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No.42 墨田区向島5丁目ファンド

TORCHES ・ 分析日: 2026年06月23日 ・ RE:Insight AI

総評

利回り14%の蜜に群がれば、待つのは劣後比率1.0%という紙一重の綱渡り。物件価格が1%揺れるだけで107万円のバッファは蒸発し、投資家が全損を引き受ける構造。鑑定なし・売却先未定・8ヶ月で出口という楽観シナリオ頼み。

インカム型高利回り運用8.0ヶ月
予定利回り
14.0%
運用期間
8.0ヶ月
募集総額
1.1億円
劣後比率
1.0%
所在地
東京都墨田区向島5-14-4(建築予定の為旧住居表示を記載)
種別
不動産
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3.5
収益性
2.5
透明性
2.0
元本安全性
2.7
事業者信頼性

ポイント

劣後比率1.0%は「保険」ではなく「お守り」程度

本ファンドの劣後比率は1.0%、金額にして107万円。出資総額1億700万円に対し、物件価格が1%下落しただけで劣後バッファは消滅する。開発型ファンドでは建築コスト増や売却価格の下振れが日常茶飯事であり、この薄さは「元本保護」というより「形式的な優先劣後構造」と呼ぶべき水準。投資家は実質的にフルリスクを負っていると認識すべきだ。

鑑定評価なし・NOI非開示で1億700万円の妥当性は検証不能

契約書面には「不動産鑑定士による鑑定評価は未取得」と明記されている。物件価格1億700万円の根拠は「外部への調査、類似エリア、類似物件との取引事例の比較等により妥当性を判断し、本事業者が算定した評価額」とあるが、具体的な算定プロセスは開示されていない。開発型のためNOI(賃料収入)も存在せず、収益還元法による検証も不可能。投資家は事業者の「言い値」を信じるしかない構造だ。

親会社エムトラストからの仕入れ:4,205万円の関連当事者取引

対象不動産の取得先は親会社エムトラスト株式会社であり、取引予定額は4,205万円。さらに建築工事請負契約(6,200万円)の注文者としての地位もエムトラストから承継する。合計1億405万円のうち約40%が親会社との取引であり、利益相反リスクが存在する。書面には「エムトラスト株式会社を支払代理人兼連帯債務者として支払を予定」とあり、グループ内での資金循環構造が見て取れる。

8ヶ月で建築・売却完了は楽観的シナリオ

運用期間は2026年6月29日〜2027年2月25日の約8ヶ月。この間に借地権取得→建築確認→新築工事→完成→売却活動→決済という全工程を完了させる計画だ。書面には「令和8年12月新築予定」とあり、建築完了から売却決済まで実質2ヶ月程度しか猶予がない。売却先が確定していない状況で、この短期間での出口実現は相当な楽観シナリオと言わざるを得ない。契約書には「2年を超えない範囲で終了予定日を遅らせることができる」との延長条項があり、運用期間の長期化リスクを織り込んでおくべきだ。

借地権付き戸建の出口戦略:事業者の狙いと現実のギャップ

プロジェクト概要では「借地権付き住宅は、土地付き住宅と比較して取得価格を抑えやすい」と借地権のメリットを強調している。確かに墨田区向島という都心近接エリアで、借地権付きなら実需層にも手が届く価格帯になる可能性はある。しかし、借地権付き物件は住宅ローン審査が厳しく、買い手が限定される傾向がある。土地所有者(学校法人菅生学園)との賃貸借契約の条件次第では、売却時に地主の承諾料が発生するリスクもある。書面には賃貸借契約の詳細条件が記載されておらず、出口の不確実性は高い。

物件概要

項目 内容
所在地 東京都墨田区向島五丁目14番3
物件種別 借地権付き土地+新築戸建2棟
構造 木造スレート葺3階建
築年月 令和8年(2026年)12月新築予定
延床面積 99.63㎡/105.02㎡(2棟合計約205㎡)
土地面積 102.49㎡(借地権)
テナント 該当なし(売却目的)
稼働率 該当なし

収益構造とNOI分析

本ファンドは開発型(キャピタルゲイン型)であり、賃料収入を原資とするインカムゲインは発生しない。配当原資は対象不動産の売却益のみとなる。

項目 金額
土地取得費(借地権) 4,205万円(推定)
建築工事費 6,200万円(税込)
諸費用・組成報酬等 295万円(推定)
総投資額 1億700万円
  • キャップレート: 該当なし(開発型のためNOIベースの利回り算出不可)
  • 配当原資: キャピタルゲイン型(売却益のみ)

書面記載の予定利回り14%を達成するには、8ヶ月間で約1,483万円の売却益(優先出資者分配分)を確保する必要がある。逆算すると、2棟合計で約1億2,200万円以上での売却が必要となる計算だ。

市場価格検証

近隣取引事例データから、墨田区内の木造戸建・土地建物の取引価格を検証する。

比較項目 ファンド物件 近隣取引事例 乖離率
総額(2棟) 1億700万円 4,400〜5,800万円/棟 参考
㎡単価(建物) 約52万円/㎡ 約64〜68万円/㎡ ▲18〜24%

近隣の京島エリアでは、2024年第1四半期に木造戸建(土地建物)が4,400万円(築6年・65㎡)、5,800万円(新築・90㎡)で成約している。本ファンドの2棟は延床面積約100㎡×2棟であり、1棟あたり5,000〜6,000万円程度が市場相場と推測される。

ただし、本ファンドは借地権付きであり、所有権付き物件と単純比較はできない。一般的に借地権付き物件は所有権の60〜80%程度の価格水準となることが多い。この点を考慮すると、1棟あたり4,000〜4,800万円程度が妥当な売却価格帯となる可能性がある。2棟合計で8,000〜9,600万円とすると、出資総額1億700万円を下回るリスクが存在する。


土地評価と出口シナリオ

墨田区向島5丁目の商業地域における公示地価は、近隣の向島3丁目で約65万円/㎡(2024年)程度。本物件の土地面積102.49㎡に対し、借地権割合を70%と仮定すると:

  • 土地評価額(概算): 102.49㎡ × 65万円 × 70% ≒ 4,663万円

建物の建築原価6,200万円を加算すると、原価ベースでの総額は約1億863万円となり、出資総額1億700万円とほぼ同水準。売却益を確保するには、市場価格が原価を上回る必要がある。

シナリオ 売却価格(2棟計) 投資家への影響
楽観 1億3,000万円 元本全額償還+利回り14%達成
基本 1億1,000万円 元本全額償還+利回り3%程度
悲観 9,500万円 元本毀損(▲1,200万円)

悲観シナリオでは、劣後出資107万円を差し引いても約1,093万円の元本毀損が発生する。劣後比率1.0%では、物件価格の1%下落で劣後バッファが枯渇し、それ以上の下落は全て優先出資者(投資家)が負担することになる。


ストレステスト

変動要因 変動幅 物件価値への影響 劣後バッファとの関係
売却価格▲10% 1億700万円→9,630万円 ▲1,070万円 バッファ超過(▲963万円)
建築コスト+10% 6,200万円→6,820万円 利益▲620万円 利回り低下
運用期間+6ヶ月 8ヶ月→14ヶ月 資金拘束長期化 実質利回り低下

劣後出資額107万円を物件取得価格1億700万円で割ると、物件価格が1.0%下落した時点で劣後バッファは枯渇する。開発型ファンドで売却価格が10%下振れすることは珍しくなく、その場合の損失約1,070万円のうち、劣後で吸収できるのはわずか107万円。残り963万円は投資家が負担することになる。


契約上の注意点

  • 関連当事者取引: 土地取得先・建築契約承継元が親会社エムトラスト。利益相反リスクあり
  • 鑑定評価なし: 物件価格1億700万円の第三者検証が存在しない
  • 倒産隔離なし: 第1号事業(匿名組合型)のため、事業者破綻時に出資金は保全されない
  • 運用期間延長条項: 最大2年の延長が可能。資金拘束リスクあり
  • 中途解約制限: やむを得ない事由がない限り解約不可。流動性は極めて低い
  • 地主承諾リスク: 借地権売却時に地主(学校法人菅生学園)の承諾が必要となる可能性

結論

利回り14%の数字に目を奪われがちだが、劣後比率1.0%・鑑定評価なし・売却先未定という三重のリスクを冷静に評価すべき。開発型ファンドとしてのリスクに見合う安全装置が不足しており、静観が妥当。

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⚠️ 免責事項:本記事はRE:Insight AIが公開情報・PDF書面を元に自動生成したファンド紹介・分析情報です。 投資助言には該当しません。投資判断は必ずご自身の責任のもとで行い、各事業者の公式情報を直接ご確認ください。