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利回り12%の甘い蜜は、LTV74%という綱渡りの上に置かれている。劣後比率わずか5%、物件価格が5%下振れすればバッファは消滅。鑑定は「予定」止まり、NOI裏付けなし、出口は売却益一本勝負。西麻布の地価上昇トレンドは追い風だが、1年で+17%を織り込む概算鑑定が本鑑定で下振れすれば、投資家の元本が最前線に立つ。
ポイント
劣後比率5%でLTV74%は「綱渡り」の資本構成
本ファンドの出資総額は2.6億円(優先2.47億円+劣後0.13億円)だが、物件取得価格は約20.5億円。差額の約18億円は貸金業者からの借入で賄う。LTV(Loan to Value)は約74%に達し、不動産クラファンとしては極めて高水準だ。劣後出資0.13億円は物件価格の約0.6%に過ぎず、物件価格が5%下落すれば劣後バッファは蒸発する。借入金の返済が優先出資者より上位に位置するため、売却価格が想定を下回れば投資家の元本が直撃を受ける構造である。
鑑定評価は「予定」、概算24億円の根拠は不透明
書面には「2026年8月1日価格時点で鑑定評価を取得予定」「概算評価にて24億円の提示を得ている」と記載されている。しかし正式な鑑定評価書は契約成立時書面で開示予定であり、現時点では投資家が検証できる客観的な価格根拠がない。取得価格20.5億円に対し概算鑑定24億円は約17%のアップサイドを示唆するが、「概算」の精度は不明であり、本鑑定で下振れする可能性も書面に明記されている。
更地取得ゆえNOI裏付けは存在しない
本ファンドの対象不動産は4筆の土地(うち2筆は借地権・底地権)であり、いずれも更地または更地引渡し予定。賃料収入は発生せず、NOI(純営業収益)は算出不能。配当原資は100%キャピタルゲイン依存であり、1年後の売却益が出なければ利回り12%の配当は絵に描いた餅となる。事業者は「第三者への売却、自己取得、JVによる取得」を出口として挙げるが、現時点で売却契約は未締結。出口の確度は投資家が検証できない。
西麻布の地価上昇は事実だが、1年で+17%は楽観的
事業者は「2023年231万円/㎡→2026年323万円/㎡、4年で+39.8%」と地価上昇をアピールする。公示地価の上昇トレンドは事実であり、麻布台ヒルズ開発の波及効果も確認できる。しかし本ファンドの運用期間は1年。取得価格20.5億円に対し概算鑑定24億円は+17%の評価益を織り込んでおり、1年間で同等の上昇が実現するかは不透明。地価上昇が鈍化すれば、出口価格は概算鑑定を下回るリスクがある。
権利関係の一体化は「計画」段階、実現リスクあり
本ファンドの戦略は「借地権+底地権を統合し完全所有権化→隣接地と一体化→開発用地として売却」という多段階のバリューアップ。書面上、借地権・底地権の売買契約は締結済みだが、引渡しは2027年9月30日予定。運用期間中に権利統合が完了しなければ、一体売却の前提が崩れる。また、借地権付き建物の賃借人退去・解体は売主負担とされているが、立退き交渉の遅延リスクは残る。
物件概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都港区西麻布四丁目(地番:175番7、176番31、176番54) |
| 物件種別 | 開発用地(更地) |
| 構造 | 土地のみ(建物なし) |
| 築年月 | 該当なし |
| 延床面積 | 土地面積合計 約563㎡(135.08㎡×2+150.66㎡+142.61㎡) |
| テナント | なし(更地引渡し予定) |
| 稼働率 | 該当なし |
収益構造とNOI分析
本ファンドは更地取得のため、賃料収入は発生しない。NOI(実額)は算出不能であり、配当原資は100%キャピタルゲイン依存となる。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 年間賃料収入 | 0円(更地のため) |
| 管理費 | 0円 |
| 火災保険料 | 0円 |
| 固都税 | 書面記載なし |
| NOI(実額) | 算出不能 |
- キャップレート(実額): 算出不能(更地のため)
- 配当原資: キャピタルゲイン型(売却益100%依存)
配当原資の構造:
| 配当原資 | 金額(想定) | 根拠 |
|---|---|---|
| インカムゲイン | 0円 | 更地のため賃料収入なし |
| キャピタルゲイン | 約3.5億円(概算) | 概算鑑定24億円-取得価格20.5億円 |
利回り12%を実現するには、優先出資2.47億円に対し約2,964万円の配当が必要。借入金利5.5%(年間約9,900万円)を加味すると、売却価格は最低でも約21.5億円以上が必要となる。概算鑑定24億円が実現すれば配当余力は十分だが、売却価格が20.5億円を下回れば元本毀損が発生する。
市場価格検証
本ファンドの対象は開発用地(更地)であり、近隣取引事例データは主にマンション区分所有が中心。直接比較は困難だが、土地取引事例から概算検証を試みる。
| 比較項目 | ファンド物件 | 近隣参考値 | 乖離率 |
|---|---|---|---|
| 土地㎡単価 | 約364万円/㎡ | 300〜400万円/㎡(推計) | 概ね妥当 |
| 取得価格 | 20.5億円 | — | — |
検証結果:
- ファンドの土地取得価格20.5億円÷土地面積563㎡=約364万円/㎡
- 事業者が引用する公示地価(港5-22)は2026年時点で323万円/㎡
- 取得価格は公示地価を約13%上回るが、西麻布四丁目の希少性・一体開発ポテンシャルを考慮すれば著しく割高とは言えない
- ただし、概算鑑定24億円(約426万円/㎡)は公示地価の約32%増であり、1年後の売却でこの水準が実現するかは不透明
土地評価と出口シナリオ
土地評価(公開情報ベース):
- 公示地価(港5-22、2026年): 323万円/㎡
- ファンド土地面積: 約563㎡
- 公示地価ベースの土地評価額: 約18.2億円
- 取得価格20.5億円は公示地価ベースより約13%高い水準
出口シナリオ:
| シナリオ | 売却価格 | 借入返済後残額 | 投資家への影響 |
|---|---|---|---|
| 楽観(概算鑑定) | 24億円 | 約6億円 | 元本全額償還+利回り12%配当 |
| 基本(取得価格+5%) | 21.5億円 | 約3.5億円 | 元本全額償還+配当減額 |
| 悲観(取得価格維持) | 20.5億円 | 約2.5億円 | 元本全額償還だが配当ゼロ |
| 最悪(▲5%下落) | 19.5億円 | 約1.5億円 | 劣後バッファ消滅・元本毀損 |
※借入金18億円+利息約1億円=約19億円を優先弁済と仮定
ストレステスト
| 変動要因 | 変動幅 | 物件価値への影響 | 劣後バッファとの関係 |
|---|---|---|---|
| 売却価格▲5% | 20.5億円→19.5億円 | ▲1億円 | バッファ超過(元本毀損) |
| 売却価格▲10% | 20.5億円→18.5億円 | ▲2億円 | 優先出資▲約0.5億円毀損 |
| 借入金利+1% | 5.5%→6.5% | 利息負担+約1,800万円 | 配当原資圧縮 |
| 権利統合遅延 | 引渡し延期 | 一体売却不可 | 出口価格下落リスク |
総評:
劣後出資0.13億円は物件取得価格20.5億円の約0.6%に過ぎない。物件価格が約1億円(約5%)下落すれば劣後バッファは枯渇し、優先出資者の元本が毀損する。LTV74%の高レバレッジ構造は、上振れ時のリターンを増幅する一方、下振れ時の損失も増幅する「両刃の剣」である。西麻布の地価上昇トレンドが継続すれば問題ないが、不動産市況の変調があれば投資家の元本が直撃を受ける構造だ。
契約上の注意点
-
第1号事業(倒産隔離なし): 本ファンドは匿名組合型の第1号事業であり、事業者が破産した場合、出資金は保全されない。信託法第34条に基づく分別管理とは異なる旨が明記されている。
-
借入金の優先弁済: 貸金業者からの借入金(最大19.25億円)は、優先出資者への返還より上位に位置する。売却代金はまず借入金返済に充当され、残額が出資者に分配される。
-
鑑定評価は契約成立後に開示: 正式な鑑定評価書は契約成立時書面で開示予定。投資判断時点では概算評価(24億円)のみが根拠となる。
-
契約期間延長の可能性: 売却が完了しない場合、事業者判断で1年を超えない範囲で契約期間を延長可能。資金拘束が長期化するリスクがある。
-
中途解約手数料: 投資家都合の解約は出資額の3%(最低1万円)+消費税が発生。流動性は低い。
結論
西麻布の開発用地という希少性と利回り12%は魅力的だが、劣後比率5.0%×LTV74%という資本構成は投資家にとって不利な構造。配当原資は売却益一本勝負であり、出口価格が想定を下回れば元本毀損リスクが顕在化する。鑑定評価が「予定」止まりの段階で投資判断を迫られる点も透明性に欠ける。余剰資金での参加も慎重に検討すべき案件。
⚠️ 免責事項:本記事はRE:Insight AIが公開情報・PDF書面を元に自動生成したファンド紹介・分析情報です。 投資助言には該当しません。投資判断は必ずご自身の責任のもとで行い、各事業者の公式情報を直接ご確認ください。