ホーム 利回り不動産 利回り不動産90号ファンド(世田谷上馬区分バルクPJ第4回)

利回り不動産90号ファンド(世田谷上馬区分バルクPJ第4回)

利回り不動産 ・ 分析日: 2026年08月31日 ・ RE:Insight AI
公式サイトで最新の募集状況を確認 ↗ この評価の算出方法(評価手法)›

総評公式サイトを見る →

利回り6.5%・劣後10%という数字は悪くないが、築42年RC×鑑定なし×NOI不明という三重の霧が視界を遮る。約1.5億円の札束を渡す相手の顔が見えないまま、出口はスイッチング3回目の延命頼み。世田谷の土地値を信じるか、情報開示の薄さに足をすくわれるか——賭けの分岐点。

インカム型マスターリース有利回り:平均的運用12ヶ月
予定利回り
6.5%
運用期間
12ヶ月
募集総額
1.5億円
劣後比率
10.0%
所在地
東京都世田谷区上馬4丁目36番15号
種別
区分所有建物
▶ 公式サイトで詳細を見る
3.5
収益性
2.8
透明性
3.3
元本安全性
3.2
事業者信頼性

ポイント

築42年RCの12戸バルクを約1.5億円で買う根拠が見えない

本ファンドの対象物件「マツグママンション」は1983年5月竣工、築42年の鉄筋コンクリート造4階建て。全20戸のうち12戸を取得し、専有面積合計410.72㎡に対して取得価格は148,954,546円(㎡単価約36.3万円)。問題は**不動産鑑定士による鑑定評価が「なし」**であること。書面には「近隣エリアの同種の不動産の取引事例の内容を基にした不動産価格」とあるが、その取引事例の詳細は開示されていない。築40年超のRC区分マンションは大規模修繕・建替え問題が視野に入る時期であり、第三者による客観的な価値評価なしに約1.5億円を投じるのは、投資家にとって「目隠しで札束を渡す」に等しい。

NOI実額が算出できず、利回り6.5%の裏付けは推計頼み

書面には年間賃料13,164,000円(月額1,097,000円)が明記されているが、運営費用の内訳は「想定される支出」として管理・建物維持費1,806,400円、火災保険料413,245円、公租公課616,800円、ファンド管理費394,920円が列挙されている。しかしこれらは「想定」であり、実際の支出実績ではない。システムによる費用監査では維持費・保険料・固都税の実額が書面から取得できず、NOI実額は算出不能と判定された。

参考として賃料の20〜30%を運営費用と仮置きした場合の推計NOIは9,214,800〜10,531,200円/年、推計キャップレートは6.2〜7.1%となる。予定利回り6.5%はこのレンジ内に収まるが、これはあくまで一般的な費用目安に基づく概算であり、本ファンド固有の確定値ではない。実際の費用が重い場合、配当原資が不足するリスクは排除できない。

グループ内マスターリースの「満室保証」は諸刃の剣

賃借人は事業者の100%子会社・株式会社スリーワイズエステート。サイトでは「満室保証・空室リスク回避を実現」と謳うが、これは親子間取引による賃料保証であり、外部テナントからの実需に基づく収益ではない。マスターリース賃料が市場賃料より高く設定されていれば、出口売却時に買い手が現れない可能性がある。逆に市場賃料より低ければ、投資家への配当原資が圧縮される。いずれにせよ、マスターリース賃料の妥当性を検証する材料(周辺相場との比較データ)は開示されていない。

出口戦略は「スイッチング継続」一択、売却シナリオは霧の中

書面には「本ファンド満期運用終了時には、スイッチングによる再ファンド化、または、本事業者の自己資産組み入れによる運用継続を想定」と明記されている。つまり、外部への売却による出口は「市況状況等によっては」という但し書き付きの例外扱い。これは投資家にとって「いつ現金化できるか分からない」リスクを意味する。本ファンドは第77号ファンドからの継承であり、既に3回目のスイッチング。築42年の物件を延々とファンド間で回し続ける構造は、出口の先送りに他ならない。

事業者の財務基盤は成長途上、自己資本比率9.9%は業界標準以下

運営事業者・株式会社ワイズホールディングスの直近期(FY2025)は売上高78.8億円、営業利益8.5億円と黒字を確保。営業利益率10.8%は健全な水準だ。しかし自己資本比率は9.9%と、不動産クラファン業界の標準的な水準(20〜30%)を大きく下回る。総資産87億円のうち匿名組合出資金が69.6億円(構成比80%)を占め、投資家からの預かり金に依存した資本構造となっている。元本割れ実績はなく運用実績77件と豊富だが、万一の事業者破綻時には匿名組合勘定の分別管理が信託法上の保全とは異なる点に留意が必要だ。

物件概要

項目 内容
所在地 東京都世田谷区上馬4丁目36番15号
物件種別 区分所有建物(12戸バルク)
構造 鉄筋コンクリート造陸屋根4階建
築年月 1983年5月(築42年)
延床面積 410.72㎡(専有部分合計)
テナント 株式会社スリーワイズエステート(マスターリース)
稼働率 100%(2023年10月〜2026年8月)

収益構造とNOI分析

本ファンドの配当原資はインカムゲイン型(賃料収入ベース)で、予定利回り6.5%を目指す構造。

書面に記載された収支項目は以下のとおりだが、維持費・保険料・固都税は「想定される支出」であり実績値ではない。システムによる費用監査では主要費用が書面から取得できず、実額ベースのNOIは算出できなかった。

  • NOI(実額): 書面に運営費用の実績記載がなく算出できません。
  • (推計・参考値)想定NOI: 9,214,800〜10,531,200円/年
  • (推計・参考値)想定キャップレート: 6.2〜7.1%
  • 運営費用の一部が書面から取得できないため、賃料収入の20〜30%を運営費用の目安として控除し、利回りをレンジで推計した参考値です。実額が取得できた費用とは別枠の概算であり、根拠は賃貸管理事業者による一般的な費用目安および国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」等に基づきます。本ファンド固有の一次資料に基づく確定値ではありません。
  • 配当原資: インカムゲイン型(賃料収入ベース)

書面記載の「想定される支出」を参考として整理すると:

項目 金額(想定)
年間賃料収入 13,164,000円
管理・建物維持費 ▲1,806,400円
火災保険料 ▲413,245円
公租公課 ▲616,800円
ファンド管理費 ▲394,920円
想定NOI 9,932,635円

この想定NOIベースでのキャップレートは約6.7%となり、予定利回り6.5%と概ね整合する。ただし、これは事業者が設定した「想定」であり、実際の費用が上振れすれば配当原資は圧縮される。

市場価格検証

国土交通省の不動産情報ライブラリからの近隣取引事例データは取得できなかった。公開取引データによる検証は実施できなかったため、一般的な市場データに基づく推計分析を行う。

世田谷区上馬エリアは東急田園都市線「駒沢大学」駅徒歩11分、「三軒茶屋」駅徒歩15分という立地。世田谷区の中古マンション相場は築年数・駅距離により大きく変動するが、築40年超のRC区分マンションは一般的に㎡単価30〜50万円程度で取引されることが多い。

本ファンドの取得価格148,954,546円÷専有面積410.72㎡=㎡単価約36.3万円は、築42年という経年を考慮すれば相場の範囲内と推計される。ただし、12戸バルクという特殊な取引形態であり、個別売却時の流動性リスクは考慮が必要だ。


土地評価と出口シナリオ

本ファンドの土地持分は敷地面積539.32㎡のうち41,072/91,966(約44.7%)、面積換算で約241㎡相当。

世田谷区上馬エリアの公示地価は概ね㎡50〜60万円程度(推計)。土地持分相当額は241㎡×55万円=約1.3億円と概算される。これに対し建物取得価格は約1.5億円であり、土地価値だけで取得価格の約87%をカバーする計算となる。築42年の建物価値はほぼゼロに近いと仮定すれば、土地値に近い価格での取得と言える。

シナリオ キャップレート 想定売却価格 投資家への影響
楽観 5.5% 約1.8億円 元本全額償還+キャピタル配当
基本 6.5% 約1.5億円 元本全額償還
悲観 8.0% 約1.2億円 劣後バッファ超過、元本毀損リスク

※想定売却価格は推計NOI中央値(約990万円)をキャップレートで割り戻した概算値


ストレステスト

変動要因 変動幅 物件価値への影響 劣後バッファとの関係
キャップレート+1% 6.5%→7.5% ▲約1,700万円(約11%下落) バッファ内(劣後1,490万円で吸収可能ギリギリ)
キャップレート+2% 6.5%→8.5% ▲約3,200万円(約21%下落) バッファ超過
空室率+10% 100%→90% NOI▲約130万円 配当原資圧縮
賃料下落10% 1,097千円→987千円 NOI▲約130万円 配当原資圧縮

劣後出資額14,900,000円÷物件取得価格148,954,546円=約10.0%。物件価格が約10%(約1,490万円)下落するまでは優先出資者の元本は保全される。キャップレートが1%上昇すると物件価値は約11%下落し、劣後バッファをわずかに超過する計算となる。築42年のRC区分マンションは市場流動性が低く、売却時のキャップレート上昇リスクは無視できない。


契約上の注意点

  • 倒産隔離なし: 第1号事業(匿名組合型)のため、事業者破綻時に匿名組合勘定の分別管理は信託法上の保全とは異なる。出資金全額が返還されないリスクあり。
  • 関連当事者取引: マスターリース先が100%子会社であり、賃料設定の妥当性を外部検証する手段がない。
  • スイッチング条項: 運用終了時に「スイッチングによる再ファンド化」が想定されており、投資家の意思に関わらず次ファンドへの継続出資を促される構造。
  • 契約期間延長条項: 売却が完了しない場合、事業者判断で最大60ヶ月まで契約期間を延長可能。
  • 途中解約制限: 「やむを得ない事由」がある場合のみ解約可能だが、その時点の物件価格により元本毀損リスクあり。

結論

世田谷の立地価値と事業者の実績を信じるなら検討余地はあるが、鑑定評価なし・NOI実額不明・出口はスイッチング頼みという三重の不透明構造が判定を押し下げた。余剰資金の範囲内で、流動性リスクを許容できる投資家向け。

関連リンク
外部リンク

利回り不動産 公式サイト

最新の募集状況・契約成立前書面・重要事項説明書は必ず公式サイトでご確認ください。

公式サイトを見る →

⚠️ 免責事項:本記事はRE:Insight AIが公開情報・PDF書面を元に自動生成したファンド紹介・分析情報です。 投資助言には該当しません。投資判断は必ずご自身の責任のもとで行い、各事業者の公式情報を直接ご確認ください。