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利回り7.0%の看板を掲げるのは、築49年・耐用年数を30年も超えた軽量鉄骨アパート。1,800万円の値札に鑑定士のお墨付きはなく、子会社マスターリースが「賃料」を演出する。NOI費用は闇の中、9ヶ月で売り抜ければ御の字——ただし買い手が現れればの話。
ポイント
築49年の軽量鉄骨造を1,800万円で買う根拠が見えない
本ファンドの対象物件「サンコーポ」は1977年1月築、軽量鉄骨造亜鉛メッキ鋼板葺の4階建て共同住宅。築49年という年数は、軽量鉄骨造の法定耐用年数(19年)を大幅に超過している。書面には「近傍の類似物件の取引実例に基づいた評価額」とあるが、不動産鑑定士による鑑定評価は実施されていない。1,800万円という取得価格が適正かどうか、第三者の目で検証されていない点は透明性の観点から減点材料となる。
子会社マスターリースで賃料を「作っている」構造
賃借人は株式会社K-PLAN、書面に「子会社」と明記されている。年間賃料193万3,200円(月額約16万1,100円)は、このマスターリース契約によって固定される。実際のエンドテナント4戸の稼働状況・賃料水準は「不明」とされており、マスターリース賃料が市場実態を反映しているかは検証できない。関連当事者取引であることを踏まえると、賃料設定の客観性には疑問符がつく。
NOI費用が全欠損、利回りの裏付けは推計頼み
書面には管理費・火災保険料・固定資産税・都市計画税の金額が一切記載されていない。賃料収入193万3,200円から費用を差し引いた実額NOIは算出不能。賃料の20〜30%を運営費用と仮置きした推計では、NOIは135万〜155万円程度、キャップレートは7.5〜8.6%程度と試算されるが、これはあくまで参考値であり、実際の費用が重ければ利回りは下振れする。予定利回り7.0%の配当原資がNOIで賄えるかどうかは、書面からは確認できない。
9ヶ月の短期運用、出口は売却益狙いか
運用期間は2026年10月〜2027年6月の約9ヶ月。ハイブリッド型(インカム+キャピタル)を謳っているが、9ヶ月のインカムだけで7.0%の利回りを達成するには、年間賃料193万円×9/12=約145万円が必要。優先出資1,620万円に対して約9.0%相当となり、インカムだけでは足りない。つまり、売却益(キャピタルゲイン)が配当原資の一部を構成する設計と推測される。築49年物件を9ヶ月後に取得価格以上で売却できるかは、市況次第のギャンブル要素を含む。
事業者トラックレコードは堅実、財務も健全
運営事業者の新日本コンサルティングは、過去43件のファンド運用実績があり、元本割れ・遅延の報告はない。直近期の自己資本比率41.8%、営業利益1.4億円と財務基盤は安定している。ただし、本ファンドは第1号事業(匿名組合型)であり、事業者が破綻した場合の倒産隔離は効かない。分別管理は行われるが、信託法上の分別管理とは異なり、破産財団に組み込まれるリスクがある点は書面にも明記されている。
物件概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 神奈川県小田原市鴨宮字一ノ坪475番地6 |
| 物件種別 | 共同住宅(アパート) |
| 構造 | 軽量鉄骨造亜鉛メッキ鋼板葺4階建 |
| 築年月 | 1977年1月(築49年) |
| 土地面積 | 137.82㎡ |
| 延床面積 | 121.92㎡ |
| テナント | 株式会社K-PLAN(マスターリース) |
| 稼働率 | 不明(ML契約により賃料は固定) |
収益構造とNOI分析
本ファンドの配当原資はハイブリッド型(インカムゲイン+キャピタルゲイン)とされている。
NOI(実額): 書面に運営費用(管理費・火災保険料・固定資産税等)の記載がなく、実額ベースのNOIは算出できない。
(推計・参考値)
- 想定NOI: 1,353,240〜1,546,560円/年
- 想定キャップレート: 7.5〜8.6%
※運営費用の一部が書面から取得できないため、賃料収入の20〜30%を運営費用の目安として控除した参考値。実額が取得できた費用とは別枠の概算であり、本ファンド固有の一次資料に基づく確定値ではない。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 年間賃料収入(ML賃料) | 1,933,200円 |
| 管理費 | 書面記載なし |
| 火災保険料 | 書面記載なし |
| 固都税 | 書面記載なし |
| NOI(実額) | 算出不能 |
予定利回り7.0%を優先出資1,620万円に適用すると、年間配当は約113万円。9ヶ月運用では約85万円の配当が必要となる。推計NOIの下限(135万円/年)でも9ヶ月分は約101万円となり、インカムだけで配当を賄える可能性はあるが、費用実態が不明なため断定はできない。キャピタルゲインへの依存度は、実際の費用水準次第で変動する。
市場価格検証
| 比較項目 | ファンド物件 | 近隣取引中央値 | 乖離率 |
|---|---|---|---|
| ㎡単価(土地) | 約130,600円 | 約152,400円 | ▲14% |
| 取引価格 | 18,000,000円 | 約28,600,000円 | ▲37% |
ファンドの取得価格1,800万円を土地面積137.82㎡で割ると、㎡単価は約13万円。近隣の土地取引中央値(約15.2万円/㎡)と比較すると14%ほど割安に見える。ただし、これは「土地+建物」の価格であり、築49年の建物価値をほぼゼロと見なした場合の土地評価に近い。
近隣の「土地+建物」取引事例を見ると、築40年超の軽量鉄骨造共同住宅(国府津・土地510㎡・延床185㎡)が2,900万円で取引されている。本物件は土地・建物ともに規模が小さく、1,800万円という価格は「古い小規模アパートの相場観」としては大きく外れていないが、鑑定評価がない以上、適正価格の保証はない。
土地評価と出口シナリオ
小田原市鴨宮エリアの公示地価は、住宅地で㎡あたり8〜12万円程度が目安。本物件の土地面積137.82㎡に適用すると、土地持分相当額は概算で1,100万〜1,650万円程度と推計される。取得価格1,800万円との差額(150万〜700万円)が建物価値に相当するが、築49年の軽量鉄骨造に残存価値を認めるかは買い手次第となる。
| シナリオ | キャップレート | 想定売却価格 | 投資家への影響 |
|---|---|---|---|
| 楽観 | 7.0% | 約2,200万円 | 元本全額償還+キャピタル配当 |
| 基本 | 8.5% | 約1,800万円 | 元本全額償還 |
| 悲観 | 10.0% | 約1,500万円 | 劣後出資で吸収可能か要検討 |
※推計NOI中央値(約145万円)を基に試算。実際の費用が重ければ売却価格は下振れする。
ストレステスト
| 変動要因 | 変動幅 | 物件価値への影響 | 劣後バッファとの関係 |
|---|---|---|---|
| キャップレート+1% | 8.5%→9.5% | ▲約190万円(▲10.5%) | バッファ内 |
| 空室率+10% | ML契約のため影響限定 | NOI▲約19万円 | 影響軽微 |
| 賃料下落10% | 193万→174万円 | NOI▲約19万円 | 影響軽微 |
劣後出資額180万円÷物件取得価格1,800万円=10.0%。物件価格が10.0%(180万円)下落するまでは、優先出資者の元本は毀損しない計算となる。築49年物件の売却リスクを考慮すると、このバッファは決して厚くはないが、9ヶ月の短期運用であれば市況急変リスクは限定的とも言える。ただし、買い手がつかず運用期間が延長(最大6ヶ月)される可能性は書面に明記されている。
契約上の注意点
- 倒産隔離なし: 第1号事業(匿名組合型)のため、事業者破綻時は破産財団に組み込まれる。
- 関連当事者取引: マスターリース先(K-PLAN)は事業者の子会社。賃料設定の客観性に疑問。
- 鑑定評価なし: 取得価格1,800万円の妥当性を第三者が検証していない。
- 中途解約ペナルティ: やむを得ない事由による解約でも出資価額の20%が手数料として徴収される。
- 運用期間延長リスク: 売却完了しない場合、最大6ヶ月の延長が可能。
結論
築49年の軽量鉄骨造アパートを子会社マスターリースで回す構造は、賃料の安定性と引き換えに透明性を犠牲にしている。鑑定評価なし・NOI費用非開示という情報開示の薄さは、利回り7.0%・劣後比率10.0%という数字の魅力を相殺する。9ヶ月で逃げ切れれば御の字だが、出口で躓けば劣後バッファは一瞬で溶ける。余剰資金の範囲内で、事業者の過去実績を信じて張るファンドと割り切るべき。
⚠️ 免責事項:本記事はRE:Insight AIが公開情報・PDF書面を元に自動生成したファンド紹介・分析情報です。 投資助言には該当しません。投資判断は必ずご自身の責任のもとで行い、各事業者の公式情報を直接ご確認ください。