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利回り7.0%・劣後15%の数字だけ見れば及第点。だが中身を開けると、築35年の鉄骨造を9,200万円で買い付けながら鑑定評価なし、NOI実額も闇の中。マスターリースの相手は身内の子会社K-PLAN。8.5ヶ月後の売却出口が開くかどうかは、蓋を開けるまで誰にもわからない。
ポイント
鑑定評価なしで9,200万円の妥当性は検証不能
本ファンドの物件取得価格は9,200万円だが、不動産鑑定士による鑑定評価は「無し」と明記されている。書面には「近傍の類似物件の取引実例に基づいた評価額」とあるが、その取引事例の詳細は開示されていない。投資家が価格の妥当性を独自に検証する手段がなく、事業者の言い値を信じるしかない構造だ。築35年の鉄骨造共同住宅に対し、第三者の目が入っていない価格設定は透明性の観点で大きなマイナス。
マスターリース先は子会社K-PLAN——利益相反の構造
賃料収入の源泉となるマスターリース契約の相手方は「株式会社K-PLAN」。書面に明記されているとおり、これは事業者・新日本コンサルティングの子会社である。年間賃料8,942,400円は子会社から親会社への支払いであり、グループ内取引の典型例だ。K-PLANの信用力・財務状況は開示されておらず、万が一の賃料不払いリスクを投資家が評価する材料がない。関連当事者取引であることを認識した上で投資判断を下す必要がある。
NOI実額が取得できず、配当原資の裏付けは推計頼み
書面には管理費・火災保険料・固定資産税・都市計画税の実額が記載されていない。RE:Insight AIのシステム監査では noi_status=estimated(主要費用全欠損)と判定された。つまり、実額ベースのNOI・キャップレートは算出不能であり、配当原資の裏付けを客観的に検証できない。賃料の20〜30%を運営費用と仮置きした推計キャップレートは6.8〜7.8%程度と試算されるが、これはあくまで参考値であり、実際の費用構造が重い場合は下振れする。利回り7.0%が「NOIで賄える」かどうかは、投資家には見えない。
出口は8.5ヶ月後の売却——短期勝負の構造
運用期間は2026年9月16日〜2027年5月31日の約8.5ヶ月。インカムゲインだけでなくキャピタルゲインも配当原資に含む「ハイブリッド型」であり、出口での売却益が配当の一部を担う設計だ。しかし、売却先は未定であり、売却価格の目安も示されていない。築35年の鉄骨造物件を8ヶ月後に9,200万円以上で売却できる保証はなく、出口リスクは投資家が負う構造となっている。
事業者の実績は堅調——42件運用・元本割れゼロ
新日本コンサルティングは「まにわく」ブランドで42件のファンドを組成し、うち32件が償還済み。元本割れ・遅延の実績はなく、平均利回り7.67%・平均劣後比率17.8%と堅実な運用を続けている。直近期(FY2026)の財務データでは売上高34.1億円、営業利益1.4億円、自己資本比率41.8%と健全。事業者信頼性は本ファンドの数少ない安心材料だ。
物件概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 千葉県船橋市日の出二丁目7番265 |
| 物件種別 | 共同住宅(賃貸マンション) |
| 構造 | 鉄骨造陸屋根4階建 |
| 築年月 | 平成2年11月30日(築35年) |
| 延床面積 | 376.20㎡ |
| テナント | 株式会社K-PLAN(マスターリース) |
| 稼働率 | 不明(マスターリース契約により満室保証) |
収益構造とNOI分析
本ファンドの配当原資は「ハイブリッド型」——賃料収入(インカムゲイン)と売却益(キャピタルゲイン)の両方を含む。
NOI(実額)の算出状況
書面には運営費用(管理費・火災保険料・固定資産税等)の記載がなく、実額NOIは算出できない。
- NOI(実額): 書面に運営費用の記載がなく算出できません。
- (推計・参考値)想定NOI: 6,259,680〜7,153,920円/年
- (推計・参考値)想定キャップレート: 6.8〜7.8%(物件価格9,200万円ベース)
- 運営費用の一部が書面から取得できないため、賃料収入の20〜30%(実支出ベース。減価償却・借入金利は含まない)を運営費用の目安として控除し、利回りをレンジで推計した参考値です。実額が取得できた費用とは別枠の概算であり、根拠は賃貸管理事業者による一般的な費用目安および国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」等に基づきます。本ファンド固有の一次資料に基づく確定値ではありません。
- 配当原資: ハイブリッド型(インカム+キャピタル)
配当原資の検証
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 年間マスターリース賃料 | 8,942,400円 |
| 運営費用(推計20〜30%) | ▲1,788,480〜2,682,720円 |
| 想定NOI(推計) | 6,259,680〜7,153,920円 |
優先出資者への年間配当所要額は7,820万円×7.0%=約547万円。推計NOIの下限(約626万円)でも賄える計算だが、これは費用を一律20%と仮置きした楽観シナリオ。実際の費用が重ければ、インカムだけでは配当を賄えず、キャピタルゲイン(売却益)への依存度が高まる。
市場価格検証
近隣取引事例データ(国土交通省 不動産情報ライブラリ)を用いて、ファンドの物件取得価格の妥当性を検証する。
| 比較項目 | ファンド物件 | 近隣取引中央値 | 乖離率 |
|---|---|---|---|
| ㎡単価 | 244,551円(9,200万円÷376.20㎡) | 285,714円 | -14.4% |
| 取引価格 | 9,200万円 | 4,161万円(平均) | +121% |
分析
近隣取引データの中央値㎡単価(約28.6万円)と比較すると、本物件の㎡単価(約24.5万円)は14%ほど割安に見える。ただし、近隣取引事例の多くは「宅地(土地と建物)」や「中古マンション(区分所有)」であり、一棟賃貸マンションの取引事例は含まれていない。築35年の鉄骨造一棟物件を直接比較できるデータが不足しており、価格の妥当性を断定することは困難。
また、近隣の中古マンション(区分所有)は1,800〜2,000万円帯が中心であり、一棟9,200万円という価格帯は近隣相場の中では突出している。鑑定評価がない以上、この価格が「割安」なのか「適正」なのかを投資家が判断する材料は乏しい。
土地評価と出口シナリオ
土地評価(概算)
船橋市日の出二丁目は準工業地域に位置し、JR総武線・京成本線の船橋駅から徒歩圏外(バス便エリア)。周辺の公示地価・路線価は㎡あたり10〜15万円程度と推計される。土地面積165㎡×㎡単価12万円(中央値仮定)=約1,980万円が土地持分相当額の概算。建物の残存価値を加味しても、土地だけで9,200万円を回収するのは困難であり、出口は「収益物件としての売却」が前提となる。
出口シナリオ
| シナリオ | キャップレート | 想定売却価格 | 投資家への影響 |
|---|---|---|---|
| 楽観 | 7.0% | 約1.02億円(NOI上限÷7%) | 元本全額償還+キャピタル配当 |
| 基本 | 8.0% | 約8,940万円(NOI上限÷8%) | 元本全額償還(劣後で吸収) |
| 悲観 | 9.0% | 約7,950万円(NOI上限÷9%) | 劣後バッファ超過の可能性 |
※想定NOI上限(7,153,920円)を基準に試算。推計値であり確定値ではない。
ストレステスト
| 変動要因 | 変動幅 | 物件価値への影響 | 劣後バッファとの関係 |
|---|---|---|---|
| キャップレート+1% | 7%→8% | ▲約1,000万円(約11%下落) | バッファ内(劣後1,380万円) |
| キャップレート+2% | 7%→9% | ▲約2,000万円(約22%下落) | バッファ超過(劣後枯渇) |
| 空室率+10%(ML解除時) | 100%→90% | NOI▲約70万円 | 配当原資に影響 |
| 賃料下落10% | 894万円→805万円 | NOI▲約90万円 | 配当原資に影響 |
総評
劣後出資額1,380万円÷物件取得価格9,200万円=約15.0%。物件価格が15%下落するまでは優先出資者の元本は毀損しない計算だ。キャップレートが1%上昇(7%→8%)した場合の価格下落は約11%であり、劣後バッファ内に収まる。しかし、2%上昇(7%→9%)すると約22%の下落となり、劣後バッファを超過する。築35年の鉄骨造物件は買い手が限られるため、出口でのキャップレート上昇リスクは軽視できない。
契約上の注意点
- マスターリース先が子会社(K-PLAN): 利害関係人取引であり、賃料の支払い能力は親会社グループの信用力に依存。K-PLANの財務情報は非開示。
- 第1号事業(匿名組合型): 倒産隔離なし。事業者が破綻した場合、対象不動産は破産財団に組み込まれ、投資家は一般債権者として弁済を受ける立場。
- 中途解約手数料20%: やむを得ない事由がある場合のみ解約可能だが、出資価額の20%が手数料として差し引かれる。流動性は極めて低い。
- 契約期間延長条項: 売却が完了しない場合、事業者判断で最大6ヶ月延長可能。投資家の同意は不要。
- 鑑定評価なし: 物件価格の第三者検証がなく、出口での売却価格との乖離リスクを投資家が負う。
結論
事業者の実績と財務基盤は堅調だが、鑑定評価なし・NOI非開示・子会社マスターリースという「見えない部分」が多すぎる。利回り7.0%×劣後比率15.0%は悪くない組み合わせだが、配当原資の裏付けを検証できない以上、余剰資金の範囲内で投資を検討すべきファンドだ。
⚠️ 免責事項:本記事はRE:Insight AIが公開情報・PDF書面を元に自動生成したファンド紹介・分析情報です。 投資助言には該当しません。投資判断は必ずご自身の責任のもとで行い、各事業者の公式情報を直接ご確認ください。