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利回り7.5%の8割はキャピタル頼み、だが売却先は白紙。鑑定評価なし・NOI不明・劣後10%という薄い防壁で、箱根の更地に1.88億円を賭ける構図。出口で躓けば、劣後バッファは霧のように消える。
ポイント
配当の8割がキャピタル頼み、売却先は白紙
本ファンドの予定分配率7.5%の内訳は、インカムゲイン1.5%・キャピタルゲイン6.0%と明記されている。つまり配当の80%は「売れてナンボ」の構造だ。契約書面には売却先の確保状況や売却価格の目安に関する記載が一切なく、「不動産市況その他の状況を踏まえ」売却するとあるのみ。1年後の箱根の土地市況を誰が予測できるのか。キャピタル依存型でありながら出口戦略が不透明という、投資家泣かせの設計である。
鑑定評価なしで1.88億円の妥当性は検証不能
物件価格1億8,800万円の算定方法は「取引事例比較法及び収益還元法により算出」とあるが、不動産鑑定士による鑑定評価は「無」と明記されている。事業者の自己査定のみで価格が決まっており、第三者による客観的な価値検証が存在しない。近隣取引データでは箱根町の土地㎡単価中央値が約7.5万円、本物件697.76㎡に当てはめると土地だけで約5,200万円。建物がない更地にもかかわらず1.88億円という価格設定は、何らかの収益還元ロジックが働いているはずだが、その根拠となるNOIが開示されていない以上、検証のしようがない。
NOI実額が算出できず収益構造がブラックボックス
書面に記載された費用は固定資産税・都市計画税14,698円のみ。管理費・火災保険料・その他運営費用の金額は「その他運営費⽤」と記載されるだけで具体額がない。年間マスターリース賃料230万円から固都税1.5万円を引いた228.5万円が「見かけ上のNOI」となるが、実際の維持管理コストが不明なため、これを実額NOIとして採用することはできない。賃料の20〜30%を運営費用と仮置きした場合の推計NOIは161〜184万円、推計キャップレートは0.86〜0.98%となるが、これはあくまで参考値であり、配当原資の裏付けとはならない。
マスターリース先は100%子会社、利益相反の構造
マスターリース契約の相手方は株式会社イーズレーベル、事業者イーダブルジーの子会社である。年間賃料230万円という金額設定の妥当性を検証する術がなく、親子間取引による利益相反リスクが内在する。さらに敷金・保証金は0円と記載されており、テナントの信用補完もない。マスターリース先が賃料を払えなくなれば、インカムゲイン1.5%すら危うくなる。
事業者の財務基盤は薄氷の上
トラックレコードは130件・元本割れ実績なしと一定の実績があるものの、直近期の自己資本比率は4.9%と極めて低い。総資産66.5億円に対し負債63.2億円、純利益は1,837万円と薄利。不動産クラファン事業者として成長フェーズにあるとはいえ、第1号事業(匿名組合型)は事業者の倒産リスクが投資家に直結する構造だ。事業者が破綻すれば、対象不動産は事業者の固有財産として破産財団に組み込まれ、投資家は一般債権者として配当を待つことになる。
物件概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 神奈川県足柄下郡箱根町元箱根字大芝103-222他 |
| 物件種別 | 土地(宅地/山林) |
| 構造 | 建物なし(更地) |
| 築年月 | - |
| 延床面積 | 697.76㎡(土地面積) |
| テナント | 株式会社イーズレーベル(マスターリース) |
| 稼働率 | 100%(マスターリース契約) |
収益構造とNOI分析
本ファンドは noi_status=partial に該当し、主要費用の一部が書面に記載されていない。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 年間賃料収入(ML賃料) | 2,300,000円 |
| 固定資産税・都市計画税 | ▲14,698円 |
| 管理費 | 書面記載なし(0計上) |
| 火災保険料 | 書面記載なし(0計上) |
| その他運営費用 | 書面記載なし(0計上) |
| NOI(実額・下振れ注意) | 2,285,302円 |
- キャップレート(実額): 1.22%(2,285,302円 ÷ 188,000,000円)
- ※管理費・火災保険料・その他運営費用が書面に記載されておらず0計上。実際の費用負担が発生すればNOIは下振れする。
- (参考)費用欠損を賃料の20〜30%で仮置きした場合の推計NOI: 161〜184万円/推計キャップレート: 0.86〜0.98%。これは賃料に対する一般的な費用率を仮置きした概算であり、実際の費用構造とは異なる可能性がある。
- 配当原資: ハイブリッド型(インカム1.5%+キャピタル6.0%)
配当原資の構造分析
優先出資総額1億4,850万円に対し、年利7.5%の配当を実現するには年間約1,114万円の利益が必要となる。一方、マスターリース賃料230万円からインカムゲイン1.5%分(約223万円)を捻出するのが精一杯であり、残り6.0%分(約891万円)はキャピタルゲインで賄う設計だ。
物件価格1.88億円に対し、891万円のキャピタルゲインを得るには約4.7%の値上がりが必要。更地の土地が1年で5%近く値上がりする根拠は書面に示されていない。
市場価格検証
| 比較項目 | ファンド物件 | 近隣取引中央値 | 乖離率 |
|---|---|---|---|
| ㎡単価 | 269,400円 | 75,000円 | +259% |
| 取引価格 | 188,000,000円 | 20,834,505円 | +802% |
近隣取引データ(箱根町全域、2024〜2025年)の土地㎡単価中央値は約7.5万円。本物件の取得価格1.88億円を土地面積697.76㎡で割ると㎡単価約26.9万円となり、中央値の約3.6倍という水準だ。
ただし、近隣取引データには住宅地・山林・中古マンション等が混在しており、元箱根エリアの観光地としての立地特性(芦ノ湖至近等)を反映した比較対象が限られる。商業地の取引事例(仙石原・宮城野)では㎡単価4〜14万円程度の事例もあり、観光地プレミアムを考慮しても本物件の価格設定は高めに見える。
鑑定評価がない以上、この価格が「収益還元法で正当化される水準」なのか「事業者の希望的観測」なのかを判別する手段がない。
土地評価と出口シナリオ
土地評価の試算
箱根町元箱根エリアの路線価・公示地価は公開情報から直接確認できなかったが、近隣の仙石原地区の住宅地では㎡単価1〜3万円台の取引が多い。観光地としての立地プレミアムを加味しても、土地のみで1.88億円という評価は収益還元法に依拠していると推察される。
仮に年間賃料230万円をキャップレート5%で還元すると4,600万円、3%で還元しても7,667万円にとどまる。1.88億円という価格は、将来の開発ポテンシャルや売却益を織り込んだ「期待値込み」の数字と考えるのが自然だ。
| シナリオ | キャップレート | 想定売却価格 | 投資家への影響 |
|---|---|---|---|
| 楽観 | 1.0% | 2.3億円 | 元本全額償還+キャピタル配当6%達成 |
| 基本 | 1.2% | 1.9億円 | 元本全額償還、キャピタル配当は縮小 |
| 悲観 | 2.0% | 1.15億円 | 劣後バッファ超過、元本毀損リスク |
楽観シナリオはキャップレート1.0%での売却を想定するが、更地の土地でこの水準を実現するには相当の買い手需要が必要。基本シナリオでも取得価格とほぼ同額での売却となり、キャピタルゲイン6.0%の達成は困難。悲観シナリオでは物件価格が約39%下落し、劣後バッファ10%を大幅に超過する。
ストレステスト
| 変動要因 | 変動幅 | 物件価値への影響 | 劣後バッファとの関係 |
|---|---|---|---|
| キャップレート+1% | 1.2%→2.2% | ▲8,400万円(▲45%) | バッファ超過 |
| 賃料下落20% | 230万円→184万円 | NOI▲46万円 | インカム配当に影響 |
| 売却価格▲10% | 1.88億円→1.69億円 | ▲1,880万円 | バッファ内(ギリギリ) |
劣後バッファの限界
劣後出資額は出資総額1.65億円の10%=1,650万円。物件取得価格1.88億円に対する劣後出資額の比率は約8.8%となる。つまり、物件価格が約8.8%(約1,650万円)下落するまでは優先出資者の元本は保全されるが、それを超えると元本毀損が始まる。
キャップレートが1%上昇するだけで物件価値は45%下落する計算となり、劣後バッファは一瞬で吹き飛ぶ。観光地の土地という流動性の低い資産で、1年後の売却価格を予測することの難しさを考えると、このバッファは薄すぎると言わざるを得ない。
契約上の注意点
- 第1号事業(匿名組合型)のため倒産隔離なし: 事業者が破綻した場合、対象不動産は破産財団に組み込まれ、投資家は一般債権者として扱われる。
- マスターリース先が100%子会社: 株式会社イーズレーベルは事業者の子会社であり、賃料設定の妥当性検証が困難。利益相反リスクが内在する。
- 契約期間の延長条項: 売却が完了しない場合、最大12ヶ月の延長が可能。資金拘束期間が最長2年に及ぶリスクがある。
- 中途解約手数料3%: やむを得ない事由による解約でも出資額の3%が手数料として徴収される。
- 鑑定評価なし: 物件価格の第三者検証がなく、売却時の「合理的な価格」の判断基準が曖昧。
結論
キャピタルゲイン依存型でありながら出口戦略が不透明、鑑定評価なし、NOI実額不明という三重苦を抱えるファンド。劣後比率10.0%は箱根の観光地リスクを吸収するには不十分であり、売却価格が想定を下回れば元本毀損が現実味を帯びる。事業者の実績は認めつつも、財務基盤の薄さと第1号事業の構造リスクを踏まえると、積極的に資金を投じる理由が見当たらない。
⚠️ 免責事項:本記事はRE:Insight AIが公開情報・PDF書面を元に自動生成したファンド紹介・分析情報です。 投資助言には該当しません。投資判断は必ずご自身の責任のもとで行い、各事業者の公式情報を直接ご確認ください。