総評
築34〜35年のRC2棟を劣後比率24%で包んだ利回り5.2%の6ヶ月パッケージ。ただし中身は鑑定なし・NOI不明・再組成3回目の"おかわりファンド"。事業者の自己資本比率8%という薄い財布で、出口は自社買取か再クラファン化がお約束。余剰資金の短期置き場としてなら、許容できる賭け。
ポイント
鑑定評価なしで2.08億円の妥当性は検証不能
書面には「取引利回り事例等を参考に収益還元法を中心に算定」とあるが、不動産鑑定評価は「無」と明記されている。第三者による客観的な価格検証がないまま、事業者の自己査定で2.08億円という取得価格が設定されている。これは「自分で値段をつけて、自分で買い取る」構造であり、投資家が価格の妥当性を検証する手段がない。
NOI費用明細が非開示、配当原資の裏付けは賃料総額のみ
年間賃料収入1,611万円は開示されているが、管理費・火災保険料・固都税などの運営費用は「過去の賃貸に係る費用等の情報はございません」と明記されている。NOIが算出できないため、利回り5.2%の配当原資が賃料収入から本当に賄えるのか検証不能。事業者は「全額をインカムゲインから賄う構造」と謳うが、その根拠となる費用控除後の収益は闇の中。
再組成3回目、出口は「自社買取or再クラファン化」が既定路線
本ファンドは「みらファン第38号」の運用終了に伴う再組成ファンドと明記されている。元本償還の仕組みとして「①第三者への売却」「②自社買取り」「③再組成」の3パターンが示されているが、過去の実績を見る限り、第三者売却ではなく自社買取りまたは再クラファン化が常態化している可能性が高い。これは投資家にとって「出口が見えない永久機関」に組み込まれるリスクを意味する。
事業者の自己資本比率8.0%は業界でも低水準
直近期(FY2025)の自己資本比率は8.0%。前期の22.4%から急落している。総資産が6.9億円から21.4億円へ3倍超に急拡大したことが主因だが、不動産クラファン事業者としても8%は薄氷の水準。45件の運用実績と元本割れゼロの実績は評価できるが、事業拡大に伴う財務リスクは無視できない。
築34〜35年RC×20戸分散は安定性と老朽化リスクの両面
G1ビル本山Ⅰ(1991年築・5階建)とG1ビル本山Ⅱ(1990年築・3階建)の2棟構成。店舗2戸・住戸18戸の計20戸で稼働率100%は安定感があるが、築34〜35年のRCは大規模修繕の時期に差し掛かっている。書面には修繕履歴・建物状況調査の記載がなく、潜在的な修繕リスクは不透明。
物件概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 愛知県名古屋市千種区春里町四丁目23番外 |
| 物件種別 | 店舗付きレジデンス(2棟) |
| 構造 | 鉄筋コンクリート造陸屋根5階建(Ⅰ)・3階建(Ⅱ) |
| 築年月 | 1991年4月(Ⅰ)・1990年10月(Ⅱ)(築34〜35年) |
| 延床面積 | 535.83㎡(Ⅰ: 320.44㎡ + Ⅱ: 215.39㎡) |
| テナント | 店舗2戸・住戸18戸(計20戸) |
| 稼働率 | 100%(2026年6月時点) |
収益構造とNOI分析
書面には運営費用の記載がなく、実額NOIは算出不能。
- NOI(実額): 書面に運営費用の記載がなく算出できません。
- (推計・参考値)想定NOI: 1,127万円〜1,289万円/想定キャップレート: 5.4%〜6.2%
- ※上記推計は年間賃料収入1,611万円に対し、運営費用を賃料の20〜30%と仮置きした概算値。実際の管理費・固都税・保険料が重い場合、NOIはさらに低下する可能性がある。
- 配当原資: ハイブリッド型(インカムゲイン+キャピタルゲイン)
配当原資の検証:
- 優先出資額1.58億円 × 利回り5.2% × 6ヶ月/12ヶ月 = 約411万円(半年分の配当必要額)
- 年間賃料収入1,611万円 ÷ 2 = 約806万円(半年分の賃料収入)
- 賃料収入だけで配当を賄える計算だが、運営費用が不明なため確定的な判断は不可能
事業者は「全額をインカムゲインから賄う構造」と謳うが、費用明細が非開示のため、その主張の裏付けは取れない。
市場価格検証
| 比較項目 | ファンド物件 | 近隣取引中央値 | 乖離率 |
|---|---|---|---|
| ㎡単価 | 約38.8万円 | 約40.6万円 | -4.4% |
| 取引価格 | 2.08億円 | 約5,331万円 | +290% |
※ファンド物件の㎡単価は取得価格2.08億円÷延床面積535.83㎡で算出
近隣取引データは主に中古マンション・戸建住宅が中心であり、店舗付きレジデンス2棟との直接比較は困難。ただし、㎡単価ベースでは近隣相場と概ね整合しており、著しい割高感は見られない。
一方、近隣の「宅地(土地と建物)」取引事例を見ると、築40年前後のRC物件で1億円〜1.2億円の取引が確認される。本ファンドの2棟合計2.08億円は、2棟分であることを考慮すれば妥当な範囲内と推測されるが、鑑定評価がないため確定的な判断は留保せざるを得ない。
土地評価と出口シナリオ
土地評価(推計):
- 敷地面積: 316.49㎡(公簿)
- 用途地域: 近隣商業地域(建ぺい率80%・容積率200%)
- 名古屋市千種区春里町周辺の公示地価は㎡あたり25〜35万円程度と推計
- 土地持分相当額: 約7,900万円〜1.1億円(概算)
※上記は公開情報に基づく推計であり、確定値ではない。
| シナリオ | キャップレート | 想定売却価格 | 投資家への影響 |
|---|---|---|---|
| 楽観 | 5.0% | 約2.3億円 | 元本全額償還+キャピタル配当 |
| 基本 | 6.0% | 約1.9億円 | 元本全額償還(劣後バッファ内) |
| 悲観 | 7.5% | 約1.5億円 | 劣後出資で吸収可能か要検討 |
※想定売却価格は推計NOI中央値(約1,208万円)をキャップレートで割り戻して算出
ストレステスト
| 変動要因 | 変動幅 | 物件価値への影響 | 劣後バッファとの関係 |
|---|---|---|---|
| キャップレート+1% | 6%→7% | ▲約2,500万円(約12%下落) | バッファ内 |
| 空室率+10% | 100%→90% | NOI▲約161万円 | 配当原資に影響 |
| 賃料下落10% | 1,611万円→1,450万円 | NOI▲約161万円 | 配当原資に影響 |
劣後バッファの限界点:
- 劣後出資額: 5,000万円
- 物件取得価格: 2.08億円
- 劣後バッファが枯渇する物件価格下落率: 5,000万円 ÷ 2.08億円 = 約24.0%
物件価格が2.08億円から約1.58億円(▲5,000万円)まで下落すると、劣後バッファが枯渇し、優先出資者の元本毀損が始まる。築34〜35年のRC物件で24%の下落余地は、大規模修繕や市況悪化を考慮すると決して余裕があるとは言えない。
契約上の注意点
- 利害関係人取引: 対象不動産は事業者(株式会社みらいアセット)の固有財産であり、自己売買に該当。取得価格2.08億円の妥当性は第三者検証なし。
- 倒産隔離なし: 第1号事業(匿名組合型)のため、事業者が破綻した場合、出資金は保全されない。分別管理は行われるが、信託法に基づく分別管理とは異なる。
- 中途解約の制限: やむを得ない事由がない限り中途解約不可。解約時は出資価格の50%(最低5,000円・最高50,000円)の手数料が発生。
- 再組成リスク: 元本償還方法として「再組成」が明記されており、投資家の意思に関わらず次ファンドへの資金移行が行われる可能性がある。
- 外部劣後出資者の存在: 劣後出資5,000万円のうち、事業者以外の「外部劣後出資者」が含まれる構造。外部劣後出資者の属性・信用力は非開示。
結論
鑑定評価なし・NOI費用明細なしという情報開示の薄さが最大の懸念点。劣後比率24.0%と短期6ヶ月運用は評価できるが、出口が「自社買取or再クラファン化」の永久機関に組み込まれるリスクを許容できるかが投資判断の分岐点。
⚠️ 免責事項:本記事はRE:Insight AIが公開情報・PDF書面を元に自動生成したファンド紹介・分析情報です。 投資助言には該当しません。投資判断は必ずご自身の責任のもとで行い、各事業者の公式情報を直接ご確認ください。