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利回り5.5%・劣後10%という看板の裏で、7,890万円の価格妥当性を担保する鑑定評価は存在しない。空室保証の担い手は自己資本比率9.1%のグループ会社。180日後の売却益に賭けるなら、財布の奥底ではなく手前のポケットから。
ポイント
鑑定評価なしで7,890万円の妥当性は検証不能
本ファンドの物件取得価格7,890万円は「近傍の類似物件の取引実例に基づいた評価額」とされているが、不動産鑑定士による鑑定評価は実施されていない。新築メゾネット4戸・延床302㎡という物件に対し、第三者による価格の妥当性検証がないまま、事業者の自己評価額で組成されている。投資家は「事業者が言う価格」を信じるしかない構造だ。
大垣市の近隣取引データでは、土地の㎡単価中央値は約4.8万円。本物件の土地面積449.91㎡に当てはめると土地相当額は約2,160万円となり、建物相当額は約5,730万円と推計される。新築木造2階建て302㎡の建築費として妥当な範囲ではあるが、鑑定なしでは「割高でない」と断言する根拠がない。
マスターリース先はグループ会社、空室保証の実効性に疑問符
テナントとして記載されている「株式会社BB保証」は、TSONのグループ会社である。サイトでは「外部の保証会社による空室保証付」と謳っているが、実態はグループ内取引だ。親会社TSONの自己資本比率は9.1%と薄く、グループ全体の財務体力が揺らげば、空室保証の履行能力も連動して低下する。
年間賃料451.2万円(月額37.6万円×12ヶ月)は、メゾネット4戸で1戸あたり月額9.4万円。大垣市の賃貸相場としては妥当な水準だが、マスターリース契約は「建物着工後に契約締結を行うため、予定する契約内容を記載」と明記されており、現時点では契約未締結だ。
180日の短期運用、配当原資は売却益に依存
本ファンドは「ハイブリッド型」とされているが、実態は開発型ファンドの第1期であり、180日後の売却益を前提としたキャピタル型に近い。書面には「第2期以降にて売却を想定したスキーム」と明記されており、本ファンド単体での売却完了は保証されていない。
インカムゲインとしての賃料収入は年間451.2万円だが、運用期間180日では約225万円。優先出資者への配当原資(年利5.5%×7,100万円×180日÷365日≒192万円)は賃料収入で賄える計算だが、元本償還は売却益に依存する。売却が遅延すれば、最大6ヶ月の契約延長が発動される。
事業者の財務基盤は薄いが、トラックレコードは堅実
TSONは204件のファンドを償還済みで、元本割れ・償還遅延ともにゼロという実績を持つ。これは不動産クラファン業界では上位の実績だ。一方、自己資本比率9.1%は業界平均を下回り、純資産5.6億円に対して総資産61.8億円と高レバレッジ経営を続けている。
2025年度は売上高51億円・純利益9,195万円と黒字転換しており、収益性は改善傾向にある。ただし、不動産クラファン事業者の財務は「ファンドが回り続ける限り」健全に見える構造であり、市況悪化時の耐久力は未知数だ。
サイトの「希少価値」アピールと書面の乖離
サイトでは「賃貸市場に約3.7%しかない希少価値のあるメゾネットタイプ」と強調しているが、書面にはメゾネットの希少性を裏付けるデータは一切記載されていない。また「最近隣エリアの公示地価は2.21%の上昇」とあるが、これは大垣市全体の傾向であり、本物件所在地(室村町)の個別地価動向は不明だ。
事業者のナラティブは「新築・メゾネット・地価上昇・空室保証」と投資家の安心感を誘う構成だが、書面ベースで検証すると、鑑定なし・マスターリース未締結・グループ内保証という構造が浮かび上がる。
物件概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 岐阜県大垣市室村町二丁目128番2の一部、129番の一部 |
| 物件種別 | 共同住宅(メゾネット型賃貸住宅) |
| 構造 | 木造2階建て(2×4構造) |
| 築年月 | 2026年11月(新築) |
| 延床面積 | 302.08㎡ |
| 土地面積 | 449.91㎡ |
| テナント | 株式会社BB保証(予定) |
| 稼働率 | 建物竣工前につき記載なし |
収益構造とNOI分析
本ファンドは書面に運営費用(管理費・火災保険料・固都税等)の記載がなく、実額ベースのNOIは算出できない。
- NOI(実額): 書面に運営費用の記載がなく算出できません。
- (推計・参考値)想定NOI: 3,158,400〜3,609,600円/年
- 想定キャップレート: 物件価格7,890万円に対し、推計NOIを適用すると約4.0〜4.6%
- 運営費用の一部が書面から取得できないため、賃料収入の20〜30%を運営費用の目安として控除し、利回りをレンジで推計した参考値です。本ファンド固有の一次資料に基づく確定値ではありません。
- 配当原資: ハイブリッド型(実態はキャピタル依存)
配当原資の内訳:
- インカムゲイン: 年間賃料451.2万円のうち、180日分は約225万円。優先出資者への配当(約192万円)は賃料収入で賄える。
- キャピタルゲイン: 元本償還は売却益に依存。売却価格が取得価格7,890万円を下回れば、劣後出資(790万円)から損失を吸収する構造。
市場価格検証
| 比較項目 | ファンド物件 | 近隣取引中央値 | 乖離率 |
|---|---|---|---|
| 土地㎡単価 | 約4.8万円(推計) | 4.8万円 | ±0% |
| 建物込み総額 | 7,890万円 | 1,894万円(土地建物平均) | +317% |
近隣取引データの土地建物平均価格は約1,894万円だが、これは中古戸建てや小規模物件が中心であり、新築4戸のメゾネット賃貸住宅との直接比較は困難だ。
参考として、大垣市鶴見町のRC造共同住宅(築24年・延床1,500㎡)が2億円で取引されており、㎡単価は約13.3万円。本ファンドの物件は新築木造302㎡で7,890万円、㎡単価は約26.1万円となる。新築プレミアムを考慮しても、やや高めの価格設定と推測されるが、鑑定評価がないため断定はできない。
土地評価と出口シナリオ
大垣市室村町周辺の公示地価は、サイト記載によると2026年時点で2.21%上昇とされている。土地面積449.91㎡に対し、近隣取引の㎡単価中央値4.8万円を適用すると、土地相当額は約2,160万円と推計される。
| シナリオ | キャップレート | 想定売却価格 | 投資家への影響 |
|---|---|---|---|
| 楽観 | 4.0% | 約9,000万円 | 元本全額償還+キャピタル配当 |
| 基本 | 4.5% | 約8,000万円 | 元本全額償還 |
| 悲観 | 5.5% | 約6,500万円 | 劣後出資790万円で吸収可能か微妙 |
悲観シナリオでは、売却価格が取得価格7,890万円を約1,390万円下回る。劣後出資790万円では吸収しきれず、優先出資者にも約600万円の損失が及ぶ計算となる。
ストレステスト
| 変動要因 | 変動幅 | 物件価値への影響 | 劣後バッファとの関係 |
|---|---|---|---|
| キャップレート+1% | 4.5%→5.5% | ▲約1,400万円(約18%下落) | 劣後790万円を超過 |
| 空室率+25%(1戸空室) | 0%→25% | NOI▲約90万円/年 | 売却価格に影響 |
| 賃料下落10% | 37.6万円→33.8万円 | NOI▲約45万円/年 | 売却価格に影響 |
劣後出資額790万円÷物件取得価格7,890万円=約10.0%。物件価格が10%(約789万円)下落するまでは優先出資者の元本は保全される。ただし、キャップレートが1%上昇するだけで約18%の価格下落が発生し、劣後バッファを突破する。新築物件の出口リスクは、市況変動に対して脆弱だ。
契約上の注意点
- 第1号事業(倒産隔離なし): TSONが破綻した場合、ファンド資産は破産財団に組み込まれ、投資家は一般債権者として弁済を受ける。
- マスターリース未締結: テナント契約は「建物着工後に契約締結を行うため、予定する契約内容を記載」と明記。現時点では賃料保証の法的拘束力がない。
- グループ内取引: マスターリース先のBB保証はTSONグループ会社。空室保証の実効性は親会社の財務状況に依存。
- 契約延長条項: 売却が完了しない場合、最大6ヶ月の契約延長が可能。投資家の同意なく延長される。
- アップフロントフィー: 組成時に調達額の年利2.2%相当(約77万円)が控除される。実質的な運用元本は約7,023万円。
結論
新築メゾネット×グループ内マスターリースという構造は、事業者にとって都合の良いスキームだが、投資家にとっては鑑定なし・契約未締結・倒産隔離なしという三重のリスクを負う。TSONの204件償還実績は評価できるが、自己資本比率9.1%の財務基盤で180日後の売却益を前提とするファンドに全額を賭けるのは、余剰資金の範囲に留めるべきだ。
⚠️ 免責事項:本記事はRE:Insight AIが公開情報・PDF書面を元に自動生成したファンド紹介・分析情報です。 投資助言には該当しません。投資判断は必ずご自身の責任のもとで行い、各事業者の公式情報を直接ご確認ください。