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みんなの年金185号ファンド

みんなの年金 ・ 分析日: 2026年08月11日 ・ RE:Insight AI
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利回り8%の甘い果実、しかし中身は築30〜42年の区分マンション10戸の寄せ集め。賃料・NOI非開示で配当原資は霧の中、鑑定評価なしの7,300万円は事業者の言い値。劣後10.5%は薄氷のバッファ——146件の償還実績が唯一の錨だが、透明性の欠如が足を引っ張る。

インカム型高利回り運用12ヵ月
予定利回り
8%
運用期間
12ヵ月
募集総額
6,530万円
劣後比率
10.5%
所在地
東京都板橋区前野町2丁目
種別
不動産
▶ 公式サイトで詳細を見る
4.0
収益性
2.6
透明性
3.3
元本安全性
4.0
事業者信頼性

ポイント

賃料非開示で利回り8%の根拠が宙に浮く

本ファンドの最大の問題点は、配当原資の裏付けが一切検証できないことにある。契約成立前書面には「賃借人から同意を得られなかったため、非開示」と記載され、年間賃料収入が不明。NOIも当然算出不能であり、利回り8%がインカムで賄えるのか、キャピタルゲイン頼みなのかすら判断できない。「ハイブリッド型」と銘打っているが、その内訳は闇の中だ。

10物件分散の実態は「築古区分の寄せ集め」

東京・福岡・大阪に分散した10物件(9棟)は一見リスク分散に見えるが、実態は築30〜40年の区分マンションの集合体。最も古いプチメゾン薬院は築41年、ペガサスマンション等々力は築42年。専有面積は12〜19㎡台のワンルームが中心で、1物件あたりの出資額は700万円前後と小粒。分散というより「処分しにくい築古区分を束ねてファンド化した」という印象が拭えない。

鑑定評価なしで7,300万円の妥当性は検証不能

書面には「近傍の類似物件の取引実例に基づいた評価額」とあるが、不動産鑑定士による鑑定評価は「無」と明記されている。10物件合計7,300万円という価格が適正なのか、割高なのか、第三者の目が入っていない。事業者の「言い値」を信じるしかない構造は、投資家にとって不利なポジションだ。

事業者の戦略ストーリーは「駅近・都市部」の一点張り

サイト記載のプロジェクト概要では、各物件の駅からの徒歩分数(3〜11分)とアクセス路線が強調されている。しかし、築年数の古さ、専有面積の狭さ、管理組合の修繕積立金状況、大規模修繕の履歴といった「築古区分特有のリスク」への言及は皆無。「駅近だから安心」という単純なナラティブで、築40年超の物件を売り込む姿勢には疑問が残る。

劣後比率10.5%は物件価格10.5%下落で消滅

劣後出資770万円÷物件取得価格7,300万円=10.5%。つまり物件価格が10.5%下落した時点で劣後バッファは枯渇し、優先出資者の元本が毀損し始める。築30〜40年の区分マンションは、経年劣化による価値下落リスクが高い。1年後の売却時に「買い叩かれる」シナリオは十分想定される。

物件概要

項目 内容
所在地 東京都板橋区・世田谷区・北区、福岡市中央区・博多区、大阪市中央区(計10物件)
物件種別 区分マンション(住居)
構造 RC造・SRC造
築年月 1984年1月〜1995年6月(築30〜42年)
延床面積 12.21〜19.44㎡(専有部分)
テナント 1社(詳細非開示)
稼働率 非開示

収益構造とNOI分析

本ファンドは書面に運営費用・賃料収入の記載がなく、実額ベースのNOIは算出できない。

項目 金額
年間賃料収入 非開示(賃借人の同意なし)
管理費 非開示
火災保険料 非開示
固都税 非開示
NOI(実額) 算出不能
  • キャップレート(実額): 算出不能
  • 配当原資: ハイブリッド型(インカム+キャピタル)

書面には「最近5年間の全賃料収入:トラックレコードはありませんが、前管理会社へのヒアリングによると延滞などはありません」とあるが、これは賃料金額の開示ではなく、単に「滞納がない」という定性情報に過ぎない。

仮に物件価格7,300万円に対して利回り8%を賃料収入のみで賄うとすれば、年間584万円(月額約48.7万円)の賃料が必要となる。10物件で割ると1物件あたり月額4.9万円。築30〜40年のワンルーム(12〜19㎡)としては妥当な水準だが、管理費・修繕積立金・固都税を控除した後のNOIが8%を維持できるかは不明。キャピタルゲインへの依存度が高い可能性がある。

市場価格検証

比較項目 ファンド物件 近隣取引中央値 乖離率
㎡単価 約51万円(推計) 約74万円 -31%
取引価格 730万円/物件(平均) 約2,500万円 -71%

※ファンドの㎡単価は、物件価格7,300万円÷総専有面積約143㎡(10物件合計)で概算。

近隣取引データ(板橋区)では、築2010年代のRC造1Kが㎡単価約100万円(25㎡で2,400〜2,600万円)で取引されている。一方、本ファンドの物件は築30〜40年であり、㎡単価が大幅に低いのは築年数を考慮すれば合理的。ただし、近隣取引の中央値(約74万円/㎡)と比較しても31%低い水準であり、「割安」というより「築古ゆえの減価」と解釈すべきだろう。

福岡・大阪の物件については近隣取引データが限定的であり、個別の妥当性検証は困難。事業者の「近傍の類似物件の取引実例に基づいた評価額」という説明を信じるしかない状況だ。


土地評価と出口シナリオ

10物件はすべて区分所有であり、土地持分は極めて小さい。例えばリバティパレス常盤台の土地持分は10,000分の508(約5%)、ペガサスマンション等々力は32,891分の1,234(約3.8%)。土地の実勢価格を算出しても、区分所有者が単独で土地を処分することは事実上不可能であり、出口は「区分マンションとしての売却」一択となる。

シナリオ 想定売却価格 投資家への影響
楽観 8,000万円(+9.6%) 元本全額償還+キャピタル配当
基本 7,300万円(±0%) 元本全額償還、キャピタル配当なし
悲観 6,500万円(-11%) 劣後バッファ超過、元本毀損

築30〜40年の区分マンションは、買い手が限定される。実需層は新耐震基準(1981年以降)を重視し、投資家層は利回りを重視する。本ファンドの物件は新耐震基準をギリギリ満たす(1984〜1995年築)が、大規模修繕の履歴や管理組合の財務状況が不明なため、買い手の値引き交渉に弱い立場となる。


ストレステスト

変動要因 変動幅 物件価値への影響 劣後バッファとの関係
売却価格-10% 7,300万円→6,570万円 ▲730万円 バッファ内(残40万円)
売却価格-15% 7,300万円→6,205万円 ▲1,095万円 バッファ超過(325万円毀損)
空室発生(2物件) 稼働率80%想定 NOI▲20%(推計) インカム配当減少

劣後出資770万円は、物件価格が約766万円(10.5%)下落した時点で枯渇する。築古区分マンションの売却では、仲介手数料(約3%)や譲渡費用を考慮すると、実質的なバッファはさらに薄い。物件価格が7%下落しただけで、諸費用控除後の手取りが劣後バッファを食い潰す計算となる。


契約上の注意点

  • 倒産隔離なし: 第1号事業(匿名組合型)であり、事業者が破綻した場合、出資金は保全されない。書面にも「匿名組合勘定による分別管理は信託法第34条の分別管理と異なり、本事業者が破綻等した場合に本事業に係る財産は保全されない」と明記。
  • 中途解約に10%のペナルティ: やむを得ない事由による解約時、出資価格の10%を事務手続き対価として支払う必要あり。流動性は極めて低い。
  • 契約期間延長の可能性: 売却が完了しない場合、事業者判断で最大1年延長可能。資金拘束リスクあり。
  • テナント情報の非開示: 賃借人の同意が得られないとして、賃料・稼働率・テナント属性がすべて非開示。投資判断に必要な情報が欠落。
  • 鑑定評価なし: 不動産鑑定士による第三者評価を受けておらず、物件価格の妥当性を客観的に検証できない。

結論

利回り8%と146件の償還実績は評価できるが、賃料・NOI非開示、鑑定評価なしという情報開示の不透明さが致命的。築30〜40年の区分マンション10物件を束ねた構造は、分散というより「売りにくい物件の詰め合わせ」に見える。余剰資金での小口投資なら許容範囲だが、まとまった資金を投じるには情報が足りない。

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