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みらファン第46号(栃木県那須塩原市)

みらファン ・ 分析日: 2026年07月30日 ・ RE:Insight AI
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利回り6.2%の正体はキャンペーン込み。実質5.2%で借地権×地方コンテナホテル×鑑定なし、しかも第26号からの再組成——つまり前ファンドの出口を埋める「つなぎ資金」。劣後20%が構造的な緩衝材として機能するが、4ヶ月後には同じ椅子取りゲームが待っている。

インカム型マスターリース有利回り:平均的運用4ヶ月
予定利回り
6.2%
運用期間
4ヶ月
募集総額
2.7億円
劣後比率
20.0%
所在地
マップ:栃木県那須塩原市西三島4丁目183-580
種別
不動産
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3.5
収益性
2.8
透明性
3.8
元本安全性
3.5
事業者信頼性

ポイント

第26号からの再組成ファンド——「スイッチング」の実態を理解せよ

本ファンドは2026年7月15日に運用終了した「みらファン第26号」と同一物件を対象とする再組成ファンドである。プロジェクト概要には「元本償還の仕組み」として①第三者売却、②自社買取り、③再組成の3パターンが明記されており、今回は③が選択された形だ。

再組成とは、前ファンドの出資者に元本を返還するために新ファンドの出資金を充当する構造である。これ自体は不動産クラファンでは珍しくないが、投資家は「自分の出資金が次のファンドの償還原資になる可能性」を認識しておく必要がある。4ヶ月という短期運用は、次の再組成または売却までの「つなぎ」と見るのが自然だ。

利回り6.2%の内訳——キャンペーン上乗せ1%を差し引くと5.2%

プロジェクト概要に「夏のボーナスキャンペーンとして通常想定利回り5.2%に1%上乗せ」と明記されている。つまり本来の収益構造は5.2%であり、6.2%は期間限定のプロモーション価格だ。

配当原資は「全額をインカムゲインから賄う構造」と記載されており、マスターリース賃料(年額32,930,448円)が根拠となる。出資総額3.363億円に対し、4ヶ月分の賃料収入は約1,098万円。ここから事業者報酬(月額5.5万円×4ヶ月=22万円)等を控除しても、優先出資者への配当(2.69億円×6.2%×134日/365日≒612万円)は十分に賄える計算だ。インカム型としての設計は堅実と言える。

鑑定評価なし——3.363億円の妥当性は自己申告

契約書面には「不動産鑑定評価の有無:なし」と明記されている。物件価格3.363億円は「取引利回り事例等を参考に収益還元法を中心に算定」とあるが、第三者による検証がない以上、事業者の言い値を信じるしかない。

マスターリース賃料年額3,293万円を物件価格3.363億円で割ると、表面利回りは約9.8%となる。地方のコンテナホテル×借地権という条件を考慮すれば、この水準は市場感覚から大きく乖離していないが、鑑定がない以上「割高でない」とは断言できない。

NOI費用明細の一部欠損——実額キャップレートは算出不能

書面には賃料収入(年額32,930,448円)と一部費用(消耗品費・修繕費用:月額152,083円、地代:月額330,000円)が開示されているが、損害保険料・固都税の具体額は「その他、損害保険料、公租公課等」と記載されるのみで金額が不明だ。

このため、実額ベースのNOI・キャップレートは算出できない。透明性の観点からは減点要因であり、投資家は「開示された費用以外にどれだけコストがかかるか」を自ら推計する必要がある。

借地権リスク——事業用定期借地権の残存期間に注意

土地は所有権ではなく「事業用定期借地権(賃借権)」である。マスターリース契約の満了日は2044年7月28日と記載されており、借地権の残存期間は約18年と推測される。

事業用定期借地権は契約期間満了時に更地返還が原則であり、建物の残存価値はゼロになる。4ヶ月の短期運用では直接的な影響はないが、出口で第三者売却を狙う場合、借地権の残存期間が短くなるほど売却価格は下落する。再組成を繰り返すほど、この「時限爆弾」は近づいてくる。

物件概要

項目 内容
所在地 栃木県那須塩原市西三島4丁目183-580
物件種別 ホテル(コンテナ型)
構造 鉄骨造合金メッキ鋼板ぶき平家建
築年月 2024年5月(築1年)
延床面積 733.05㎡
テナント 株式会社デベロップ(マスターリース)
稼働率 100%(マスターリース契約のため)

収益構造とNOI分析

本ファンドはマスターリース型のインカムゲイン重視スキームである。書面に記載された費用を整理する。

項目 金額
年間賃料収入 32,930,448円
消耗品費・修繕費用 ▲1,824,996円(月額152,083円×12)
地代 ▲3,960,000円(月額330,000円×12)
損害保険料 書面記載なし(0計上)
固都税 書面記載なし(0計上)
NOI(実額・下振れ注意) 27,145,452円
  • キャップレート(実額): 8.1%(27,145,452円÷336,300,000円)
  • ※損害保険料・固都税が書面に金額記載なく0計上のため、実際のNOIはこれより低い可能性がある。利回りは上振れ方向に注意。
  • (参考)費用欠損を賃料の20〜30%で仮置きした場合の推計キャップレート: 6.9%〜7.8%程度。ただしこれは概算であり、実際の費用構造によって変動する。
  • 配当原資: インカムゲイン型

予定利回り6.2%(実質5.2%)に対し、上記の暫定NOI利回り8.1%は十分なバッファがあるように見える。しかし、損害保険料・固都税を加味すると実際のキャップレートは7%前後まで低下する可能性があり、「余裕たっぷり」とは言い切れない。

市場価格検証

近隣取引事例データを用いて、ファンドの物件取得価格の妥当性を検証する。

比較項目 ファンド物件 近隣取引中央値 乖離率
㎡単価(建物) 458,800円/㎡ 該当データなし
土地㎡単価 借地権のため比較困難 14,000円/㎡

近隣取引データは住宅地の土地・建物が中心であり、コンテナホテルという特殊用途の比較対象は存在しない。那須塩原市の宅地㎡単価中央値は14,000円程度だが、本物件は借地権であり土地価格は含まれていない。

建物価格3.363億円÷延床面積733.05㎡=約45.9万円/㎡は、築1年の鉄骨造ホテルとしては高めに見えるが、コンテナモジュールという特殊構造・45室の客室設備を考慮すると一概に割高とは言えない。ただし、鑑定評価がない以上、この価格の妥当性を客観的に検証する手段はない。


土地評価と出口シナリオ

本物件は借地権(事業用定期借地権)であり、土地の所有権は含まれない。地代は月額33万円(年額396万円)であり、これは土地の使用対価として継続的に発生するコストである。

那須塩原市西三島エリアの公示地価・路線価は公開情報からは確認できなかったが、近隣取引データの宅地㎡単価(中央値14,000円)を参考にすると、敷地面積2,677.67㎡の土地価値は概算で3,700万円〜5,000万円程度と推計される。ただし、これは所有権の場合であり、借地権の場合は借地権割合(一般的に60〜70%)を乗じた金額が目安となる。

出口シナリオをテーブルで示す:

シナリオ キャップレート 想定売却価格 投資家への影響
楽観 8.0% 3.39億円 元本全額償還+若干のキャピタル
基本 9.0% 3.02億円 元本全額償還(劣後で吸収)
悲観 10.0% 2.71億円 劣後出資で吸収可能(▲19%)

基本シナリオでは、キャップレート9.0%で売却した場合、売却価格は約3.02億円となり、取得価格3.363億円から約3,400万円の下落となる。劣後出資額6,730万円の範囲内であり、優先出資者の元本は毀損しない。


ストレステスト

変動要因 変動幅 物件価値への影響 劣後バッファとの関係
キャップレート+1% 8.1%→9.1% ▲3,700万円(▲11%下落) バッファ内(劣後6,730万円)
キャップレート+2% 8.1%→10.1% ▲6,700万円(▲20%下落) バッファ内ギリギリ
マスターリース解約 賃料ゼロ 収益還元法で評価不能 元本毀損リスク大

劣後出資額6,730万円÷物件取得価格3.363億円=20.0%。つまり、物件価格が20%下落するまでは優先出資者の元本は毀損しない計算だ。キャップレートが10%を超える水準まで悪化しない限り、劣後バッファは機能する。

ただし、最大のリスクはマスターリース先である株式会社デベロップの信用リスクだ。同社が経営破綻または契約解除した場合、賃料収入はゼロとなり、収益還元法による物件評価は大幅に下落する。デベロップ社は資本金18億円超の企業であり、コンテナホテル事業を全国展開しているが、上場企業ではなく財務情報の詳細は不明である。


契約上の注意点

  • 借地権(事業用定期借地権): 土地は所有権ではなく借地権。契約期間満了時は更地返還が原則であり、建物の残存価値はゼロになる。
  • 関連当事者取引: 物件の売買は「株式会社みらいアセット」(本事業者)との取引であり、利益相反の可能性がある。
  • 第1号事業(倒産隔離なし): 本ファンドは第1号事業であり、SPCを用いた倒産隔離構造ではない。事業者が破綻した場合、出資金が全額返還されないリスクがある。
  • 再組成リスク: 元本償還の方法として「再組成」が明記されており、次のファンドの出資金で償還される可能性がある。再組成が続く限り、最終的な出口リスクは先送りされる。
  • 中途解約手数料: やむを得ない事由による解約時、出資価格の50%(最低5,000円、最高50,000円)の手数料が発生する。

結論

劣後比率20.0%と短期4ヶ月運用は魅力的だが、鑑定評価なし・借地権・再組成ファンドという三重の不透明要素を抱える。マスターリース先デベロップ社の信用力に全てを委ねる構造であり、余剰資金での参加が妥当。

関連リンク
外部リンク

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