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みらファン第47号(愛知県岡崎市)

みらファン ・ 分析日: 2026年08月12日 ・ RE:Insight AI
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利回り6.1%・運用3ヶ月の短期設計だが、足元は借地権という砂上の楼閣。鑑定なし・NOI非開示のまま1.6億円を信じろと言われても、出口は再組成という名の先送りに頼る構造。劣後10%は築4年の店舗を守る最低限の盾にすぎない。

インカム型利回り:平均的運用3ヶ月
予定利回り
6.1%
運用期間
3ヶ月
募集総額
1.4億円
劣後比率
10.0%
所在地
マップ:愛知県岡崎市羽根町字前田34-6(換地処分前)
種別
不動産
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4.0
収益性
2.7
透明性
3.3
元本安全性
3.2
事業者信頼性

ポイント

借地権物件ゆえの出口リスクが最大の懸念材料

本ファンドの対象不動産は**土地が賃借権(借地権)**であり、所有権ではない。書面には「土地は借地権であり、借地権の種類は賃借権である」と明記されている。借地権物件は所有権物件と比較して流動性が著しく低く、売却時に買い手が限定される。事業者は出口として「第三者売却」「自社買取り」「再組成」の3パターンを挙げているが、借地権物件を第三者に売却するハードルは高い。結果として自社買取りか再組成(次のファンドへの付け替え)に依存する構造となりやすく、投資家は事業者の財務体力と継続意思に運命を委ねることになる。

鑑定評価なし・NOI非開示で1.6億円の妥当性は検証困難

書面には「不動産鑑定評価の有無:なし」「価格算定方法:取引利回り事例等を参考に収益還元法を中心に算定」とあるが、具体的な算定根拠は示されていない。年間賃料2,520万円(月額210万円)は開示されているものの、地代(月額92万円)以外の運営費用(固都税・保険料・管理費等)の詳細が不明であり、実額ベースのNOIを算出できない。鑑定評価という第三者チェックがない状態で、事業者の言い値1.6億円を信じるしかない構造は透明性に欠ける。

賃料から逆算すると表面利回り15.75%、だが地代控除後は大幅低下

年間賃料2,520万円÷取得価格1.6億円=表面利回り15.75%と一見高水準に見える。しかし地代が年間1,104万円(月額92万円×12ヶ月)かかるため、地代控除後の粗利は約1,416万円。これを1.6億円で割ると**8.85%**まで低下する。ここからさらに固都税・保険料・管理費等を控除するとNOI利回りは7〜8%程度と推計される。予定利回り6.1%との差は事業者報酬や諸経費で消化される計算だが、費用の内訳が非開示のため検証できない。

事業者の急成長は評価できるが自己資本比率16%は薄氷

株式会社みらいアセットは2年間で売上高を約6.7億円から約31.9億円へ4.8倍に急拡大させており、成長性は高い。一方で自己資本比率は2026年3月期で16.0%と、不動産クラファン事業者の標準的水準(20〜30%)を下回る。増資により改善傾向にあるものの、借入依存度が高い状態で事業拡大を続けている点は注視が必要。第1号事業(匿名組合型)のため倒産隔離がなく、事業者の信用リスクがそのまま投資家に跳ね返る構造である。

再組成スキームは「出口の先送り」と紙一重

本ファンドは「みらファン第27号」の再組成ファンドであり、同一物件を新たなファンドに付け替える形で組成されている。事業者は出口の選択肢として「再組成」を明示しており、これは投資家にとって元本が返ってくる一方で、物件の本質的な売却(現金化)が先送りされることを意味する。借地権物件の流動性の低さを考えると、再組成が繰り返される可能性は否定できない。投資家は「いつ本当の出口が来るのか」を意識しておく必要がある。

物件概要

項目 内容
所在地 愛知県岡崎市岡崎駅前二丁目3番地4
物件種別 店舗(フィットネスクラブ)
構造 鉄骨造合金メッキ鋼板ぶき2階建
築年月 2021年7月(築4年)
延床面積 973.38㎡
テナント フィットイージー株式会社(FIT-EASY岡崎羽根店)
稼働率 100%(1棟貸し)

収益構造とNOI分析

書面に運営費用の詳細記載がなく、実額ベースのNOIは算出できない。賃料情報から推計を試みる。

項目 金額
年間賃料収入 25,200,000円
地代 ▲11,040,000円
管理費・固都税・保険料等 書面記載なし
粗利(地代控除後) 14,160,000円
  • NOI(実額): 書面に運営費用の記載がなく算出できません。
  • (推計・参考値)想定NOI: 賃料の20〜30%を運営費用と仮置きした場合、NOIは約1,260万円〜1,512万円、想定キャップレートは約7.9%〜9.5%と推計される。ただし地代が賃料の約44%を占める特殊な費用構造のため、一般的な推計式の適用には限界がある。
  • 配当原資: インカムゲイン型(賃料収入から配当、売却益は元本償還に充当)

配当原資の検証: 事業者は「配当原資は現状の稼働状況による賃料収入を基礎として設計されており、全額をインカムゲインから賄う構造」と説明している。年間賃料2,520万円から地代1,104万円を控除した粗利1,416万円に対し、優先出資1.44億円×6.1%×100日/365日=約240万円の配当が必要。粗利から事業者報酬(管理運営報酬月額約10.7万円×3ヶ月=約32万円、売却報酬は別途)を控除しても配当原資は確保できる計算だが、固都税・保険料等の未開示費用がどの程度かによって余裕度は変動する。

市場価格検証

比較項目 ファンド物件 近隣取引中央値 乖離率
㎡単価(土地) 約131,500円※ 169,697円 ▲22.5%
取得価格 160,000,000円 31,252,850円 +412%

※ファンド物件の土地㎡単価は取得価格1.6億円÷土地面積1,216.16㎡=約131,500円として概算。ただし建物価値を含むため単純比較は困難。

近隣取引データは住宅地が中心であり、駅前商業地の店舗物件との直接比較は適切ではない。岡崎駅前二丁目は近隣商業地域(建ぺい率80%・容積率300%)に位置し、住宅地より高い地価水準が想定される。

借地権割合の考慮: 一般的に借地権割合は60〜70%程度とされる。仮に所有権価格が2億円の物件であれば、借地権価格は1.2〜1.4億円となる。本ファンドの取得価格1.6億円は建物(築4年・鉄骨造)の価値を含むため、借地権+建物として概ね妥当な水準とも言えるが、鑑定評価がないため確定的な判断はできない。


土地評価と出口シナリオ

土地評価の推計: 岡崎市の近隣商業地域における公示地価は㎡あたり15〜25万円程度と推測される。土地面積1,216.16㎡×20万円=約2.4億円が所有権ベースの土地価格目安。借地権割合60%として約1.44億円、建物価値(築4年・鉄骨造・973㎡)を3,000〜5,000万円と見積もると、借地権+建物で1.74〜1.94億円程度となり、取得価格1.6億円は割安〜適正水準と推計される。ただしこれは公開情報に基づく概算であり、鑑定評価による裏付けはない。

シナリオ キャップレート 想定売却価格 投資家への影響
楽観 7.0% 約2.0億円 元本全額償還+キャピタル配当
基本 8.5% 約1.67億円 元本全額償還
悲観 10.0% 約1.42億円 劣後出資で吸収可能(▲11.3%)

※想定売却価格は粗利1,416万円÷キャップレートで概算。借地権物件の流動性を考慮すると、実際の売却価格は上記より下振れする可能性がある。


ストレステスト

変動要因 変動幅 物件価値への影響 劣後バッファとの関係
キャップレート+1% 8.5%→9.5% ▲約1,800万円(▲11%) バッファ内(劣後1,600万円で吸収限界)
空室発生 100%→0% NOI▲1,416万円 配当停止・元本毀損リスク
賃料下落10% 210万円→189万円 NOI▲約252万円 配当原資は確保可能

総評: 劣後出資額1,600万円÷取得価格1.6億円=10%の物件価格下落までが優先出資者の安全圏。借地権物件の流動性リスクを考慮すると、売却時に10%以上のディスカウントを求められる可能性は十分にある。テナント(FIT-EASY)が退去した場合、借地権付き店舗物件の買い手を見つけることは極めて困難であり、その場合は劣後バッファを超える損失が発生しうる。1社集中リスクが最大の懸念点である。


契約上の注意点

  • 借地権物件: 土地は賃借権であり、所有権ではない。地主との関係性や借地契約の残存期間が出口に影響する可能性がある。
  • 鑑定評価なし: 第三者による価格検証がなく、取得価格の妥当性は事業者の算定に依存。
  • 第1号事業(倒産隔離なし): 匿名組合型のため、事業者が破綻した場合は出資金が保全されない。
  • 関連当事者取引: 対象不動産は事業者(みらいアセット)の固有財産からの取得であり、利益相反リスクがある。
  • 再組成の可能性: 出口として「再組成」が明示されており、同一物件が次のファンドに付け替えられる可能性がある。
  • 中途解約の制限: やむを得ない事由がない限り解約不可。解約時は出資価格の50%(上限5万円)の手数料が発生。

結論

借地権×1社テナント×鑑定なしという三重苦を、劣後比率10.0%と短期運用(3ヶ月)で緩和する構造。事業者の成長性は評価できるが、再組成スキームへの依存度が高く、本質的な出口リスクは先送りされている。余剰資金での短期運用と割り切れる投資家向け。

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