評価手法

RE:Insight は、不動産クラウドファンディングの各ファンドを固定のルーブリックで採点し、レーティングを付けています。このページでは、その採点方法をすべて公開します。基準を隠さず示すことが、中立性の担保であり、同じファンドを何度採点しても同じ結果になる再現性の裏付けだと考えているためです。

(現行バージョン:評価手法 v2.4)

何を入力に採点するか

採点の一次情報は、各プラットフォームが開示する重要事項説明書・契約成立前交付書面などの規制上の書面です。ページ上の宣伝文や利回りの見出しではなく、書面に記載された劣後比率・LTV・鑑定評価・配当原資・事業者ストラクチャーといった事実を根拠にします。書面が閲覧できない場合の扱いは後述の「N(判定不能)」の通りです。

4つの評価軸(各 1.0〜5.0)

各ファンドを次の4軸で採点します。スコアは 1.0〜5.0、小数点1桁です。

収益性 ― 利回りの絶対的な魅力度と、配当原資の実現可能性。利回りの高さだけでなく、その利回りを生む原資が書面上どこまで裏付けられているかを見ます。配当原資の裏付け(NOI)として採用するのは書面に記載された実額のみで、費用が欠損した推計値で収益性を上振れさせることはしません。

透明性 ― 情報開示の充実度と検証可能性。NOI・費用の実額、鑑定評価、契約条件などがどこまで検証可能な形で開示されているか。費用の実額記載がなく賃料からの推計にとどまる場合は「開示あり」とはみなしません。

元本安全性 ― 劣後出資・LTV・鑑定評価から数式で一意に算出します(下表)。ここは人の判断が入りません。

事業者信頼性 ― 元本毀損時に責任を負う主体(運営・償還・劣後出資を担う責任主体)を主語に、トラックレコードを基準スコアとし、財務・構造リスクで加減点します。募集事業者が責任主体と別法人の場合は本文で併記しつつ、スコアの主語は責任主体とします。

元本安全性の計算(決定論)

劣後比率から基準スコアを決め、LTVと鑑定評価の有無で減点します。

劣後比率 基準スコア
40%以上 5.0
30%以上 40%未満 4.5
20%以上 30%未満 4.0
10%以上 20%未満 3.5
5%以上 10%未満 3.0
1%以上 5%未満 2.5
1%未満(0%含む) 2.0
LTV 減点
50%以下 なし
50%超 60%以下 −0.3
60%超 70%以下 −0.5
70%超 −0.8

鑑定評価がない場合はさらに −0.2。最終スコアは「基準スコア − LTV減点 − 鑑定減点」を 1.0〜5.0 の範囲に収めた値です。

最終レーティング(6段階)

4軸スコアの合計と、各軸の下限で最終ランクを決めます。ここも数式で一意に決まります。

ランク 意味 条件
🟢 AA 迷わず投資 合計 16.0 以上、かつ全軸 3.5 以上
🔵 A 検討価値あり 合計 14.0 以上、かつ全軸 3.0 以上
🟡 B 余剰資金なら 合計 12.0 以上、かつ全軸 2.5 以上
🟠 C 静観推奨 上記に該当せず、合計 8.0 以上
🔴 D 地雷警報 合計 8.0 未満
⚫ N 判定不能 下記参照

合計点が高くても、いずれか1軸が下限を割ればその上位ランクは付きません(例:合計が A の水準でも、1軸が 3.0 未満なら A にはなりません)。上位の条件から順に判定し、当てはまらないものが C になります。

N(判定不能)について

契約書面が掲載期間終了などで閲覧できない、投資判断に必要な情報が取得できない、スコアが揃って算出できない ―― こうした場合は無理に点を付けず N(判定不能) とします。N は「悪い」ではなく「材料が足りず採点できない」という意味で、スコアテーブルは出しません。忖度で甘い点を付けないための仕組みです。

どこが数式で、どこが判断か

正直に切り分けます。元本安全性と最終ランクの集計は、上記の通り数式で一意に決まる決定論部分です。収益性・透明性・事業者信頼性は、同じ書面を同じ固定基準に照らして採点する部分で、ここには定性的な判断が含まれます。いずれの軸も、広告・送客といった商業的関係の有無を入力にはしません(詳細は「中立性と開示方針」を参照)。

バージョンと更新

現行は評価手法 v2.4 です。基準を改定した場合はバージョンを更新し、恣意的にファンドごとに基準を変えることはしません。同じ基準を全ファンドに一律で適用します。

本ページは評価の考え方を示すもので、特定の投資を推奨・勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。