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ゴールドエイジあま市 AMA(4期)

GOLD CROWD ・ 分析日: 2026年09月28日 ・ RE:Insight AI
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利回り7.31%・劣後24.4%の数字だけ見れば「堅実な一皿」に映るが、肝心のNOIが霧の中。サ高住特有の運営コストは賃料の30〜40%を食う重量級、それが一切開示されていない。配当原資の正体が見えないまま飛び込むのは、レシピなしで厨房に立つようなもの。

インカム型利回り:平均的運用1年
予定利回り
7.31%
運用期間
1年
募集総額
2.9億円
劣後比率
24.4%
所在地
愛知県あま市中萱津砂入19番地
種別
不動産
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3.5
収益性
2.6
透明性
3.3
元本安全性
3.3
事業者信頼性

ポイント

運営費用ゼロ開示でNOIは算出不能

書面には月額賃料280万円(年間約3,365万円)の記載があるが、管理費・火災保険料・固定資産税・修繕積立金といった運営費用の実額が一切開示されていない。サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は一般賃貸と異なり、24時間スタッフ常駐・安否確認・生活相談サービスが義務付けられており、人件費を含む運営コストは賃料収入の30〜40%に達することも珍しくない。賃料の20〜30%を費用と仮置きした推計キャップレートすら算出困難な状況であり、「利回り7.31%の配当原資は本当に賃料から出るのか」という根本的な問いに答えられない。

鑑定評価7.53億円と取得価格7.2億円の差額は妥当か

事業者は「仲介手数料その他の取得付随費用が不要」として3,300万円の差額を正当化している。しかし7.2億円の物件で仲介手数料は最大でも約2,200万円(3%+6万円)。残り1,100万円の説明がつかない。むしろ注目すべきは、鑑定評価が2023年9月時点であり、すでに2年以上経過している点。築2年→築4年への経年劣化、金利上昇によるキャップレート拡大を織り込めば、現時点の時価は鑑定額を下回っている可能性がある。

LTV59.6%は介護施設としては標準的だが出口リスクあり

借入残高4.29億円÷物件価格7.2億円=LTV59.6%。不動産クラファンとしては高めだが、介護施設は安定稼働が見込めるためレンダーも融資しやすい。問題は出口。売却想定額7.2億円で「ゴールドエイジ株式会社が買取り」と明記されているが、これは自己取引の継続を意味する。第三者への売却ではなく、グループ内で物件を回す構造では、市場価格との乖離が検証できない。万一、介護報酬改定や入居率低下で収益性が悪化した場合、買取価格の下方修正リスクは投資家が負う。

稼働率83%は「直前5年」の平均値という曖昧さ

書面には「直前5年の稼働率83%」とあるが、これは5年間の平均なのか、直近1年の数値なのか判然としない。サ高住は開業初年度の稼働率が低く、3年目以降に安定するのが通常。2022年10月竣工の本物件は、2024年時点でようやく2年目。「5年平均83%」という表記は、開業前の期間を含む可能性すらある。現時点の稼働率が90%を超えているのか、70%台で苦戦しているのかで、配当原資の安定性は大きく異なる。

事業者の財務基盤は堅調だが特別損失1.5億円の中身が不明

ゴールドエイジ株式会社の直近3期決算を見ると、売上高は65.9億円→81.4億円と23%成長、営業利益も0.9億円→2.5億円と改善傾向にある。自己資本比率20.4%は不動産業界では標準的。ただし2025年12月期に特別損失1.5億円を計上し、当期純利益が0.2億円に急減している。この特別損失の内訳(減損?訴訟?)が開示されておらず、一過性なのか構造的問題なのか判断できない。

物件概要

項目 内容
所在地 愛知県あま市中萱津砂入19番地
物件種別 サービス付き高齢者向け住宅(デイサービス・訪問看護併設)
構造 鉄筋コンクリート造陸屋根3階建
築年月 2022年10月17日(築約2年)
延床面積 2,118.32㎡
テナント 入居者51戸(各居室18.42〜20.76㎡)
稼働率 83.0%(直前5年平均)

収益構造とNOI分析

本ファンドの配当原資は「ハイブリッド型」とされ、インカムゲイン(賃料収入)とキャピタルゲイン(売却益)の両方が想定されている。

  • NOI(実額): 書面に運営費用の記載がなく算出できません。
  • (推計・参考値)想定NOI: 428〜490万円/年/想定キャップレート: 算出不能(物件価格7.2億円に対し賃料収入が年間612円と記載されており、データ異常の可能性あり)
  • 運営費用の一部が書面から取得できないため、賃料収入の20〜30%を運営費用の目安として控除し、利回りをレンジで推計した参考値です。ただし、サ高住は一般賃貸より運営コストが高いため、この推計は楽観的な前提に基づきます。
  • 配当原資: ハイブリッド型

データ異常の指摘: 書面記載の「年額612円」は明らかに誤記または抽出エラー。月額賃料280万円×12ヶ月=年間約3,365万円が正しい賃料収入と推定される。この場合、賃料の20〜30%を費用と仮置きすると、NOIは2,356〜2,692万円、キャップレートは3.3〜3.7%となる。予定利回り7.31%を大幅に下回り、インカムゲインだけでは配当を賄えない計算になる。

配当原資の実態: 優先出資者への年間配当予想額は約1,608万円。上記の推計NOIが正しければ、借入金利息(4.29億円×2.4%=約1,030万円)を控除した後のキャッシュフローは1,326〜1,662万円となり、配当をギリギリ賄える水準。ただし、サ高住の運営費用が賃料の30%を超える場合、インカムだけでは配当不足となり、売却益(キャピタルゲイン)への依存度が高まる。

市場価格検証

比較項目 ファンド物件 近隣取引中央値 乖離率
土地㎡単価 約49万円(7.2億円÷1,465㎡) 8.8万円 +457%
取引価格 7.2億円 2,286万円 +3,050%

分析: 近隣取引事例は住宅用地・農地が中心であり、サ高住という収益不動産との直接比較は困難。あま市の住宅地は㎡単価8〜18万円が相場だが、本物件は建物込みの収益還元法で評価されているため、土地単価での比較は適切ではない。

鑑定評価7.53億円は収益還元法を主たる手法としており、想定NOIとキャップレートから逆算された価格。仮にNOI2,500万円、キャップレート3.3%とすると、収益価格は約7.6億円となり、鑑定額と整合する。問題は、このNOI2,500万円が実際に達成可能かどうかが検証できない点にある。


土地評価と出口シナリオ

あま市中萱津エリアの路線価は㎡あたり5〜7万円程度と推定される。土地面積1,465㎡×路線価6万円=約8,800万円が土地の相続税評価額の目安。時価換算(路線価÷0.8)で約1.1億円。

建物は築2年のRC造であり、再調達原価は㎡あたり30〜35万円として、2,118㎡×32.5万円=約6.9億円。築2年の減価を考慮しても、建物価値は6億円以上と推定される。土地1.1億円+建物6億円=約7.1億円は、取得価格7.2億円とほぼ整合する。

シナリオ キャップレート 想定売却価格 投資家への影響
楽観 3.0% 8.3億円 元本全額償還+キャピタル配当
基本 3.5% 7.1億円 元本全額償還(ギリギリ)
悲観 4.0% 6.3億円 劣後出資で吸収可能

※NOI2,500万円を前提とした試算。実際のNOIが不明なため、参考値として扱うこと。


ストレステスト

変動要因 変動幅 物件価値への影響 劣後バッファとの関係
キャップレート+1% 3.5%→4.5% ▲1.6億円(22%下落) 劣後7,098万円で吸収不可
空室率+10% 83%→73% NOI▲300万円 配当原資に影響
賃料下落10% 280万円→252万円 NOI▲336万円 配当原資に影響

総評: 劣後出資額7,098万円÷物件価格7.2億円=約9.9%。物件価格が約7,100万円(9.9%)下落するまでは優先出資者の元本は毀損しない。ただし、借入金4.29億円の返済が優先されるため、実質的な劣後バッファは「物件価格-借入金-優先出資」で計算すべき。7.2億円-4.29億円-2.2億円=7,100万円が劣後出資額と一致しており、構造上は整合している。

キャップレートが1%上昇すると物件価値は約5.6億円に下落し、借入金4.29億円を返済した残りは1.3億円。優先出資2.2億円を全額返還できず、約9,000万円の元本毀損が発生する計算になる。


契約上の注意点

  • 自己取引構造: 物件の取得元・売却先・運営者がすべてゴールドエイジ株式会社(またはグループ会社)。利益相反の可能性があり、第三者による価格検証が困難。
  • 第1号事業(匿名組合型): SPCを用いた特例事業ではないため、事業者の倒産時に出資金が保全されない可能性がある。
  • 契約期間延長条項: 売却が完了しない場合、1年を超えない範囲で契約期間を延長可能。投資家の同意なく運用期間が延びるリスクあり。
  • 借入金の優先弁済: LTV59.6%の借入金は、元本返還において優先出資より上位。物件売却価格が借入金を下回った場合、優先出資者への返還はゼロになる。
  • 鑑定評価の陳腐化: 2023年9月時点の鑑定であり、2年以上経過。金利上昇・市況変化を反映していない可能性がある。

結論

利回り7.31%と劣後比率24.4%の数字だけを見れば魅力的だが、配当原資の裏付けとなるNOIが検証できない点が致命的。介護施設という特殊性を考慮しても、運営費用の開示なしに投資判断を下すのはリスクが高い。余剰資金での分散投資先としては検討可能だが、主力の投資先としては情報開示の改善を待ちたい。

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