くじら34号

くじらファンディング ・ 分析日: 2026年07月16日 ・ RE:Insight AI
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総評

利回り7.8%の古民家投資、その実態は鑑定なし・NOI非開示・築年不詳という霧の中のギャンブル。劣後比率16.7%が唯一の命綱だが、事業者の自己資本比率1.4%という薄氷の足場では心許ない。飛騨高山の観光需要に賭けるなら、溶けても痛くない額で。

インカム型マスターリース有利回り:平均的運用12ヶ月
予定利回り
7.8%
運用期間
12ヶ月
募集総額
5,000万円
劣後比率
16.7%
所在地
岐阜県高山市上一之町
種別
不動産
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3.0
収益性
2.6
透明性
3.3
元本安全性
2.5
事業者信頼性

ポイント

鑑定評価なしで1.2億円の妥当性は検証不能

本ファンドの最大の問題点は、不動産鑑定士による鑑定評価が実施されていないことだ。書面には「近隣エリアの同種の不動産の取引事例を参照にして算出」とあるが、その具体的な比較対象や算出根拠は一切開示されていない。築年月が「年月日不詳変更、増築」という記載からも分かるとおり、建物の正確な経済的残存価値すら把握できない状態で1.2億円という価格が設定されている。投資家は事業者の「言い値」を信じるしかない構造だ。

民泊リノベ×再販という出口戦略の不確実性

サイトには「リノベーションして民泊する。バリューアップの後、再販を予定」と記載されている。しかし書面にはリノベーション費用の見積もり、民泊許可取得の見通し、想定売却価格、売却先の目処といった具体的な出口戦略が一切記載されていない。飛騨高山は確かにインバウンド需要の高い観光地だが、民泊事業の収益性や再販価格の蓋然性を裏付けるデータがない以上、「観光地だから売れるだろう」という希望的観測に過ぎない。

事業者の財務基盤に重大な懸念

明治株式会社の直近2期の財務データを見ると、自己資本比率はFY2024で1.4%、FY2023で1.6%と極めて低い。さらにFY2024は純損失5,779万円、FY2023は純損失3.5億円と2期連続の赤字だ。営業利益は黒字を維持しているものの、現預金は8,229万円と、本ファンドの出資総額6,000万円を上回る程度しかない。第1号事業のため倒産隔離がなく、事業者の信用リスクがそのまま投資家に跳ね返る構造であることを認識すべきだ。

年間賃料1,258万円の実現可能性に疑問符

書面には「全賃料収入 12,580,000円(年想定)」と記載されているが、これはマスターリース契約に基づく想定賃料だ。テナント名が「居宅」とだけ記載され、マスターリース先の具体的な事業者名や信用力は不明。延床面積126.57㎡の木造2階建てで年間1,258万円、月額約105万円という賃料水準は、民泊運営を前提としなければ成立しない高水準だ。民泊許可が取得できない場合や稼働率が想定を下回った場合のダウンサイドシナリオが示されていない。

劣後比率16.7%は一定の安全弁だが過信は禁物

本ファンドの劣後比率16.7%は、くじらファンディングの平均17.4%とほぼ同水準。物件価格1.2億円に対し劣後出資1,000万円なので、物件価格が約8.3%下落するまでは優先出資者の元本は毀損しない計算だ。ただし、鑑定評価がない以上、現在の取得価格1.2億円自体が適正かどうか分からない。仮に取得時点で既に割高であれば、劣後バッファは見かけほど機能しない可能性がある。

物件概要

項目 内容
所在地 岐阜県高山市上一之町53番9
物件種別 店舗・居宅
構造 木造亜鉛メッキ鋼板葺2階建
築年月 年月日不詳(変更・増築あり)
延床面積 126.57㎡(1階68.90㎡、2階57.67㎡)
土地面積 90.90㎡
テナント 居宅(マスターリース契約)
稼働率 不明

収益構造とNOI分析

本ファンドは書面に運営費用(管理費・火災保険料・固都税等)の記載がなく、実額NOIを算出することができない。

  • NOI(実額): 書面に運営費用の記載がなく算出できません。
  • (推計・参考値)想定NOI: 880〜1,006万円/想定キャップレート: 7.3〜8.4%
  • 上記推計は年間賃料1,258万円に対し、運営費用を賃料の20〜30%と仮置きした概算値。実際の費用構造によっては大きく乖離する可能性がある。
  • 配当原資: ハイブリッド型(インカム+キャピタル)
項目 金額
年間賃料収入(想定) 12,580,000円
管理費 書面記載なし
火災保険料 書面記載なし
固都税 書面記載なし
NOI(実額) 算出不能

書面には「本事業者は対象不動産の維持・管理の為に修繕費、損害保険料を本事業から生ずる収益から負担いたします」との記載があるが、具体的な金額は開示されていない。予定利回り7.8%を実現するためには、年間配当額として優先出資5,000万円×7.8%=390万円が必要となる。賃料収入1,258万円から運営費用と事業者報酬を差し引いた残額でこれを賄えるかどうか、投資家は検証する術がない。

市場価格検証

提供された近隣取引事例データは農地・林地が大半を占め、本ファンドの対象物件(商業地域の店舗・居宅)と直接比較可能な事例が極めて限定的だ。

比較項目 ファンド物件 参考事例(初田町) 備考
所在地 上一之町(商業地域) 初田町(商業地域) 同一用途地域
取引価格 12,000万円 2,000万円 6倍の乖離
土地面積 90.90㎡ 165㎡ ファンド物件が狭小
延床面積 126.57㎡ 95㎡ ファンド物件が広い
㎡単価(土地) 約132万円/㎡ 約12万円/㎡ 約11倍の乖離

高山市内の商業地域における宅地(土地と建物)の取引事例として、初田町の物件が2,000万円で取引されている。本ファンドの取得価格1.2億円は、この事例の6倍に相当する。もちろん、上一之町は「さんまち通り」に近い観光の一等地であり、初田町とは立地価値が異なる可能性がある。しかし、その価格差を正当化する客観的なデータ(鑑定評価、収益還元法による評価等)が一切示されていない点が問題だ。

公開取引データによる厳密な検証は実施できなかったが、高山市の商業地域における一般的な地価水準(公示地価で10〜15万円/㎡程度)を考慮すると、土地だけで1,200〜1,400万円程度が相場観となる。残りの1億円超が建物価値ということになるが、築年不詳の木造建物にそれだけの価値があるかは疑問が残る。


土地評価と出口シナリオ

高山市上一之町は、飛騨高山の古い町並み「さんまち通り」に隣接する観光エリアだ。岐阜県の公示地価データによると、高山市中心部の商業地は概ね10〜20万円/㎡程度で推移している。

土地持分相当額の概算:

  • 土地面積: 90.90㎡
  • 想定単価: 15〜20万円/㎡(観光地プレミアムを考慮)
  • 土地評価額: 1,364〜1,818万円(推計)

建物は築年不詳の木造であり、経済的残存価値の算定は困難。民泊リノベーション後の収益物件としての価値は、稼働率と運営実績に大きく依存する。

シナリオ キャップレート 想定売却価格 投資家への影響
楽観 6.0% 約1.68億円 元本全額償還+キャピタル配当
基本 8.0% 約1.26億円 元本全額償還
悲観 10.0% 約1.01億円 劣後バッファで吸収可能か微妙

※想定売却価格は推計NOI(中央値943万円)をキャップレートで還元して算出。民泊リノベーション後の収益力向上を前提としない保守的な試算。


ストレステスト

変動要因 変動幅 物件価値への影響 劣後バッファとの関係
キャップレート+2% 8%→10% ▲約2,500万円(約21%下落) バッファ超過
空室率+20% 0%→20% NOI▲約250万円 配当原資に影響
賃料下落20% 1,258万円→1,006万円 NOI▲約250万円 配当原資に影響

劣後出資額1,000万円÷物件取得価格1.2億円=約8.3%。つまり、物件価格が約1,000万円(8.3%)下落するまでは優先出資者の元本は毀損しない。しかし、キャップレートが2%上昇するだけで物件価値は約21%下落し、劣後バッファを大きく超過する。民泊需要の減退やインバウンド環境の変化により収益力が低下した場合、出口での売却価格が取得価格を下回るリスクは十分にある。


契約上の注意点

  • 第1号事業のため倒産隔離なし: 事業者が破産した場合、本契約に係る財産は保全されない可能性がある旨が明記されている。
  • 鑑定評価・建物状況調査ともに未実施: 物件の客観的価値や劣化状況を第三者が検証していない。
  • マスターリース先の詳細不明: テナント名が「居宅」とのみ記載され、賃料支払いの信用力を判断できない。
  • 検査済証なし: 確認済証はあるが検査済証がなく、建築基準法上の適合性に不安が残る。
  • 景観法・建築協定の制限あり: 下一之町商店街振興地区建築協定の対象であり、リノベーションの自由度に制約がある可能性。

結論

飛騨高山という観光地の立地ポテンシャルは認めるが、鑑定評価なし・NOI非開示・事業者の財務脆弱性という三重のリスクを抱える案件。劣後比率16.7%を信じて余剰資金で参加するか、情報開示の改善を待つか、投資家の判断が分かれるところだ。

関連リンク
外部リンク

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⚠️ 免責事項:本記事はRE:Insight AIが公開情報・PDF書面を元に自動生成したファンド紹介・分析情報です。 投資助言には該当しません。投資判断は必ずご自身の責任のもとで行い、各事業者の公式情報を直接ご確認ください。