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【トモタクMINI】トモタクCF129号(元箱根アセット)譲渡ファンド

TOMOTAQU ・ 分析日: 2026年09月01日 ・ RE:Insight AI
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利回り7.5%の8割は「売却益が出れば」の話。鑑定なし・更地1.88億円は近隣相場の3.6倍、劣後10%では価格が▲12%下落すれば優先出資者の元本が削られる。出口の霧が晴れる材料は、書面のどこにも見当たらない。

インカム型マスターリース有利回り:平均的運用11ヶ月
予定利回り
7.5%
運用期間
11ヶ月
募集総額
5,427万円
劣後比率
10.0%
所在地
神奈川県足柄下郡箱根町元箱根字大芝103-222、103-558、103-559
種別
不動産
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4.0
収益性
2.5
透明性
3.3
元本安全性
3.0
事業者信頼性

ポイント

配当の8割がキャピタルゲイン頼み、売却益が出なければ絵に描いた餅

予定利回り7.5%の内訳は、インカムゲイン1.5%+キャピタルゲイン6.0%と書面に明記されている。年間マスターリース賃料230万円に対し、優先出資額1.485億円で計算すると賃料ベースの利回りは約1.55%。つまり配当の約8割は「売却時に利益が出ること」が前提となる。対象不動産は建物のない更地(地目:宅地/山林)であり、売却先・売却価格の見通しは一切開示されていない。キャピタルゲインが想定を下回れば、最終分配で調整が入る旨が書面に記載されており、7.5%は「目安」に過ぎない。

鑑定評価なしで1.88億円、価格の妥当性は検証不能

書面には「不動産鑑定士による鑑定評価の有無:-」と記載されており、第三者による価格検証が行われていない。取得価格1.88億円の算定方法は「取引事例比較法及び収益還元法により算出」とあるが、誰がどのような根拠で算出したかは不明。近隣取引データを見ると、箱根町内の土地取引は㎡単価3,000円〜48,000円と幅広く、本物件の697.76㎡に当てはめると約209万円〜3,349万円のレンジとなる。1.88億円という価格は近隣相場の5〜90倍に相当し、特殊な収益性や開発ポテンシャルがなければ説明がつかない水準だ。

マスターリース先は100%子会社、賃料の実態は不透明

マスターリース契約の相手方は株式会社イーズレーベル。書面には「子会社」と明記されており、事業者グループ内での取引となる。年間賃料230万円(月額約19.2万円)で697.76㎡の更地を借りる経済合理性は、サブリース先のテナント事業者の存在が前提となるが、サブリース先の属性・賃料水準は一切開示されていない。敷金・保証金は0円であり、マスターリース先の信用力に依存する構造だ。

自己資本比率4.9%、事業者の財務基盤は薄い

運営事業者の株式会社イーダブルジーは、直近期(FY2025)の自己資本比率が4.9%と極めて低い。不動産クラファン事業者として標準的な20〜30%を大きく下回り、総資産約66.5億円に対して負債が約63.2億円と負債依存度が高い。営業利益は約1.15億円と黒字を維持しているものの、営業外費用が重く経常利益は約2,839万円まで圧縮されている。第1号事業(匿名組合型)のため倒産隔離はなく、事業者が破綻した場合は出資金が保全されない可能性がある旨が書面に明記されている。

「譲渡ファンド」の意味、前回ファンドからの継続運用

本ファンドは「【トモタクMINI】トモタクCF129号(元箱根アセット)譲渡ファンド」と名付けられており、書面には「2026年8月8日より既に運用を開始」と記載されている。つまり前回ファンドで取得した物件を、新たな投資家に引き継ぐ形で再募集する構造だ。前回ファンドの投資家は本ファンドの募集成立をもって出資金が返還される仕組みと推察されるが、前回ファンドの運用実績・売却状況は開示されていない。

物件概要

項目 内容
所在地 神奈川県足柄下郡箱根町元箱根字大芝 103-222他
物件種別 土地(更地)
構造 -
築年月 -(建物なし)
延床面積 -(土地面積697.76㎡)
テナント 株式会社イーズレーベル(マスターリース)
稼働率 100%(マスターリース契約)

収益構造とNOI分析

本物件は建物のない更地であり、通常の不動産投資における「NOI(営業純収益)」の概念が適用しにくい。書面に記載された費用情報は以下のとおり。

項目 金額
年間マスターリース賃料 2,300,000円
固定資産税・都市計画税 ▲14,698円(令和8年)
その他運営費用 書面記載なし(0計上)
NOI(実額・下振れ注意) 約2,285,302円
  • キャップレート(実額): 約1.22%(NOI 228.5万円 ÷ 物件価格1.88億円)
  • ※管理費・火災保険料等の費用が書面に記載されておらず0計上。実際の費用が発生する場合はNOIが下振れする可能性あり。
  • 配当原資: ハイブリッド型(インカム1.5%+キャピタル6.0%)

配当原資の構造分析:

インカムゲイン1.5%を優先出資額1.485億円に適用すると、年間約223万円の配当が必要。NOI約228万円でギリギリ賄える計算だが、事業者報酬(売却価格の2%)や諸経費を考慮すると、インカム配当の原資は実質的にマスターリース賃料のほぼ全額を充当する形となる。

キャピタルゲイン6.0%は、11ヶ月運用で約825万円(1.485億円×6.0%×11/12)の売却益が必要。物件価格1.88億円に対し、売却価格が約1.96億円以上でなければ達成できない計算だ。

市場価格検証

比較項目 ファンド物件 近隣取引中央値 乖離率
㎡単価 269,448円 75,000円 +259%
取引価格 188,000,000円 20,804,732円 +804%

近隣取引データ(国土交通省 不動産情報ライブラリ)によると、箱根町内の土地取引の㎡単価中央値は75,000円。本物件の取得価格1.88億円を土地面積697.76㎡で割ると、㎡単価は約269,448円となり、近隣相場の約3.6倍に相当する。

ただし、近隣取引データには住宅地・商業地・林地が混在しており、本物件の立地(元箱根・芦ノ湖畔エリア)の特殊性を考慮する必要がある。観光地としてのポテンシャルや、将来的な開発計画の有無によって価格が大きく変動する可能性があるが、書面にはそうした情報は一切記載されていない。

鑑定評価がないため、1.88億円という価格が「事業者の言い値」なのか「市場価格」なのかを第三者的に検証する手段がない。これは投資判断において重大な情報欠損と言える。


土地評価と出口シナリオ

箱根町元箱根エリアの公示地価・路線価は、観光地としての特性から住宅地とは異なる評価体系となる。一般的な住宅地の路線価水準(㎡あたり数万円)を当てはめると、本物件の土地評価額は数千万円程度となるが、観光・商業利用を前提とした収益還元法では異なる評価となる可能性がある。

シナリオ 想定売却価格 投資家への影響
楽観 2.0億円以上 元本全額償還+キャピタル配当達成
基本 1.88億円(取得価格同額) 元本全額償還、キャピタル配当なし
悲観 1.65億円以下 劣後バッファ枯渇、優先出資者の元本毀損

劣後出資額は1,650万円(出資総額1.65億円の10%)。物件価格1.88億円に対する劣後出資額の比率は約8.8%であり、物件価格が約8.8%(約1,654万円)下落すると劣後バッファが枯渇する計算となる。


ストレステスト

変動要因 変動幅 物件価値への影響 劣後バッファとの関係
売却価格▲10% 1.88億円→1.69億円 ▲1,880万円 バッファ超過(▲230万円)
売却価格▲15% 1.88億円→1.60億円 ▲2,820万円 バッファ超過(▲1,170万円)
マスターリース解約 賃料0円 インカム配当不能 売却益のみで配当

劣後出資額1,650万円を物件取得価格1.88億円で割ると、約8.8%の下落で劣後バッファが枯渇する。更地という流動性の低い資産であり、売却先が限定される可能性を考慮すると、10%程度の価格下落は十分に想定される範囲だ。物件価格が1,714万円(約9.1%)以上下落すると、優先出資者の元本が毀損し始める。


契約上の注意点

  • 第1号事業(匿名組合型)のため倒産隔離なし: 事業者が破綻した場合、対象不動産は事業者の財産として破産手続きに組み込まれ、出資金が保全されない可能性がある。
  • マスターリース先が100%子会社: 株式会社イーズレーベルは事業者の子会社であり、グループ内取引。賃料水準の妥当性を第三者が検証できない。
  • 鑑定評価なし: 物件価格1.88億円の妥当性を検証する第三者評価がない。
  • 契約期間延長の可能性: 売却が完了しない場合、最大12ヶ月の延長が可能。出資金の返還時期が不確定。
  • 中途解約手数料3%: やむを得ない事由による解約でも、出資額の3%(税別)が手数料として差し引かれる。
  • 譲渡ファンドの構造: 前回ファンドからの継続運用であり、前回投資家への償還原資が本ファンドの募集成立に依存している可能性がある。

結論

利回り7.5%の大半がキャピタルゲイン依存であり、鑑定評価なし・建物なしの更地に対する1.88億円という価格の妥当性が検証できない。劣後比率10.0%では約9%の価格下落で元本毀損リスクが顕在化する。事業者の財務基盤も薄く、余剰資金での投資としても慎重な判断が求められる。

関連リンク
外部リンク

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