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利回り14%・劣後43.3%の看板の裏で、運用開始時に損失を受け止める劣後は2,110万円、物件価格の1.4%。出口は拘束力なしの意向表明書20億円と、2028年2月に切れる地上権付き更地の売却頼み。想定どおり売れればの話。
ポイント
「劣後43%」の実体は2,110万円
サイトは「劣後43%から先行して負担」と強調するが、書面は劣後出資3.06億円をキャピタルコール型と明記している。運用開始時の拠出は2,110万円のみ。追加分は解体費・不動産取得税・金利・仲介手数料に充当される。書面自身も「劣後出資予定総額の全額が…緩衝として機能するものではない」と認めている。実効的な緩衝は物件価格14.8億円のわずか1.4%。劣後比率43.3%は資金計画上の比率であり、損失吸収力を示す数字ではない。
14%の配当原資は売却益一本
優先出資4億円に年14%を8ヶ月分支払うと、配当総額は約3,733万円。書面に賃料の記載はなく、配当原資は事実上更地の売却益に限られる。購入意向表明書の20億円で売れれば、プロジェクト総額18.06億円との差額約1.94億円が生まれる。そこから優先配当を払った残り約1.57億円は劣後側、つまり事業者に帰属する。上振れの果実の大半は事業者が受け取り、投資家は固定配当という非対称な設計である。
「1,900坪」の約15%は期限付き地上権
サイトは「約1,900坪の事業用地」を一体の資産として売り込む。しかし書面によれば、373番1(951.71㎡、全体の約14.9%)は存続期間2028年2月28日までの地上権で、所有権ではない。満了は予定償還日のわずか8ヶ月後である。さらに書面の建物所在地番に373番1は含まれていない。満了時に地上に建物がなければ、更新を主張する根拠は弱くなる可能性がある。買主が20億円の前提にこの部分を織り込んでいるかは、書面からは読み取れない。なお地代は書面では年180万円、登記上の最終変更は年150万円で、この差異も未説明である。
事業者は急成長の真っ只中
センス・トラストはTOKYO PRO Market上場で、第7期(2026年3月期)の売上高は約500億円、営業利益は約28.5億円に達する。一方で自己資本比率は約10.1%、営業CFは第6期で▲57億円と、在庫を積み上げる攻めの局面にある。クラファンは本件が5号目で、償還実績はまだ0件。第1号事業のため倒産隔離はない。事業者の体力そのものが投資家の最終防衛線になる構造である。
「物流一等地」の前提条件
サイトは2024年問題とEC需要を根拠に、物流用地としての希少性を語る。書面上の実態は、準工業地域・容積率200%・第五種高度地区。さらに周知の埋蔵文化財包蔵地内にあり、385番1以外は未発掘で「試掘を依頼する可能性が高い」とされ、試掘だけで5〜6ヶ月を要しうる。旧工場跡で3,000㎡以上の形質変更を伴うため、土壌の履歴調査も必要になる。8ヶ月で解体から更地売却まで完了させる工程は、ナラティブが描くほど平坦ではない。
物件概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 大阪府茨木市藤の里二丁目13番48号(住居表示) |
| 物件種別 | 事業用地+工場・事務所・車庫(建物は解体予定) |
| 土地面積 | 6,408.32㎡(所有権5,456.61㎡+地上権951.71㎡) |
| 構造 | 鉄骨造陸屋根7階建 |
| 築年月 | 1993年1月(築33年) |
| 延床面積 | 5,562.96㎡ |
| テナント | 書面記載なし |
| 稼働率 | 書面記載なし |
収益構造とNOI分析
書面には「賃料収入にも一部依存」とあるが、賃料額・管理費・保険料・固都税のいずれにも金額記載がない。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 年間賃料収入 | 書面記載なし |
| 管理費 | ▲書面記載なし(0計上) |
| 火災保険料 | ▲書面記載なし(0計上) |
| 固都税 | ▲書面記載なし(0計上) |
| 地代(地上権) | ▲1,800,000円 |
| 水道料金(覚書) | ▲72,000円 |
| NOI(実額) | 賃料が書面にないため算出不能 |
- キャップレート(実額):算出不能
- ※費用の大半が書面に記載されていない。仮に賃料が判明しても、費用が0計上となる分だけ利回りは上振れして見える点に注意。
- 配当原資:ハイブリッド型(サイト上は「キャピタル型(売却益重視)」と表記。実質は売却益依存)
保有コストの概算(8ヶ月)
| 項目 | 概算 |
|---|---|
| 借入利息(11億円×3.65%×8/12) | 約2,677万円 |
| 融資手数料(2.0%) | 約2,200万円 |
| 地代(8ヶ月分) | 120万円 |
| 解体費用 | 書面記載なし |
優先配当約3,733万円に、金利と手数料だけで約4,877万円が上乗せされる。賃料による相殺額は不明である。保有期間が延びるほど、売却益の取り分は金利に削られていく。
市場価格検証
| 比較項目 | ファンド物件 | 近隣取引中央値 | 乖離率 |
|---|---|---|---|
| ㎡単価 | 230,950円 | 314,286円 | -26.5% |
| 取引価格 | 1,480,000,000円 | 43,731,002円(平均) | +3,284% |
近隣取引データ1,967件は、戸建・中古マンションなど建物込みの住宅取引が中心である。約6,400㎡の事業用地の比較対象としては不適格で、㎡単価の「割安」表示に意味はない。
より適切な物差しは、サイトが引用する地価公示「茨木9-2」の17.6万円/㎡(サイト掲載値)である。ファンドの取得単価23.1万円/㎡はこれを**+31.2%**上回る。購入意向表明書の20億円は31.2万円/㎡に相当し、公示比+77.3%の水準になる。大型の物流用地は公示を上回って取引されることもある。しかし地上権部分を所有権と同列に扱った単価でこれだけのプレミアムを要する点は、鑑定評価が未取得である以上、検証不能なリスクとして残る。
土地評価と出口シナリオ
サイト掲載の公示価格17.6万円/㎡を用いた概算は以下のとおり。
- 所有権部分5,456.61㎡:約9.6億円(推計)
- 全体6,408.32㎡:約11.3億円(推計。地上権部分は残存期間が短く、実際の評価はこれを下回る公算)
- 路線価:公開情報からは確認できず
取得価格14.8億円は、全体を所有権とみなした公示ベースの概算すら約3.5億円上回る。この差を正当化する根拠は、事業者の自社算定と拘束力のない意向表明書しかない。
更地売却のため、キャップレートによる評価は適用外とする。売却代金から借入11億円を返済した残額が優先出資に回る構造(解体費等は劣後の追加拠出で賄う前提)で試算した。
| シナリオ | キャップレート | 想定売却価格 | 投資家への影響 |
|---|---|---|---|
| 楽観 | —(更地取引) | 20.0億円(意向表明書どおり) | 元本全額償還+配当。超過益は劣後へ |
| 基本 | —(更地取引) | 16.0億円(約25.0万円/㎡) | 元本全額償還+配当(必要額15.37億円を充足) |
| 悲観 | —(更地取引) | 13.0億円(地上権部分の毀損・文化財遅延) | 残余2.0億円で優先元本は約▲50% |
ストレステスト
| 変動要因 | 変動幅 | 物件価値への影響 | 劣後バッファとの関係 |
|---|---|---|---|
| キャップレート+1% | 適用外(更地売却) | — | — |
| 空室率+10% | 賃料非開示のため算出不能 | NOI影響不明 | 配当原資は売却益中心で影響は限定的 |
| 賃料下落10% | 賃料非開示のため算出不能 | NOI影響不明 | 同上 |
| 売却価格▲5% | 14.8億→14.06億円 | ▲7,400万円 | 超過(優先元本▲約23.5%) |
| 売却価格▲10% | 14.8億→13.32億円 | ▲1.48億円 | 超過(優先元本▲約42%) |
実効劣後2,110万円で吸収できる物件価格の下落率は、2,110万円÷14.8億円=**1.4%**にすぎない。売却価格ベースで見ると、優先元本が無傷で残る防衛線は「借入11億円+優先4億円=15.0億円」。これは取得価格14.8億円とほぼ同じ水準である。言い換えれば、個人投資家の財布が無傷でいられるのは、土地が取得価格並み以上で売れた場合に限られる。悲観シナリオで当初の諸費用が先行して消費されていれば、書面上の2,110万円の緩衝すら機能しない可能性がある。
契約上の注意点
- 第1号事業・倒産隔離なし:分別管理は信託法上のものではなく、事業者が破産すれば保全されないと書面に明記されている。
- 延長リスクと借入期限のズレ:契約は最大1年延長できるが、借入期間は1年(予定)。延長局面ではリファイナンス(借換え)が必要になり、地上権の満了(2028年2月)も延長期間内に到来する。
- 出口に「自己取得・他ファンドへの組入れ」:売却が困難な場合、事業者の固有財産または他の不動産特定共同事業の財産とする選択肢が書面にある。価格の第三者検証がない中での利益相反リスクになる。
- 借入条件は未確定:借入先・金利・手数料は「10月下旬決定予定」。条件が悪化すれば劣後の追加拠出額が膨らむ。
- 中途解約・譲渡手数料3%:元本毀損時の緊急脱出にもコストがかかる。
結論
14%の高利回りは、取得価格並みで売れて初めて元本が守られる薄氷の構造と表裏一体である。事業者の売却力と財務体力に賭けられる余剰資金に限定すべき案件と、RE:Insight AIは判断する。
⚠️ 免責事項:本記事はRE:Insight AIが公開情報・PDF書面を元に自動生成したファンド紹介・分析情報です。 投資助言には該当しません。投資判断は必ずご自身の責任のもとで行い、各事業者の公式情報を直接ご確認ください。