割安とは断定できない。
土地評価と出口シナリオ
文京区千石エリアの公示地価は、最寄りの千石駅周辺で㎡単価80万円〜120万円程度(2024年公示地価)。本物件の敷地面積317.04㎡を前提とすると、土地持分相当額は概算で2.5億円〜3.8億円の範囲と推計される。取得価格13.4億円に対し土地持分が約20〜28%を占める計算となり、残り9.6億円〜10.9億円が建物価値となる。新築RC造の再調達価格が約3.6億円(建物状況調査報告書より)であることを考慮すると、取得価格には相応の収益還元価値が織り込まれていると推測される。
出口シナリオをキャップレート変動で試算する。ただしNOI非開示のため、鑑定評価1,620百万円を基準とした逆算で想定NOIを仮置きする。
| シナリオ | キャップレート | 想定売却価格 | 投資家への影響 |
|---|---|---|---|
| 楽観 | 4.0% | 1,620百万円 | 鑑定評価維持・売却益280百万円 |
| 基本 | 4.5% | 1,440百万円 | 取得価格+7.5%・売却益100百万円 |
| 悲観 | 5.0% | 1,300百万円 | 取得価格▲3.0%・劣後比率次第で元本毀損 |
楽観シナリオは鑑定評価1,620百万円での売却を前提とするが、新築プレミアムが2年後も維持される保証はない。基本シナリオでは取得価格を7.5%上回る1,440百万円での売却を想定するが、これでも売却益は100百万円にとどまる。悲観シナリオでは取得価格を3.0%下回る1,300百万円まで下落した場合、劣後比率が不明のため個人投資家の元本毀損リスクを定量評価できない。
ストレステスト
NOI非開示のため、キャップレート変動による物件価値への影響のみを試算する。劣後比率データなしのため、「劣後バッファとの関係」は評価不能。
| 変動要因 | 変動幅 | 物件価値への影響 | 劣後バッファとの関係 |
|---|---|---|---|
| キャップレート+1% | 4.5%→5.5% | ▲240百万円(▲17.9%) | 劣後比率不明・評価不能 |
| 空室率+10% | 0%→10% | NOI非開示・影響度算出不可 | 評価不能 |
| 賃料下落10% | データなし | NOI非開示・影響度算出不可 | 評価不能 |
キャップレートが1%上昇(4.5%→5.5%)した場合、鑑定評価1,620百万円を前提とすると物件価値は約240百万円(17.9%)下落し、1,380百万円となる。取得価格1,340百万円との差額は40百万円まで縮小する。劣後比率が不明のため、この下落幅が個人投資家の元本を毀損するか否かは判定不能。仮に劣後比率10%(144.3百万円)なら個人投資家は無傷だが、劣後比率5%(72.2百万円)なら元本毀損の可能性が浮上する。
空室率・賃料下落のストレステストは、NOI非開示のため実施不可能。マスターリース契約の詳細(賃料保証の有無・空室リスクの負担者)が不明な状態では、テナントリスクの定量評価ができない。
契約上の注意点
- 劣後比率の非開示: basic_dataで劣後比率がNone(データなし)。個人投資家の元本保護水準が不明。
- 関連当事者取引: 前所有者がクリアル株式会社。グループ内取引の価格妥当性を第三者が検証不能。
- NOI・賃料情報の欠落: 契約書面にNOI・賃料・管理費等の記載なし。収益構造の透明性が著しく低い。
- キャピタル型の出口リスク: 配当原資が売却益依存。売却先の確保状況・想定売却価格が非開示。
- 特例事業(SPC)の倒産隔離: 匿名組合型(特例事業)のため、クリアル本体の倒産リスクからは一定程度隔離されている。ただしSPC自体の財務基盤(資本金1,000円)は脆弱。
結論
事業者トラックレコードへの信頼と、本ファンド固有の情報開示不足を混同してはならない。劣後比率・NOI・利回りという投資判断の三大要素がすべて欠落している状態で、「クリアルだから大丈夫」という思考停止は危険。
⚠️ 免責事項:本記事はRE:Insight AIが公開情報・PDF書面を元に自動生成したファンド紹介・分析情報です。 投資助言には該当しません。投資判断は必ずご自身の責任のもとで行い、各事業者の公式情報を直接ご確認ください。