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利回り6.3%の果実を狩りに行く道に、盾はない。劣後比率0%・LTV53.4%という構造は、物件価格が1%下落した瞬間から投資家の財布が削られる最前線。バリューアップ成功と3年後の市況、この2つの賭けに勝てなければ出口で待つのは元本毀損。上場企業の看板だけでは守れない。
ポイント
劣後比率0%は「投資家が最前線に立つ」構造
本ファンド最大の特徴は、優先劣後構造を採用していない点にある。通常の不動産クラファンでは事業者が劣後出資を行い、物件価格下落時のバッファとして機能する。しかし本ファンドでは劣後比率0.0%、つまり物件価格が1%でも下落すれば、その損失は即座に投資家の元本を直撃する。サイトでは「想定利回り以上のリターンを期待できる」とアップサイドを強調するが、裏を返せばダウンサイドも全て投資家が負う構造だ。
LTV53.4%の借入が元本毀損リスクを増幅
ノンリコースローン11億円を活用し、LTV53.4%で運用する。レバレッジは収益を増幅させる一方、物件価格下落時の損失も拡大させる。仮に物件価格が20%下落した場合、借入返済後の残余は出資総額を大きく下回り、投資家の元本毀損は避けられない。劣後バッファがない状態でのレバレッジ活用は、ハイリスク・ハイリターンの典型的な構造といえる。
バリューアップ戦略の前提条件は楽観的
事業者は「年間入替率30%」「既存契約の賃料10%増額」を前提としたバリューアップ戦略を掲げる。しかし書面を見ると、物件①不動前の直近稼働率は85.7%→92.9%→100%と改善傾向にあるものの、物件②世田谷代田は86.7%→88.3%→96.0%と回復途上。物件③高田馬場は2026年4月竣工の新築で稼働実績がない。3物件合計で年間賃料約7,093万円を前提とするが、バリューアップが計画通り進まなければ出口での売却価格に直結する。
マスターリース先はグループ会社という利益相反
物件①②のマスターリース先はクリアルパートナーズ株式会社(クリアル100%子会社)。月額賃料は物件①が199万円、物件②が175万円で固定されるが、これはグループ内取引である。マスターリース賃料の妥当性を第三者が検証する仕組みはなく、親会社の意向で条件が変更されるリスクは排除できない。また物件③はクリアル本体からの自己取引(取得価格6.43億円)であり、関連当事者取引が複数存在する点は透明性の観点から減点要素となる。
鑑定評価は取得価格を上回るが安心材料とは言い切れない
3物件合計の鑑定評価額は20.61億円(物件①7億円、物件②6.39億円、物件③7.22億円)に対し、取得価格は17.96億円(諸経費込み20.06億円)。鑑定評価が取得価格を上回る点は一定の安心材料だが、鑑定評価はあくまで「時点評価」であり、3年後の出口時点での市場価格を保証するものではない。キャピタル型ファンドの配当原資は売却益に依存するため、出口時点での不動産市況が全てを左右する。
物件概要
| 項目 | 物件①不動前 | 物件②世田谷代田 | 物件③高田馬場 |
|---|---|---|---|
| 所在地 | 東京都目黒区下目黒三丁目 | 東京都世田谷区代田一丁目 | 東京都新宿区高田馬場四丁目 |
| 物件種別 | 共同住宅 | 共同住宅 | 共同住宅 |
| 構造 | RC造5階建 | RC造地下1階付3階建 | RC造5階建 |
| 築年月 | 2020年6月(築約6年) | 2018年8月(築約8年) | 2026年4月(新築) |
| 延床面積 | 482.04㎡ | 532.79㎡ | 513.79㎡ |
| 戸数 | 14戸 | 15戸 | 10戸 |
| テナント | クリアルパートナーズ(ML) | クリアルパートナーズ(ML) | 株式会社ASSETIA(PM) |
| 稼働率 | 100%(2025年12月) | 96.0%(2025年12月) | 0%(新築・リーシング中) |
収益構造とNOI分析
本ファンドはキャピタル型であり、配当原資の大部分(5.6%相当)は物件売却益に依存する。インカムゲイン相当は0.7%に過ぎず、賃料収入からの配当は限定的。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 年間賃料収入(ML賃料ベース) | 70,926,156円 |
| 火災保険料 | ▲377,540円 |
| 固定資産税・都市計画税 | ▲3,916,828円 |
| 修繕費・予備費 | ▲410,000円 |
| 管理費(PM費用等) | 書面記載なし(0計上) |
| NOI(実額・下振れ注意) | 約66,221,788円/年 |
- キャップレート(実額・暫定): 約3.3%(取得価格20.06億円ベース)
- ※管理費・PM費用が書面から取得できず0として計算した暫定値。実際の運営費用を反映していないため、利回りは上振れ方向に注意。
- (参考)費用欠損を賃料の20〜30%で仮置きした場合の推計NOI: 16,716,000〜19,104,000円/年(推計キャップレート: 0.8〜1.0%)
- ※上記推計は賃料収入の一部のみを対象とした参考値であり、本ファンド固有の一次資料に基づく確定値ではない。
- 配当原資: キャピタルゲイン型
重要な注意点: 書面に記載されたマスターリース賃料(年額約7,093万円)と、実際の運営費用の詳細が一部欠損しているため、正確なNOIの算出には限界がある。キャピタル型ファンドの本質は「いくらで売れるか」であり、NOI利回りよりも出口時点での売却価格が投資成否を決定する。
市場価格検証
| 比較項目 | ファンド物件(3物件平均) | 目黒区近隣取引中央値 | 乖離率 |
|---|---|---|---|
| ㎡単価 | 約131万円/㎡ | 約133万円/㎡ | -1.5% |
| 取引価格 | 約6.7億円/物件 | 約1.1億円(中央値) | +509% |
近隣取引データは区分マンションや戸建が中心であり、一棟レジデンスとの直接比較は困難。ただし目黒区・世田谷区・新宿区の一棟レジデンス市場は、築浅RC造で表面利回り3〜4%台が相場観。本ファンドの取得価格(諸経費込み20.06億円)に対する鑑定評価額(20.61億円)は約2.7%のプレミアムがあり、取得価格自体は市場水準から大きく乖離していないと推測される。
ただし、バリューアップ後の想定売却価格については、事業者の戦略が成功することを前提としており、市場データからの検証は限定的である。
土地評価と出口シナリオ
3物件の土地面積合計は約571㎡。目黒区・世田谷区・新宿区の住宅地路線価は概ね50〜80万円/㎡程度であり、土地持分相当額は推計で2.9〜4.6億円程度。建物価値を加味しても、土地の底地価値が一定の下支えとなる。
| シナリオ | キャップレート | 想定売却価格 | 投資家への影響 |
|---|---|---|---|
| 楽観(バリューアップ成功) | 3.5% | 約22億円 | 元本全額償還+キャピタル配当6.3%以上 |
| 基本(現状維持) | 4.0% | 約19億円 | 元本全額償還(配当は縮小) |
| 悲観(市況悪化) | 4.5% | 約17億円 | 借入返済後、元本毀損の可能性 |
出口シナリオの鍵は、バリューアップ戦略の成否と3年後の不動産市況。楽観シナリオでは想定利回り以上のリターンが期待できるが、悲観シナリオでは借入返済(11億円)後の残余が出資総額(約9億円)を下回り、元本毀損リスクが顕在化する。
ストレステスト
| 変動要因 | 変動幅 | 物件価値への影響 | 劣後バッファとの関係 |
|---|---|---|---|
| キャップレート+1% | 3.5%→4.5% | ▲約4.4億円(約22%下落) | バッファなし・即座に元本毀損 |
| 空室率+10% | 100%→90% | NOI▲約700万円 | 売却価格に影響 |
| 賃料下落10% | 7,093万円→6,384万円 | NOI▲約709万円 | 売却価格に影響 |
ストレステスト総評: 劣後比率0.0%のため、物件価格が1円でも下落すれば投資家の元本が毀損する。借入11億円を返済した後の残余が出資総額約9億円を下回る水準、すなわち物件価格が約20億円から約20億円以下に下落した時点で元本毀損が始まる。キャップレートが0.5%上昇するだけで物件価格は約2億円下落し、投資家の元本は約22%毀損する計算となる。劣後バッファがない以上、市況変動リスクは全て投資家が負う構造であることを認識すべきだ。
契約上の注意点
- 優先劣後構造なし: 物件価格下落時のバッファがなく、損失は即座に投資家の元本を直撃する
- 関連当事者取引の存在: マスターリース先(クリアルパートナーズ)、物件③の売主(クリアル本体)がグループ会社
- 第1号事業(SPC)による倒産隔離: クリアル本体の倒産リスクからは一定程度隔離されるが、SPC(ハダル合同会社)自体の運営リスクは残存
- 運用期間延長の可能性: 最大5年間の延長が可能であり、資金拘束期間が想定より長期化するリスク
- 借入返済の優先: ノンリコースローン11億円の返済が投資家への配当・元本償還に優先する
結論
東証グロース上場企業が運営する信頼性と、都心3エリアの築浅レジデンスという物件の質は評価できる。しかし劣後比率0.0%・LTV53.4%という構造は、投資家が全てのダウンサイドリスクを負うことを意味する。バリューアップ戦略の成功と3年後の不動産市況という「二重の不確実性」に賭けるファンドであり、元本保全を重視する投資家には適さない。
⚠️ 免責事項:本記事はRE:Insight AIが公開情報・PDF書面を元に自動生成したファンド紹介・分析情報です。 投資助言には該当しません。投資判断は必ずご自身の責任のもとで行い、各事業者の公式情報を直接ご確認ください。