ホーム TORCHES No.48 世田谷区奥沢7丁目ファンド

No.48 世田谷区奥沢7丁目ファンド

TORCHES ・ 分析日: 2026年07月08日 ・ RE:Insight AI
公式サイトで最新の募集状況を確認 ↗ この評価の算出方法(評価手法)›

総評

利回り16%という甘美な果実の正体は、劣後比率わずか1.0%——物件価格が1%下落した瞬間に優先出資者の元本が直撃を受ける紙一重の構造。鑑定評価なし、NOI非開示、配当原資は売却益100%依存。自由が丘の地価上昇を信じるなら賭けられるが、10ヶ月で権利調整・解体・売却の三段跳びを決められるか、冷静な見極めが必要。

インカム型高利回り運用10.5ヶ月
予定利回り
16.0%
運用期間
10.5ヶ月
募集総額
3.7億円
劣後比率
1.0%
所在地
世田谷区奥沢7丁目11番地1号
種別
不動産
▶ 公式サイトで詳細を見る
4.0
収益性
2.5
透明性
2.0
元本安全性
3.3
事業者信頼性

ポイント

劣後比率1.0%は「保険」ではなく「お守り」程度

劣後出資額は378万円。物件価格3.78億円に対し、わずか1%の下落で劣後バッファは消滅する。これは「元本保全」ではなく「気持ち程度の緩衝材」と理解すべきだ。物件価格が1%下落すれば378万円の損失が発生し、優先出資者の元本が直撃を受ける。築35年のRC造を解体前提で取得するファンドにおいて、この薄さは心許ない。

親会社からの取得価格に22%のプレミアム

契約書面には「利害関係人であるエムトラスト株式会社から取得予定額3億860万円」と明記されている。一方、ファンドの対象不動産価格は3.78億円。差額6,940万円(約22.5%)がどこに消えるのか。組成報酬(優先出資総額の1%=約374万円)を差し引いても6,500万円以上の乖離がある。この差額が「権利調整・解体費用の見込み」なのか「事業者の利益」なのか、書面からは判然としない。

鑑定評価なしで3.78億円の妥当性は検証不能

書面には「不動産鑑定士による鑑定評価は未取得」と明記。価格算定は「外部への調査、類似エリア、類似物件との取引事例の比較等により妥当性を判断」とあるが、第三者による客観的な価格検証がない。世田谷区奥沢の一低層94坪という希少性は認めるが、その希少性に3.78億円の値札が妥当かどうかは、投資家自身が判断するしかない。

配当原資は100%売却益依存のハイリスク構造

書面記載の賃料収入は月額78万円(年間約937万円)だが、「立退き予定」と明記されている。つまり運用期間中の賃料収入はゼロに近く、配当原資は売却益のみ。権利調整→立退き完了→解体→更地売却という複数のハードルを10ヶ月で越えなければならない。いずれかで躓けば、運用期間延長(最大2年)か、売却価格の妥協を迫られる。

自由が丘再開発の波及効果は「期待」であり「確約」ではない

サイトでは「自由が丘駅周辺の再開発」「地価10年で56.1%上昇」を強調するが、本物件は自由が丘駅から徒歩8分、九品仏駅から徒歩7分の位置。再開発の直接的な恩恵を受けるのは駅前商業地区であり、一低層住専の住宅地への波及効果は限定的と見るべきだ。地価上昇トレンドは事実だが、それが「今後も続く」保証はない。

物件概要

項目 内容
所在地 東京都世田谷区奥沢七丁目11番33・11番1
物件種別 共同住宅(解体予定)
構造 鉄筋コンクリート造陸屋根2階建
築年月 平成2年1月8日(築36年)
土地面積 314.03㎡(約95坪)
延床面積 231.86㎡
テナント 4件+駐車場2台(全て立退き予定)
稼働率 立退き予定のため実質0%見込み

収益構造とNOI分析

  • NOI(実額): 書面に運営費用の記載がなく算出できません。
  • 賃料収入: 月額781,797円(年間約937万円)だが「立退き予定」と明記
  • 配当原資: キャピタルゲイン型(売却益100%依存)

本ファンドは「権利調整・解体・更地売却」を前提としており、運用期間中の賃料収入は配当原資として計上されていない。予定利回り16%を実現するには、3.78億円の取得価格に対し、約6,000万円の売却益(優先出資者への配当分)を確保する必要がある。

仮に更地として売却する場合、土地価格は以下の推計となる:

  • 土地面積: 314.03㎡
  • 周辺公示地価(世田谷-24): 106万円/㎡(2026年)
  • 推計土地価格: 約3.33億円

取得価格3.78億円に対し、土地推計価格3.33億円では約4,500万円の逆ザヤ。16%利回りを実現するには、土地を4.38億円以上(㎡単価139万円以上)で売却する必要があり、現在の公示地価から31%以上のプレミアムが必要となる。

市場価格検証

比較項目 ファンド物件 近隣取引中央値 乖離率
㎡単価(建物込み) 163万円/㎡ 100万円/㎡ +63%
取引価格 3.78億円 9,611万円(平均) +293%

近隣取引データは区分マンションが中心であり、一棟物件・土地との直接比較は困難。ただし、世田谷区の中古マンション㎡単価中央値100万円に対し、本物件の取得価格は㎡単価163万円(建物込み)と63%高い。

一低層住専の94坪という希少性を考慮しても、解体前提の築36年建物に163万円/㎡は強気の価格設定。更地渡しを前提とした開発用地としての評価が妥当だが、その場合は解体費用(推定1,500〜2,000万円)を差し引いた実質取得価格で判断すべきだ。


土地評価と出口シナリオ

土地評価(推計)

  • 公示地価(世田谷-24): 106万円/㎡(2026年)
  • 土地面積: 314.03㎡
  • 推計土地価格: 約3.33億円(概算)

※第一種低層住居専用地域・風致地区のため、建蔽率40%・容積率100%の制限あり。開発余地は限定的。

シナリオ 売却価格 売却益 投資家への影響
楽観(㎡140万円) 4.40億円 +6,200万円 元本全額償還+利回り16%達成
基本(㎡120万円) 3.77億円 ▲100万円 元本ほぼ全額償還・配当なし
悲観(㎡100万円) 3.14億円 ▲6,400万円 元本毀損17%(劣後で吸収不可)

楽観シナリオでは公示地価から32%のプレミアムが必要。基本シナリオでも13%のプレミアムが必要であり、「現状の地価水準で売却」では元本割れリスクが顕在化する。


ストレステスト

変動要因 変動幅 物件価値への影響 劣後バッファとの関係
土地価格▲10% 106万円→95万円/㎡ ▲3,140万円(8.3%下落) バッファ超過(378万円で吸収不可)
土地価格▲5% 106万円→101万円/㎡ ▲1,570万円(4.2%下落) バッファ超過
解体費用+500万円 1,500万円→2,000万円 実質▲500万円 バッファ超過

ストレステスト総評: 劣後出資額378万円は、物件価格3.78億円に対しわずか1.0%。物件価格が378万円(1%)下落した時点で劣後バッファは枯渇し、優先出資者の元本が毀損し始める。土地価格が5%下落しただけで約1,200万円の元本毀損が発生する計算だ。「劣後比率1.0%」は実質的に「元本保全機能なし」と同義である。


契約上の注意点

  • 関連当事者取引: 親会社エムトラスト株式会社から3億860万円で取得予定。ファンド価格3.78億円との差額6,940万円の内訳は不明確
  • 倒産隔離なし: 第1号事業(匿名組合型)のため、事業者破綻時に出資金は保全されない
  • 運用期間延長リスク: 売却完了しない場合、最大2年の延長が可能。資金拘束の長期化リスクあり
  • 立退き・権利調整リスク: 4件のテナント+駐車場2台の立退き完了が売却の前提条件
  • セットバック: 道路提供部分4.04㎡あり。有効面積は309.99㎡
  • 埋蔵文化財包蔵地: 奥沢台遺跡内のため、建築工事時に届出・調査が必要となる可能性

結論

利回り16%の魅力は認めるが、劣後比率1.0%・鑑定評価なし・NOI非開示・売却益100%依存という構造は、投資家に「事業者を全面的に信じる」ことを求めている。自由が丘再開発の波及効果に賭けるなら検討余地はあるが、土地価格が5%下落しただけで元本毀損が始まる脆弱な構造を理解した上で、余剰資金の範囲内で判断すべきだ。

関連リンク
この事業者のサービス評価
TORCHESの評判・実績をデータで検証|平均利回り14.5%・累計56件
AIによる横断評価レポート
平均利回り
平均運用期間
累計
サービス評価を見る →
同じ事業者の他のファンド分析
2026/09/09
No.65 Hotel Vintage 築地・神楽坂・目黒不動前 3棟ファンド
予定利回り
LTV
運用期間
2026/09/05
No.64 新潟県新潟市 系統用蓄電池用地ファンド
予定利回り
LTV
運用期間
2026/09/02
No.63 香川県三豊市 系統用蓄電池用地ファンド
予定利回り
LTV
運用期間
TORCHESのファンド分析をすべて見る →
外部リンク

TORCHES 公式サイト

最新の募集状況・契約成立前書面・重要事項説明書は必ず公式サイトでご確認ください。

公式サイトを見る →

⚠️ 免責事項:本記事はRE:Insight AIが公開情報・PDF書面を元に自動生成したファンド紹介・分析情報です。 投資助言には該当しません。投資判断は必ずご自身の責任のもとで行い、各事業者の公式情報を直接ご確認ください。