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利回り5.5%の新築戸建3棟、だが鑑定なし・NOI非開示・建築中という三重のベールに包まれた6,860万円。劣後10.1%は薄い盾に過ぎず、自己資本比率9.1%で290件を回す綱渡りの先に待つのは第2期頼みの出口。透明性なき船出。
ポイント
鑑定評価なしで6,860万円の妥当性は検証不能
本ファンドの物件取得価格6,860万円は「近傍の類似物件の取引実例に基づいた評価額」とされるが、不動産鑑定士による鑑定評価は実施されていない。新築戸建3棟(延床面積計232.93㎡、土地面積計324.41㎡)という規模感に対し、第三者による価格検証がないまま投資家資金が投入される構造だ。事業者の「言い値」を信じるしかない状況は、透明性の観点から大きなマイナス要因となる。
NOI非開示で配当原資の実現可能性が不透明
書面には年間賃料4,032,000円(月額336,000円×12ヶ月)の記載があるが、管理費・火災保険料・固都税などの運営費用は一切開示されていない。NOIが算出できないため、インカムゲインによる配当原資の裏付けを検証することが不可能だ。ハイブリッド型を謳いながら、賃料収入がどの程度配当に回るのか、売却益にどれだけ依存するのかが見えない。投資家は「ブラックボックス」に資金を投じることになる。
マスターリース先BB保証はTSONグループ内取引
空室保証を担う株式会社BB保証は、書面上「賃貸管理業」とされるが、TSONの関連会社である。グループ内でリスクを回しているだけであり、外部の独立した保証会社による信用補完とは性質が異なる。TSON本体が財務的に行き詰まれば、BB保証の保証能力も連動して毀損するリスクがある。サイトでは「外部の保証会社による空室保証付」と記載されているが、書面を読めばグループ内取引であることは明白だ。
自己資本比率9.1%で290件のファンドを回す綱渡り
TSONの直近財務データによれば、自己資本比率は9.1%と極めて薄い。総資産61.8億円に対し純資産5.6億円という構造は、不動産クラファン事業者として許容範囲内とはいえ、290件のファンドを同時に運営するには心許ない。2025年度は当期純利益9,195万円と黒字転換を果たしたが、1件でも大型の元本毀損が発生すれば、純資産を大きく削る可能性がある。202件の償還実績は評価できるが、残り86件のアクティブファンドを無事に着地させられるかは未知数だ。
建築中物件への出資は完成リスクを負う
本ファンドは「開発型」であり、2026年11月竣工予定の建物に対して8月から出資を募る構造だ。建築確認許可は取得済みとされるが、資材高騰・工期遅延・施工不良などの建築リスクは投資家が負担することになる。180日という短期運用は「第1期」と位置づけられ、売却は「第2期以降」に先送りされている。つまり、本ファンドの償還時点では建物が完成しているかどうかすら不確実であり、出口戦略の具体性に欠ける。
物件概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 岐阜県岐阜市柳津町高桑一丁目151番の一部 |
| 物件種別 | 戸建賃貸住宅(3棟) |
| 構造 | 木造2階建て(2×4構造) |
| 築年月 | 2026年11月予定(新築) |
| 延床面積 | 232.93㎡(3棟合計:77.02㎡+77.02㎡+78.89㎡) |
| 土地面積 | 324.41㎡(3筆合計:108.63㎡+108.56㎡+107.22㎡) |
| テナント | 株式会社BB保証(予定) |
| 稼働率 | 建物竣工前につき記載なし |
収益構造とNOI分析
本ファンドの配当原資は「ハイブリッド型」とされ、賃料収入(インカムゲイン)と売却益(キャピタルゲイン)の両方を想定している。
- NOI(実額): 書面に運営費用の記載がなく算出できません。
- (推計・参考値)想定NOI: 2,822,400〜3,225,600円/年/想定キャップレート: 4.1〜4.7%
- 運営費用の一部が書面から取得できないため、賃料収入の20〜30%(実支出ベース。減価償却・借入金利は含まない)を運営費用の目安として控除し、利回りをレンジで推計した参考値です。実額が取得できた費用とは別枠の概算であり、根拠は賃貸管理事業者による一般的な費用目安および国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」等に基づきます。本ファンド固有の一次資料に基づく確定値ではありません。
- 配当原資: ハイブリッド型
収益構造の問題点
年間賃料4,032,000円に対し、予定利回り5.5%で優先出資者に分配される金額は約170万円(6,170万円×5.5%×180日/365日)程度。推計NOIの下限2,822,400円でも賃料収入から配当を賄える計算にはなるが、これはあくまで費用を一律20〜30%と仮置きした概算に過ぎない。新築物件の初年度は固都税の軽減措置があるとはいえ、管理費・保険料の実額が不明なまま「配当原資は十分」と断言することはできない。
さらに、本ファンドは180日運用の「第1期」であり、売却益の実現は「第2期以降」に先送りされている。つまり、本ファンドの配当原資は実質的に賃料収入のみに依存する可能性が高い。ハイブリッド型を謳いながら、キャピタルゲインの恩恵を受けられるのは第2期以降の投資家という構造だ。
市場価格検証
| 比較項目 | ファンド物件 | 近隣取引中央値 | 乖離率 |
|---|---|---|---|
| 土地㎡単価 | 約211,000円 | 68,182円 | +209% |
| 総額 | 68,600,000円 | 20,849,509円 | +229% |
分析
ファンドの物件取得価格6,860万円を土地面積324.41㎡で割ると、土地㎡単価は約211,000円となる。これは岐阜市内の近隣取引中央値68,182円の約3倍に相当する。
ただし、この乖離には合理的な理由がある。本ファンドは「土地+新築建物」のパッケージであり、近隣取引データの多くは「土地のみ」または「中古建物付き土地」である。新築戸建3棟の建築費を考慮すれば、6,860万円という価格設定は必ずしも割高とは言えない。
参考として、近隣の新築戸建取引事例を見ると、茜部本郷の2024年築軽量鉄骨造(土地135㎡・建物105㎡)が5,000万円、光樹町の2024年築木造(土地240㎡・建物120㎡)が4,200万円で取引されている。本ファンドの1棟あたり約2,287万円(6,860万円÷3棟)は、これらと比較してやや割安な水準とも言える。
しかし、鑑定評価がない以上、この価格の妥当性を第三者が検証することは不可能だ。事業者の「言い値」を信じるしかない状況は変わらない。
土地評価と出口シナリオ
土地評価(推計)
岐阜市柳津町高桑一丁目の公示地価・路線価データは限定的だが、近隣の住宅地取引事例から土地㎡単価4〜6万円程度と推計される。土地面積324.41㎡に対し、土地持分相当額は概算で1,300〜1,950万円程度。残りの4,900〜5,560万円が建物価値に相当する計算となる。
出口シナリオ
| シナリオ | キャップレート | 想定売却価格 | 投資家への影響 |
|---|---|---|---|
| 楽観 | 4.0% | 約1億円 | 元本全額償還+キャピタル配当 |
| 基本 | 5.0% | 約8,000万円 | 元本全額償還 |
| 悲観 | 6.5% | 約6,200万円 | 劣後出資で吸収可能か要検討 |
ただし、本ファンドは180日運用の「第1期」であり、売却は「第2期以降」に先送りされている。上記シナリオは第2期以降の投資家にとっての出口であり、本ファンドの投資家は建物完成時点での「中間評価」を受けることになる。第1期から第2期への移行がスムーズに行われるかどうかは、事業者の運営能力に依存する。
ストレステスト
| 変動要因 | 変動幅 | 物件価値への影響 | 劣後バッファとの関係 |
|---|---|---|---|
| キャップレート+1% | 5.0%→6.0% | ▲約1,140万円(17%下落) | バッファ内 |
| 空室率+10% | 0%→10% | NOI▲約40万円 | 影響軽微 |
| 賃料下落10% | 336,000円→302,400円 | NOI▲約40万円 | 影響軽微 |
総評
劣後出資額690万円は物件取得価格6,860万円の約10.1%に相当する。物件価格が10.1%(約693万円)下落するまでは、優先出資者の元本は毀損しない計算だ。キャップレートが1%上昇した場合の価値下落は約17%と試算され、劣後バッファを超過するリスクがある。
ただし、新築戸建賃貸という希少性の高い物件カテゴリーであり、築浅期間中の大幅な価値下落は考えにくい。むしろリスクは、建築中の工期遅延や施工不良、あるいは事業者の財務悪化による連鎖的な影響にある。
契約上の注意点
-
倒産隔離なし: 第1号事業(匿名組合型)であり、TSON本体が破綻した場合、出資金は保全されない。信託法第34条の分別管理とは異なる旨が明記されている。
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関連当事者取引: マスターリース先のBB保証、物件の取得元(TSON自己保有物件)ともにグループ内取引。利益相反のリスクが内在する。
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契約期間延長条項: 売却が完了しない場合、6ヶ月を超えない範囲で契約期間を延長可能。180日運用が最大360日に延びる可能性がある。
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中途解約の制限: やむを得ない事由がない限り中途解約は認められない。流動性は極めて低い。
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アップフロントフィー: 組成時に調達額の年利2.2%相当(実質1.08%)が控除される。表面利回り5.5%から実質的な手取りは低下する。
結論
新築戸建賃貸という希少性と202件の償還実績は評価できるが、鑑定評価なし・NOI非開示・グループ内取引という三重の不透明さが投資判断を曇らせる。自己資本比率9.1%の薄い財務基盤で290件のファンドを回す事業者リスクを許容できる余剰資金での参加に留めるべき。
⚠️ 免責事項:本記事はRE:Insight AIが公開情報・PDF書面を元に自動生成したファンド紹介・分析情報です。 投資助言には該当しません。投資判断は必ずご自身の責任のもとで行い、各事業者の公式情報を直接ご確認ください。