📊 本レポートは、RE:Insightが対応する19の不動産クラウドファンディングサービスから 自動収集したデータに基づく集計・分析です。日本国内の全サービスを網羅するものではありません。
2026年7月の不動産クラウドファンディング市場
サマリー
新規35ファンド、総募集額89.9億円。平均利回り9.4%は前月比+2.0ptの急騰。TORCHESの系統用蓄電池用地ファンドが平均を大きく押し上げる異常月。劣後比率10.8%への低下は、リスク緩衝材の目減りを示唆。高利回りの灯りに誘われる蛾のごとく、投資家の目線は上を向いている。
市場全体の動き
※ 本レポートはRE:Insightが対応する19サービスのデータに基づく集計であり、日本国内の全サービスを網羅するものではない。
| 指標 | 2026年7月 | 前月(6月) |
|---|---|---|
| 新規組成ファンド数 | 35件 | 33件 |
| 募集総額 | 89.9億円 | ― |
| 平均利回り(予定) | 9.4% | 7.4% |
| 平均劣後比率 | 10.8% | 14.7% |
| 募集中件数(月末時点) | 2件 | ― |
平均利回り9.4%という数字は、市場の相場観から明らかに外れた水準。過去の安定帯である5〜7%と比較して、2〜4pt高い。この押し上げ要因は後述するTORCHESの系統用蓄電池用地ファンド群にほぼ集約される。特殊案件を除外すれば、実質的な平均利回りは6〜7%台に落ち着くと見るべきだろう。
劣後比率の低下は見過ごせない。前月14.7%から10.8%へ、約4ptの縮小。劣後出資はいわば「防火壁」であり、これが薄くなるということは、ファンド組成者側のリスクテイク姿勢が後退していることを意味する。高利回り案件が増えながら劣後比率が下がるという組み合わせは、投資家にとってリスク・リターンのバランスが悪化している可能性を示唆する。
月末時点で募集中件数が2件にとどまる点も特徴的。多くのファンドが即日完売または短期間で募集完了しており、需給は依然として売り手市場の様相。
プラットフォーム別の活動量
| 順位 | プラットフォーム | 新規組成数 | 平均利回り |
|---|---|---|---|
| 1 | TORCHES | 11件 | 15.9% |
| 2 | TSON | 7件 | 5.9% |
| 3 | SENSE OWNERS | 2件 | 14.0% |
| 4 | みんなの年金 | 2件 | 8.0% |
| 5 | Rimple | 2件 | 2.7% |
TORCHESが11件と突出。市場全体35件の約3分の1を単独で供給した計算になる。平均利回り15.9%は市場平均の1.7倍。系統用蓄電池用地という特殊なアセットに特化した連続組成が、この数字を生み出している。
対照的にTSONは7件ながら平均利回り5.9%と堅実路線。Rimpleの2.7%は都心一等地のレジデンスを主軸とするプラットフォームの特性を反映している。利回りの高低は必ずしも優劣を示すものではなく、アセット特性と事業者のリスク選好の違いに過ぎない。
アセットクラス別の動向
| アセットクラス | 件数 | 平均利回り |
|---|---|---|
| レジデンス(区分) | 17件 | 8.9% |
| 土地・開発 | 3件 | 18.0% |
| 商業・オフィス(一棟) | 3件 | 5.9% |
| 物流施設 | 2件 | 11.0% |
| 商業施設 | 2件 | 12.5% |
| その他 | 8件 | ― |
レジデンス(区分)が17件と最大勢力。市場の約半数を占め、不動産クラウドファンディングの「主戦場」としての地位は揺るがない。平均利回り8.9%は、高利回り案件の混入により例月より高め。
土地・開発の平均利回り18.0%は突出しているが、これは系統用蓄電池用地ファンド3件の数字をそのまま反映したもの。土地・開発案件は出口の不確実性が高く、この利回りはそのリスクプレミアムと理解すべき。開発完了までの期間リスク、許認可リスク、売却価格の不確実性が織り込まれている。
商業・オフィス(一棟)の5.9%は相対的に低いが、安定したキャッシュフローを見込めるアセットとしての堅実さの裏返し。
利回り帯別の分布
| 利回り帯 | 件数 | 構成比 |
|---|---|---|
| 〜4% | 5件 | 14.3% |
| 4〜6% | 5件 | 14.3% |
| 6〜8% | 7件 | 20.0% |
| 8〜10% | 4件 | 11.4% |
| 10%〜 | 14件 | 40.0% |
10%以上の高利回り帯が14件・40.0%と最大勢力。通常月であれば4〜6%帯がボリュームゾーンとなるところ、7月は明らかに分布が上方シフトしている。
ただしこの40%のうち、TORCHESの系統用蓄電池用地ファンドが相当数を占める。特定事業者の特殊案件が市場全体の分布を歪めている構造。高利回り帯に飛びつく前に、その利回りがどのようなリスクの対価として設定されているかを個別に精査する姿勢が求められる。
6〜8%帯の7件(20%)が実質的な中心層と見るのが妥当。堅実なレジデンス案件の多くがこのゾーンに分布している。
注目ファンド
| ファンド名 | プラットフォーム | 利回り | 劣後比率 | 所在地 |
|---|---|---|---|---|
| No.52 長野県飯山市 系統用蓄電池用地ファンド | TORCHES | 18.0% | 1.0% | 飯山市大字瑞穂豊字横畑 |
| No.53 石川県加賀市 系統用蓄電池用地ファンド | TORCHES | 18.0% | 1.0% | 加賀市分校町 |
| No.54 岐阜県多治見市 系統用蓄電池用地ファンド | TORCHES | 18.0% | 1.0% | 多治見市笠原町字森下 |
| No.46 渋谷区 新築ペントハウスファンド | TORCHES | 16.0% | 1.0% | 東京都渋谷区東 |
| No.48 世田谷区奥沢7丁目ファンド | TORCHES | 16.0% | 1.0% | 世田谷区奥沢 |
上位5件すべてがTORCHES案件。共通点は**劣後比率1.0%**という極めて薄い防火壁。18%という利回りは魅力的に映るが、裏を返せば事業者側が99%のリスクを投資家に転嫁している構造。系統用蓄電池用地という新興アセットの特性上、出口戦略の実績が限られている点も留意が必要。高利回りには必ず理由がある。
来月以降の論点
7月の利回り急騰は、特殊案件の集中組成による一時的な歪みと見るのが自然。8月以降、TORCHESの蓄電池用地ファンドの組成ペースが落ち着けば、平均利回りは6〜7%台へ回帰する可能性が高い。
劣後比率の低下傾向は構造的な変化として注視すべき。投資家の資金余剰が続く中、事業者側が「薄い劣後でも売れる」と判断している可能性がある。この傾向が定着すれば、投資家保護の観点からは後退を意味する。
アセットクラスでは、土地・開発案件の増加が一つのトレンドとして浮上している。従来の「インカムゲイン型」から「キャピタルゲイン型」へのシフトが進むのか、今後数ヶ月のデータで見極めが必要。
⚠️ 免責事項:本記事はRE:Insight AIが自社に蓄積された公開データを元に自動生成した市場動向の分析情報です。 投資助言には該当しません。投資判断は必ずご自身の責任のもとで行い、各事業者の公式情報を直接ご確認ください。