ホーム TORCHES No.33 渋谷区恵比寿2丁目ファンドⅡ
AI評価

No.33 渋谷区恵比寿2丁目ファンドⅡ

TORCHES ・ 分析日: 2026年04月25日 ・ RE:Insight AI

総評

劣後比率1.0%という紙のような安全バッファで23.9億円の物件を支える構造。利回り16.0%の魅力は認めるが、鑑定評価なし・NOI非開示・親会社からの相対取引という三重苦が透明性を著しく損なう。恵比寿×広尾の立地ブランドと隣地一体開発の出口ストーリーに賭けるなら、劣後1%が吹き飛ぶリスクを飲み込む覚悟が要る。

インカム型高利回り運用9.5ヶ月
予定利回り
16.0%
運用期間
9.5ヶ月
募集総額
23.7億円
劣後比率
1.0%
所在地
東京都渋谷区恵比寿2丁目17番21号
種別
不動産
▶ 公式サイトで詳細を見る
4.0
収益性
2.5
透明性
2.0
元本安全性
3.2
事業者信頼性

ポイント

劣後比率1.0%は誤差の範囲—物件価格が1%下落で個人投資家直撃

本ファンドの劣後比率は1.0%。23.9億円の物件価格に対し、事業者が負担する劣後出資はわずか2,394万円だ。物件価格が2,370万円(約1%)値下がりした瞬間、個人投資家の元本が毀損し始める。恵比寿エリアの不動産市況が1%揺らぐリスクを「ゼロ」と見るか「十分あり得る」と見るかで、このファンドへの評価は180度変わる。事業者は「優先劣後構造」を謳うが、1%の劣後は構造的な安全装置というより、形式要件を満たすための最低限の出資に過ぎない。

鑑定評価なし×NOI非開示×親会社取引—透明性の三重苦

物件価格23.9億円の算定根拠は「外部への調査、類似エリア、類似物件との取引事例の比較等により妥当性を判断」とあるが、不動産鑑定士による鑑定評価は未取得。NOI(純収益)も非開示で、賃料収入は月額191.9万円(年間約2,303万円)と記載されるのみ。さらに、取得先は親会社エムトラスト株式会社からの相対取引(取得予定額20.55億円)だ。事業者は「類似取引事例との比較で妥当性を判断」と主張するが、第三者による客観的な価格検証が一切ない状態で、グループ内取引の価格妥当性を投資家が検証する手段はゼロ。書面には「立退き予定であり、以下開示時点の情報」との注記があり、現在の賃料収入すら将来の収益性を示す指標として機能しない。

「隣地一体開発」の出口ストーリー—前提条件は開示されず

サイト記載のプロジェクト概要では「No.26 渋谷区恵比寿2丁目ファンドの隣地に位置し、複数区画の一体的な活用が可能」と強調される。しかし、契約書面にはこの「一体開発」に関する具体的な前提条件(隣地所有者との合意状況、開発計画の有無、容積率の移転可能性等)が一切記載されていない。事業者は「開発用地として売却することを前提とした運用」と述べるが、隣地との一体開発が実現しなかった場合の売却価格への影響は不透明だ。恵比寿エリアの立地ブランドは確かに強力だが、302.31㎡(約91坪)の単独敷地で23.9億円の売却益を確保できる保証はどこにもない。

配当原資は100%キャピタルゲイン—売却先未定で利回り16.0%の実現可能性は未知数

本ファンドの配当原資は「売却益」のみ。インカムゲインは立退き予定のため期待できず、利回り16.0%は全て物件売却時のキャピタルゲインに依存する。しかし、売却先は未定であり、売却価格の裏付けとなる鑑定評価も存在しない。事業者は「市場環境を見極めた適切なタイミングで売却」と述べるが、運用期間は2026年5月〜2027年2月の約9ヶ月間。この短期間で、取得価格を大幅に上回る売却を実現できる根拠は書面からは読み取れない。配当ポリシーには「不動産市況や売却価格の状況によって利回りが変動し、想定を下回る場合がございます」との記載があり、利回り16.0%は「期待値」であって「確約」ではない点を投資家は認識すべきだ。

事業者の財務基盤は良好—だが運用実績34件中11件償還は発展途上

TORCHES株式会社の財務状況は自己資本比率93.2%、現預金1億円超と極めて健全だ。元本割れ実績もなく、平均利回り13.65%という高水準を維持している。しかし、総ファンド数34件のうち償還済みは11件のみで、運用中が22件。事業者としての歴史はまだ浅く、長期的な運用実績の蓄積はこれからだ。また、本ファンドは親会社エムトラストからの物件取得であり、グループ内取引への依存度が高い点も留意すべきだ。財務基盤の健全性は評価できるが、事業者信頼性を「盤石」と断じるには時期尚早と言える。

物件概要

項目 内容
所在地 東京都渋谷区恵比寿二丁目25番7、25番10、72番6
物件種別 共同住宅/駐車場
構造 鉄骨鉄筋コンクリート造陸屋根地下1階付7階建
築年月 平成2年10月30日(築34年)
延床面積 952.03㎡
土地面積 302.31㎡(及び共有持分107.14㎡の1/7)
テナント 26件(一部使用貸借契約、立退き予定)
稼働率 データなし(立退き予定のため非開示)

収益構造とNOI分析

本ファンドはキャピタルゲイン型であり、NOI(純収益)は書面に記載されていない。賃料収入は月額191.9万円(年間約2,303万円)と記載されるが、「立退き予定」との注記があり、運用期間中のインカムゲインは期待できない。

配当原資は100%売却益に依存する。事業者は「取得後に権利調整を行い、開発用地として売却」と述べるが、売却価格の裏付けとなる鑑定評価は未取得。利回り16.0%を実現するには、取得価格(親会社から20.55億円で取得予定)を大幅に上回る売却が必要だが、その実現可能性を検証する客観的データは提供されていない。

項目 金額
年間賃料収入(参考値) 約23,030,000円
NOI データなし
配当原資 キャピタルゲイン型(売却益)

市場価格検証

近隣取引事例データ(渋谷区、2024年第1四半期)との比較を試みる。ただし、本物件は共同住宅であり、近隣取引事例は主に区分所有マンションであるため、直接比較には限界がある。

比較項目 ファンド物件 近隣取引中央値 乖離率
㎡単価(推計) 約2,513,000円 1,550,000円 +62.1%
取引価格 2,394,000,000円 データ不足 検証不能

分析: 本物件の㎡単価(延床面積952.03㎡で割った推計値)は約251万円/㎡。近隣取引事例の中央値155万円/㎡を大幅に上回る。ただし、近隣事例は区分所有マンションが中心であり、一棟物件との直接比較は困難だ。恵比寿エリアの一棟物件の取引事例が不足しているため、23.9億円という取得価格の妥当性を公開データで検証することは実質的に不可能である。事業者は「類似エリア、類似物件との取引事例の比較等により妥当性を判断」と述べるが、その比較対象となった取引事例は開示されていない。


土地評価と出口シナリオ

恵比寿エリアの公示地価は高水準だが、本物件の土地持分相当額を公開情報から正確に算出することは困難だ。土地面積302.31㎡(約91坪)に加え、道路部分107.14㎡の共有持分1/7を保有する。準工業地域指定により、住宅・事務所・店舗等の幅広い用途に対応可能だが、容積率300%・建ぺい率60%という制限がある。

出口シナリオは以下の通り推計される(売却先未定のため、あくまで仮定)。

シナリオ 想定売却価格 投資家への影響
楽観(隣地一体開発実現) 27億円以上 元本全額償還+利回り16%達成
基本(単独売却) 24億円前後 元本全額償還+利回り数%
悲観(市況悪化) 23億円以下 劣後1%で吸収不能・元本毀損

総評: 楽観シナリオは「隣地一体開発」の実現が前提だが、その具体的な合意状況は非開示。基本シナリオでも、取得価格並みの売却では利回り16%の達成は困難。悲観シナリオでは、劣後比率1.0%が瞬時に吹き飛び、個人投資家の元本が直撃される。


ストレステスト

変動要因 変動幅 物件価値への影響 劣後バッファとの関係
売却価格▲5% 23.9億円→22.7億円 ▲1.2億円(5.0%下落) 劣後2,394万円を大幅超過・元本毀損
売却価格▲3% 23.9億円→23.2億円 ▲7,170万円(3.0%下落) 劣後2,394万円を大幅超過・元本毀損
売却価格▲1% 23.9億円→23.7億円 ▲2,394万円(1.0%下落) 劣後バッファ完全消失・元本毀損開始

総評: 物件価格が2,394万円(約1%)値下がりした時点で、個人投資家の財布は無傷ではいられない。劣後比率1.0%は、恵比寿エリアの不動産市況が「完全に安定している」という前提でのみ機能する安全装置だ。市況が1%でも揺らげば、優先出資者の元本が即座に毀損するリスクを孕む。


契約上の注意点

  • 親会社からの相対取引: 取得先はエムトラスト株式会社(親会社)。取得価格20.55億円の妥当性を第三者が検証する手段なし。
  • 鑑定評価未取得: 不動産鑑定士による鑑定評価は未取得。物件価格23.9億円の客観的根拠が不在。
  • NOI非開示: 純収益(NOI)が開示されておらず、収益性の検証が不可能。
  • 第1号事業(倒産隔離なし): 本ファンドは不動産特定共同事業法第1号事業であり、SPC(特別目的会社)を用いた倒産隔離は行われていない。事業者が破産した場合、匿名組合財産は保全されない。
  • 契約期間の延長条項: 売却が完了しない場合、事業者判断で最大2年間の延長が可能。出資金の拘束期間が長期化するリスクあり。

結論

劣後比率1.0%という脆弱な安全バッファ、鑑定評価なし・NOI非開示という透明性の欠如、親会社からの相対取引という利益相反リスク—この三重苦を前に、利回り16.0%という数字だけで飛びつくのは危険だ。恵比寿×広尾の立地ブランドと「隣地一体開発」の出口ストーリーに賭けるなら、物件価格が1%下落しただけで元本が毀損するリスクを飲み込む覚悟が要る。余剰資金で「恵比寿の開発ロマン」に賭けるなら一考の余地はあるが、安定運用を求める投資家には向かない。

⚠️ 免責事項:本記事はRE:Insight AIが公開情報・PDF書面を元に自動生成したファンド紹介・分析情報です。 投資助言には該当しません。投資判断は必ずご自身の責任のもとで行い、各事業者の公式情報を直接ご確認ください。