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SMART FUND137号(愛知県豊明市前後町、瀬戸市西松山町【第2期】)

TSON ・ 分析日: 2026年07月28日 ・ RE:Insight AI
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利回り6%の看板を掲げるが、NOI実額は霧の中。LTV60%超・劣後比率10%という薄い緩衝材で2.2億円の新築8戸を支える構図は、出口が詰まれば劣後バッファ880万円では受け止めきれない。鑑定なし、自己資本比率9.1%——数字が語る不透明さに静観が賢明。

インカム型マスターリース有利回り:平均的運用304日
予定利回り
6.0%
運用期間
304日
募集総額
8,800万円
劣後比率
10.0%
所在地
愛知県豊明市前後長鎗ヶ名1841番11
種別
不動産
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3.5
収益性
2.7
透明性
2.5
元本安全性
3.2
事業者信頼性

ポイント

利回り6%の内訳はインカム5%+キャピタル1%だが、NOI実額が検証できない

事業者はインカムゲイン5.0%・キャピタルゲイン1.0%と配当原資を明示している。しかし書面には管理費・火災保険料・固都税・維持費の記載が一切なく、NOI(純営業収益)を実額で算出できない。年間賃料収入は前後駅5戸で829.2万円、新瀬戸駅3戸で457.2万円(駐車場代除く)の合計約1,286万円と読み取れるが、運営費用を賃料の20〜30%と仮置きした推計NOIは900〜1,029万円程度にとどまる。出資総額8,800万円に対するインカム利回り5%は440万円/年の配当を意味し、推計NOIの範囲内ではあるが、実際の費用負担が重ければ配当原資は圧迫される。

鑑定評価なし・取得価格2.2億円の妥当性は「近傍類似物件」頼み

書面には「近傍の類似物件の取引実例に基づいた評価額」とあるのみで、不動産鑑定士による鑑定評価は実施されていない。新築戸建8戸で2.2億円、1戸あたり約2,760万円という価格設定は、近隣取引事例の新築木造戸建(土地+建物)3,000〜4,300万円と比較すると一見割安に見える。しかし本ファンドの土地面積は1戸あたり80〜125㎡と小ぶりであり、㎡単価ベースでは近隣相場と大差ない可能性がある。鑑定がない以上、出口での売却価格が取得価格を下回るリスクは投資家が負う。

LTV60.14%・借入金利4.40%は出口を急かす構造

借入金1.328億円に対し年利4.40%、返済期限は2031年8月。元金一括返済のため、運用期間中は利息のみ約584万円/年が流出する。賃料収入1,286万円から利息を差し引くと約700万円、ここから運営費用を控除すればインカム配当の原資は薄い。事業者が「売却活動を行いながら保有継続も含めて運用判断」と述べているが、借入金の返済順位は出資金より上位であり、売却が遅れれば投資家の元本返還は後回しになる。

マスターリース先BB保証は10年契約だが、3年毎に賃料改定条項あり

空室保証を担うBB保証はTSONグループ外の賃貸管理会社であり、関連当事者取引には該当しない。ただし契約書面には「10年契約(3年毎に賃料改定)」と明記されており、運用期間10ヶ月では改定リスクは顕在化しないものの、出口で売却できず保有継続となった場合は賃料減額交渉の可能性がある。また、BB保証の財務状況は開示されておらず、保証履行能力の検証は投資家には不可能である。

事業者TSONは202件償還・元本割れゼロだが、自己資本比率9.1%は薄い

トラックレコードは288ファンド組成・202件償還・累計償還額224億円と実績は豊富。直近期は売上51億円・純利益9,195万円と黒字転換しており、赤字体質からは脱却した。しかし自己資本比率9.1%は不動産クラファン事業者としても低水準であり、総資産61.8億円に対し純資産5.6億円という構造は、複数ファンドで同時に出口が詰まった場合の耐久力に疑問符がつく。匿名組合型のため倒産隔離はなく、事業者破綻時は一般債権者として弁済を受ける立場となる。

物件概要

項目 内容
所在地 愛知県豊明市前後町鎗ケ名(5戸)/愛知県瀬戸市西松山町一丁目(3戸)
物件種別 新築戸建賃貸住宅
構造 木造2階建て(2×4構造)
築年月 2026年5月(前後駅)/2026年7月(新瀬戸駅)
延床面積 前後駅5戸計396.97㎡/新瀬戸駅3戸計235.63㎡
テナント 株式会社BB保証(マスターリース)
稼働率 100%(マスターリース契約により保証)

収益構造とNOI分析

  • NOI(実額): 書面に運営費用の記載がなく算出できません。
  • (推計・参考値)想定NOI: 9,004,800〜10,291,200円/年/想定キャップレート: 4.08〜4.66%
  • 運営費用の一部が書面から取得できないため、賃料収入の20〜30%を運営費用の目安として控除し、利回りをレンジで推計した参考値です。実額が取得できた費用とは別枠の概算であり、本ファンド固有の一次資料に基づく確定値ではありません。
  • 配当原資: ハイブリッド型(インカム5.0%+キャピタル1.0%)

年間賃料収入の内訳:

  • 前後駅5戸: 8,292,000円/年(月額691,000円)
  • 新瀬戸駅3戸: 4,572,000円/年(駐車場代除く)
  • 合計: 12,864,000円/年

推計NOIレンジ(賃料の70〜80%): 9,004,800〜10,291,200円/年
推計キャップレート(対取得価格2.208億円): 4.08〜4.66%

事業者が提示する利回り6.0%のうちインカム5.0%は出資総額8,800万円に対し440万円/年。推計NOIの下限900万円から借入利息584万円を控除すると316万円となり、インカム配当440万円を下回る計算となる。この差額はキャピタルゲイン1.0%(88万円)で補填する設計と推測されるが、売却益が出なければ配当原資は不足する可能性がある。

市場価格検証

比較項目 ファンド物件 近隣取引中央値 乖離率
㎡単価(土地) 約97,000〜170,000円 170,588円 -43%〜±0%
取引価格(土地+建物) 約2,760万円/戸 約2,841万円 -3%

近隣取引事例(豊明市・2024年)では、新築木造戸建(土地+建物)の成約価格は3,000〜4,300万円が中心帯。本ファンドの1戸あたり取得価格2,760万円は一見割安だが、土地面積が80〜125㎡と小ぶりであることを考慮すると、㎡単価ベースでは近隣相場と同等かやや割高の可能性がある。

瀬戸市の取引データは本データセットに含まれていないため、公開取引データによる検証は実施できませんでした。一般的に瀬戸市は豊明市より地価水準が低く、1戸あたり1,037万円(3,110万円÷3戸)という設定は新築戸建としては妥当な範囲と推測される。


土地評価と出口シナリオ

土地評価(推計):

  • 前後駅5戸の土地面積合計: 450.76㎡

  • 近隣公示地価(2026年): 3.45%上昇トレンド

  • 路線価水準(推計): 80,000〜100,000円/㎡

  • 土地持分相当額(概算): 3,600〜4,500万円

  • 新瀬戸駅3戸の土地面積合計: 340.50㎡

  • 路線価水準(推計): 60,000〜80,000円/㎡

  • 土地持分相当額(概算): 2,000〜2,700万円

  • 土地持分合計(概算): 5,600〜7,200万円

シナリオ キャップレート 想定売却価格 投資家への影響
楽観 4.0% 2.52億円 元本全額償還+キャピタル配当
基本 4.5% 2.24億円 元本全額償還(キャピタル配当は微小)
悲観 5.5% 1.84億円 劣後バッファ超過・元本毀損リスク

基本シナリオでは取得価格2.208億円とほぼ同額での売却となり、借入金1.328億円を返済後の残余は8,800万円。出資総額と同額であり、キャピタル配当の余地は限定的。悲観シナリオでは売却価格1.84億円から借入金を返済すると残余は5,120万円となり、出資総額8,800万円に対し3,680万円の毀損。劣後出資880万円では吸収しきれず、優先出資者にも2,800万円(約35%)の元本毀損が及ぶ計算となる。


ストレステスト

変動要因 変動幅 物件価値への影響 劣後バッファとの関係
キャップレート+1% 4.5%→5.5% ▲4,000万円(18%下落) バッファ超過
空室率+10% 0%→10% NOI▲129万円 配当原資圧迫
賃料下落10% 1,286万円→1,157万円 NOI▲129万円 配当原資圧迫

総評: 劣後出資額880万円は物件取得価格2.208億円の約4.0%に相当する。つまり物件価格が4.0%(約880万円)下落するまでは優先出資者の元本は無傷だが、それを超える下落は直接的な元本毀損につながる。新築戸建賃貸は中古市場での流動性が低く、出口で買い手がつかなければ価格下落圧力は避けられない。LTV60%超の借入構造と相まって、出口リスクは劣後比率10%が示す以上に高いと評価すべきである。


契約上の注意点

  • 匿名組合型のため倒産隔離なし: 事業者破綻時は一般債権者として弁済を受ける立場。対象不動産に投資家を抵当権者とする担保設定はない。
  • 借入金の返済順位が優先: 売却代金からまず借入金1.328億円が返済され、残余が出資者に分配される構造。
  • 契約期間延長条項あり: 売却未完了の場合、事業者判断で最大6ヶ月延長可能。延長期間中の追加配当は保証されていない。
  • 自己取引: 対象不動産はTSON自身が保有する物件を匿名組合勘定に移管するもの。取得価格の妥当性は第三者鑑定で検証されていない。
  • マスターリース賃料改定条項: 3年毎の賃料改定が契約に明記されており、長期保有となった場合は賃料減額リスクがある。

結論

利回り6.0%・新築戸建・マスターリース付きという表面的な安心材料は揃うが、NOI非開示・鑑定評価なし・LTV60%超という構造的な不透明さが投資判断を曇らせる。事業者TSONの実績は評価できるものの、自己資本比率9.1%という薄い財務基盤は複数ファンド同時の出口詰まりに耐えられるか疑問が残る。余剰資金での分散投資先としては検討可能だが、集中投資には向かない案件である。

関連リンク
外部リンク

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