📊 本レポートは、RE:Insightが対応する19の不動産クラウドファンディングサービスから 自動収集したデータに基づく集計・分析です。日本国内の全サービスを網羅するものではありません。
2026年6月の不動産クラウドファンディング市場
サマリー
新規29ファンド、総募集額67億円。前月比+38%の組成数増加も、平均利回りは7.6%へ微減。TORCHESの高利回り攻勢が平均を押し上げる一方、劣後比率12.3%は防火壁としてやや薄い。市場は「量の回復」と「質の選別」が交錯する踊り場にある。
市場全体の動き
※ 本レポートはRE:Insightが対応する19サービスのデータに基づく集計であり、日本国内の全サービスを網羅するものではない。
| 指標 | 2026年6月 | 前月比 |
|---|---|---|
| 新規組成ファンド数 | 29件 | +8件(+38%) |
| 募集総額 | 67.1億円 | — |
| 平均利回り(予定) | 7.6% | ▲0.3pt |
| 平均劣後比率 | 12.3% | ▲1.2pt |
| 募集中件数(月末時点) | 2件 | — |
組成数29件は前月21件から大幅増。総募集額67億円は、1件あたり平均2.3億円規模と中型案件が中心だ。利回り水準は7.6%と依然として高めを維持しているが、これは後述するTORCHESの14〜18%帯ファンドが平均を引き上げている構造的効果による。ボリュームゾーンの4〜6%帯が10件と最多であり、市場の「実勢」は6%前後と見るべきだろう。
劣後比率12.3%は前月13.5%から1.2ポイント低下。投資家保護の「防火壁」がやや薄くなった格好だ。高利回り案件ほど劣後比率が低い傾向があり、リターンとリスク吸収力のトレードオフが鮮明になっている。月末時点の募集中案件がわずか2件という点は、需要が供給を上回る「売り手市場」の継続を示唆する。
プラットフォーム別の活動量
| 順位 | プラットフォーム | 新規組成数 | 平均利回り |
|---|---|---|---|
| 1 | TSON | 8件 | 5.7% |
| 2 | TORCHES | 7件 | 14.9% |
| 3 | みらファン | 4件 | 5.3% |
| 4 | DARWIN funding | 2件 | 7.4% |
| 5 | Rimple | 2件 | 2.7% |
TSONが8件で首位。戸建レジデンス中心に安定供給を続け、利回り5.7%は市場平均よりやや低いが手堅い水準だ。
対照的にTORCHESは7件ながら平均利回り14.9%と突出。開発案件を中心に高利回り戦略を鮮明にしている。劣後比率が軒並み1%と極めて薄い点は、出口リスクを投資家が直接負う構造であることを意味する。高利回りの「甘い香り」の裏にある構造を見極める必要がある。
Rimpleの2.7%は市場最低水準だが、プロパティエージェント社の自社物件を活用した安定型案件であり、リスクアピタイトの異なる投資家層を取り込む戦略と読める。
アセットクラス別の動向
| アセットクラス | 件数 | 平均利回り |
|---|---|---|
| レジデンス(区分) | 18件 | 7.2% |
| レジデンス(戸建) | 4件 | 5.6% |
| 商業・オフィス(一棟) | 2件 | 16.0% |
| ホテル・旅館 | 2件 | 5.2% |
| 物流施設 | 1件 | 6.1% |
| 土地・開発 | 1件 | 18.0% |
| 商業施設 | 1件 | 2.7% |
レジデンス(区分)が18件と全体の6割超を占め、不動産クラファン市場の「主戦場」であることを再確認。平均利回り7.2%は区分マンションとしては高めだが、開発型案件が含まれている影響だ。
商業・オフィス(一棟)と土地・開発は件数こそ少ないが、利回り16〜18%と突出。出口の狭いトンネルを抜けられるかどうかが勝負の分かれ目となるアセットクラスだ。稼働中の賃料収入ではなく、売却益を前提としたストラクチャーが多く、価格下落局面では元本毀損リスクが顕在化しやすい。
ホテル・旅館は2件・5.2%と控えめ。インバウンド需要の恩恵を受けるセクターだが、クラファン市場への本格参入はまだ限定的だ。
利回り帯別の分布
| 利回り帯 | 件数 | 構成比 |
|---|---|---|
| 〜4% | 5件 | 17.2% |
| 4〜6% | 10件 | 34.5% |
| 6〜8% | 6件 | 20.7% |
| 8〜10% | 1件 | 3.4% |
| 10%〜 | 7件 | 24.1% |
ボリュームゾーンは4〜6%帯の10件(34.5%)。これが市場の「実勢利回り」と言える。
一方、10%超が7件(24.1%)と約4分の1を占める点は特筆に値する。ただしこの7件のうち6件はTORCHESの開発案件であり、劣後比率1%という極めて薄いバッファが共通する。高利回りは「報酬」ではなく「リスクプレミアム」であるという基本原則を、この分布は明確に示している。
8〜10%帯がわずか1件という「中間層の空洞化」も興味深い。市場は「安定型」と「高リスク型」に二極化しつつある。
注目ファンド
| ファンド名 | プラットフォーム | 利回り | 劣後比率 | 所在地 |
|---|---|---|---|---|
| No.43 熊本県八代郡 系統用蓄電池用地ファンド | TORCHES | 18.0% | 1.0% | 熊本県八代郡氷川町 |
| No.38 港区元麻布2丁目ファンド | TORCHES | 17.0% | 1.0% | 東京都港区元麻布 |
| No.39 港区高輪1丁目ファンド | TORCHES | 15.0% | 1.0% | 東京都港区高輪 |
| No.41 墨田区横川1丁目ファンド | TORCHES | 14.0% | 1.0% | 東京都墨田区横川 |
| No.42 墨田区向島5丁目ファンド | TORCHES | 14.0% | 1.0% | 東京都墨田区向島 |
上位5件はすべてTORCHES。利回り14〜18%、劣後比率1%という共通項を持つ。熊本の蓄電池用地は不動産クラファンとしては異色の案件であり、再生可能エネルギー関連のアセットが市場に浸透しつつある兆しとも読める。港区の高級住宅地開発は出口価格の変動リスクが大きく、「都心一等地」というブランドだけで安心できる構造ではない点に留意が必要だ。
来月以降の論点
組成数の回復基調は継続する可能性があるが、問いは「量」ではなく「質」に移りつつある。
劣後比率の低下傾向が続けば、投資家のリスク負担は相対的に増大する。高利回り案件の供給が増えること自体は市場の選択肢拡大だが、リスクとリターンの対応関係を可視化する情報開示の精度が問われる局面だ。
アセットクラスでは、開発案件と土地取引が存在感を増している。不動産価格の調整局面では、これらのアセットから先に影響が出やすい。「出口の見えないトンネル」に入る前に、トンネルの長さを測る視点が求められる。
⚠️ 免責事項:本記事はRE:Insight AIが自社に蓄積された公開データを元に自動生成した市場動向の分析情報です。 投資助言には該当しません。投資判断は必ずご自身の責任のもとで行い、各事業者の公式情報を直接ご確認ください。