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利回り不動産91号ファンド(墨田区立花区分マンション)

利回り不動産 ・ 分析日: 2026年09月11日 ・ RE:Insight AI
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利回り5.0%の果実を手にするには、築30年の区分を3,950万円超で売り抜く必要がある。劣後10%は売却価格▲5%まで優先出資のバッファとして機能するが、鑑定なし・NOI非開示という霧の中で400万円のリノベ賭けに出る構図。事業者の77件償還実績が唯一の羅針盤。

インカム型利回り:平均的運用12ヶ月
予定利回り
5%
運用期間
12ヶ月
募集総額
3,730万円
劣後比率
10.0%
所在地
東京都墨田区立花4丁目40-10
種別
区分マンション
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2.5
収益性
2.6
透明性
3.3
元本安全性
3.8
事業者信頼性

ポイント

鑑定評価なしで3,318万円の妥当性は投資家が検証できない

本ファンドの物件取得価格は3,318万円だが、不動産鑑定士による鑑定評価は実施されていない。書面には「近隣エリアの同種の不動産の取引事例の内容を基にした不動産価格」とあるのみで、その取引事例の詳細は開示されていない。投資家は事業者の言い値を信じるしかない構造であり、透明性の観点で大きなマイナス。後述の市場価格検証で近隣相場との比較を試みるが、鑑定という第三者評価がない以上、価格の妥当性に疑義が残る。

配当原資は100%キャピタルゲイン依存、インカムはゼロ

書面の利回り計算式を確認すると、インカムゲイン部分の利率は「0.0%」と明記されている。つまり、運用期間中の賃料収入からの配当は一切なく、配当原資は売却益のみ。物件は運用開始時点で空室であり、リノベーション後に実需層へ売却する計画だ。売却価格が出資総額3,730万円(物件価格3,318万円+リノベ費用400万円+諸費用)を上回らなければ、投資家への配当はゼロとなる。

リノベ400万円の投資効果は未知数

事業者は「水回り設備・内装の部分改修」に400万円を投じる計画だが、この投資が売却価格にどれだけ反映されるかは不透明。築30年のRC区分マンションにおいて、400万円のリノベが売却価格を400万円以上押し上げる保証はない。むしろ、リノベ費用が売却価格に転嫁できなければ、その分が投資家の元本を圧迫する。事業者のリノベ実績や過去の売却事例が開示されていない点も懸念材料。

平井エリアの実需市場は堅調だが競合も多い

プロジェクト概要では「子育て世帯が暮らしやすい住環境」「24時間営業のスーパー」などを強調しているが、これは平井エリア全体の話であり、本物件固有の優位性ではない。JR平井駅徒歩9分・東武東あずま駅徒歩8分という立地は悪くないが、同エリアには競合物件も多い。52㎡の2LDK相当という間取りは実需層に訴求しやすいが、築30年という経年は住宅ローン審査でマイナスに働く可能性がある。

事業者の実績は堅調、ただし自己資本比率は低水準

利回り不動産を運営するワイズホールディングスは、92件のファンド組成実績があり、うち77件が償還済み。元本割れ実績はなく、トラックレコードは良好。ただし、直近期の自己資本比率は9.9%と業界標準(20〜30%)を大きく下回る。匿名組合出資金が総資産の80%を占める構造であり、クラファン事業への依存度が高い。営業利益率は10.8%と改善傾向にあるが、財務基盤の脆弱性は認識しておくべき。

物件概要

項目 内容
所在地 東京都墨田区立花4丁目40-10
物件種別 区分マンション
構造 鉄筋コンクリート造陸屋根8階建
築年月 1995年8月(築30年)
延床面積 52.06㎡(登記簿)
テナント なし(空室)
稼働率 0%(運用開始時点)

収益構造とNOI分析

本ファンドはキャピタルゲイン型であり、運用期間中の賃料収入からの配当はゼロ。書面にはインカムゲイン利率「0.0%」と明記されている。

NOI(実額): 書面に運営費用の詳細記載はあるが、賃料収入がゼロ(空室)のため、NOIは算出対象外。

項目 金額
年間賃料収入 0円(空室)
管理費・修繕積立金 ▲326,400円
固都税 ▲79,533円
火災保険料 ▲7,490円
期中費用合計 ▲413,423円
  • 配当原資: キャピタルゲイン型(売却益100%依存)
  • 予定利回り5.0%を達成するには、出資総額3,730万円に対し約186.5万円の売却益が必要
  • 物件価格3,318万円+リノベ費用400万円+期中費用約41万円+諸費用を考慮すると、売却価格は約3,950万円以上が必要と推計される

市場価格検証

近隣取引事例データを用いて、ファンドの物件取得価格の妥当性を検証する。

比較項目 ファンド物件 近隣中古マンション中央値 乖離率
㎡単価 約63.7万円 約100万円 ▲36%
取引価格 3,318万円 約4,000〜5,000万円帯 ▲20〜30%

近隣の中古マンション取引事例を見ると、㎡単価の中央値は約100万円。本物件の取得価格3,318万円÷52.06㎡=約63.7万円/㎡は、近隣相場より約36%割安に見える。

ただし、この乖離には合理的な理由がある。近隣取引事例の多くは築10〜20年台であり、本物件は築30年と経年が進んでいる。また、本物件は空室・未改装の状態での取得であり、リノベ前の価格としては妥当な水準とも言える。

問題は、リノベ後の売却価格がどこまで伸びるか。400万円のリノベ投資後、㎡単価80万円(約4,165万円)で売却できれば利回り5.0%は達成可能だが、築30年のRCが㎡単価80万円で売れるかは市況次第。


土地評価と出口シナリオ

本物件の土地持分は274,310分の5,542(約2.02%)。敷地面積1,191.85㎡に対し、持分相当面積は約24.1㎡。

墨田区立花エリアの公示地価は㎡あたり約40〜50万円程度(推計)。土地持分相当額は約960〜1,200万円と概算される。建物価値を加味しても、築30年のRCとしては取得価格3,318万円は妥当な水準と推測される。

シナリオ 売却価格 投資家への影響
楽観 4,200万円 元本全額償還+利回り5%超のキャピタル配当
基本 3,950万円 元本全額償還+利回り5.0%達成
悲観 3,500万円 劣後出資で吸収、元本は保全されるが配当減少
最悪 3,300万円以下 劣後バッファ超過、元本毀損リスク

ストレステスト

変動要因 変動幅 物件価値への影響 劣後バッファとの関係
売却価格▲10% 3,950万円→3,555万円 ▲395万円 劣後373万円を超過、元本毀損リスク
売却価格▲5% 3,950万円→3,752万円 ▲198万円 劣後バッファ内、配当減少のみ
リノベ費用超過+100万円 400万円→500万円 利益▲100万円 配当減少、元本は保全

劣後出資額373万円は、物件取得価格3,318万円に対し約11.2%の下落まで吸収可能。ただし、リノベ費用400万円を加味した総投資額3,718万円ベースでは、約10.0%の下落で劣後バッファが枯渇する。売却価格が3,345万円を下回ると、投資家の元本が毀損し始める計算。


契約上の注意点

  • 倒産隔離なし: 第1号事業(匿名組合型)のため、事業者が破産した場合、出資金は一般債権者と同列で扱われる可能性がある
  • 途中解約不可: やむを得ない事由がある場合のみ解約可能だが、実質的に流動性はゼロ
  • 契約期間延長リスク: 売却が完了しない場合、最大60ヶ月まで契約期間が延長される可能性がある
  • 関連当事者取引: 物件は事業者の固有財産からの拠出であり、取得価格の妥当性を第三者が検証していない
  • 鑑定評価なし: 売却時の価格も「鑑定評価額等を示す客観的な資料」との比較で決定されるが、取得時に鑑定がない以上、売却時の価格交渉も事業者裁量に委ねられる

結論

築30年の区分マンションをリノベ後に売却するキャピタル型ファンド。鑑定評価なし・NOI非開示という透明性の低さが最大の懸念点。事業者の実績は堅調だが、出口は「リノベ後に相場で売れるか」の一点勝負であり、余剰資金での参加が妥当。

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