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築2年・稼働率100%・年間保証賃料880万円──数字だけ見れば堅実なインカム型。だが鑑定評価なし、NOI実額は闇の中、出口は「売れなければ自社保有」という逃げ道付き。劣後10.1%は標準的でも、情報開示の薄さが足を引っ張る。
ポイント
空室保証付きインカム型だが、NOI実額は闇の中
本ファンドは「完全インカム型」を謳い、配当原資は全て賃料収入で賄うと明言している。マスターリース先の株式会社ブルーボックスが年間880万円(月額約73.3万円)の保証賃料を支払う契約であり、空室リスクは形式上ヘッジされている。しかし書面には管理費・火災保険料・固都税といった運営費用の実額が一切記載されておらず、NOIを確定できない。賃料の20〜30%を費用と仮置きした推計では、NOIは616〜704万円/年、キャップレートは5.7〜6.6%程度となるが、これはあくまで参考値。実際の費用が重ければ配当原資は圧迫される。
鑑定評価なしの1億720万円、近隣相場との乖離は?
物件取得価格は1億720万円。書面には「近傍の類似物件の取引実例に基づいた評価額」とあるが、不動産鑑定士による鑑定評価は受けていない。近隣取引データを見ると、岸岡町の土地単価は㎡あたり4.4〜5.6万円程度。本ファンドの土地面積は合計約1,047㎡であり、土地だけで4,600〜5,800万円程度と推計される。残り5,000〜6,000万円が建物価値となるが、築2年の木造2棟13戸としては妥当な水準か。ただし第三者鑑定がない以上、この価格が「高いか安いか」を客観的に検証する術がない。
出口戦略は「売却しつつ自社保有も視野」という玉虫色
事業者は「売却活動をしつつ、安定家賃が入ってきますので当社で保有し続けることも視野に入れております」と記載している。これは投資家にとって安心材料にも不安材料にもなりうる。売却できなければ自社で買い取るという暗黙の保証にも読めるが、逆に言えば「売れなくても延長すればいい」という逃げ道でもある。契約書面には6ヶ月を超えない範囲での延長条項が明記されており、最悪16ヶ月の拘束を覚悟する必要がある。
マスターリース先ブルーボックスの信用力が生命線
配当原資の全てを握るのはマスターリース先の株式会社ブルーボックス。愛知県稲沢市に本社を置く賃貸管理会社だが、上場企業ではなく財務情報は非公開。契約満了日は2028年4月14日でファンド運用期間をカバーしているが、同社が経営破綻すれば保証賃料の支払いは止まる。書面には「支払保証契約」とあるが、保証会社の信用リスクは投資家が負う構造。この点は「空室保証付き」という甘い言葉の裏側にある現実だ。
TSONの実績は堅調だが、自己資本比率9.1%は薄氷
事業者の株式会社TSONは207件のファンドを償還済み、元本割れ・遅延ゼロという実績を持つ。ただし直近の自己資本比率は9.1%と低水準。不動産クラファン事業者としては珍しくないが、2024年度の純利益5,736万円、2025年度9,195万円と黒字転換しているとはいえ、純資産5.6億円に対して総資産61.8億円という高レバレッジ経営であることは認識しておくべき。第1号事業(匿名組合型)のため倒産隔離はなく、TSON本体の信用リスクがそのまま投資家に跳ね返る。
物件概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 三重県鈴鹿市岸岡町字北山越 |
| 物件種別 | 共同住宅(メゾネット型賃貸住宅)2棟13戸 |
| 構造 | 木造2階建て(2×4構造) |
| 築年月 | 2023年3月(築約2年5ヶ月) |
| 延床面積 | B棟280.87㎡ + C棟327.9㎡ = 608.77㎡ |
| 土地面積 | B棟530.62㎡ + C棟516.00㎡ = 1,046.62㎡ |
| テナント | 株式会社ブルーボックス(マスターリース) |
| 稼働率 | 100%(直前5年平均95.78%) |
| 太陽光発電 | 19.88kW搭載 |
収益構造とNOI分析
本ファンドは「完全インカム型」を標榜し、配当原資は全て賃料収入で賄う構造。
- NOI(実額): 書面に運営費用の記載がなく算出できません。
- (推計・参考値)想定NOI: 6,160,378〜7,040,432円/年
- (推計・参考値)想定キャップレート: 5.7〜6.6%
- 運営費用の一部が書面から取得できないため、賃料収入の20〜30%を運営費用の目安として控除し、利回りをレンジで推計した参考値です。本ファンド固有の一次資料に基づく確定値ではありません。
- 配当原資: インカムゲイン型
配当原資の検証
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 年間マスターリース賃料 | 8,800,540円 |
| 優先出資者への配当(6.0%×10ヶ月) | 約4,820,000円 |
| アップフロントフィー(2.2%相当) | 約1,767,330円 |
賃料収入880万円から配当482万円とフィー177万円を差し引くと、約221万円の余剰が生じる計算。ただしここから管理費・保険料・固都税等の運営費用を支払う必要があり、実際の余剰は不明。推計ベースでは運営費用176〜264万円となり、ギリギリ回る水準か、あるいは赤字の可能性もある。
市場価格検証
| 比較項目 | ファンド物件 | 近隣取引中央値 | 乖離率 |
|---|---|---|---|
| 土地㎡単価 | 約51,000円(推計) | 45,000〜56,000円 | ±10%程度 |
| 総取得価格 | 107,200,000円 | データ不足 | 検証困難 |
近隣の岸岡町における土地取引事例では、㎡単価4.4〜5.6万円の範囲で取引されている。本ファンドの土地面積1,047㎡に適用すると、土地価値は4,600〜5,900万円程度。残り5,100〜6,600万円が建物価値となる。
築2年の木造2棟13戸(延床609㎡)の建物価値として、㎡単価8.4〜10.8万円は新築木造アパートの建築単価(㎡10〜15万円)と比較して妥当な減価水準。ただし鑑定評価がないため、この推計の精度には限界がある。
土地評価と出口シナリオ
土地評価(概算)
三重県鈴鹿市岸岡町の公示地価・路線価データは限定的だが、近隣取引事例から㎡単価5万円前後と推計。土地面積1,047㎡に適用すると、土地持分相当額は約5,200万円(概算)。
| シナリオ | キャップレート | 想定売却価格 | 投資家への影響 |
|---|---|---|---|
| 楽観 | 5.5% | 約1.2億円 | 元本全額償還+キャピタル配当 |
| 基本 | 6.5% | 約1.0億円 | 元本全額償還 |
| 悲観 | 8.0% | 約8,000万円 | 劣後出資で吸収可能か要検討 |
基本シナリオでは取得価格とほぼ同水準での売却を想定。悲観シナリオでは約2,700万円の価格下落となり、劣後出資1,080万円では吸収しきれず、優先出資者にも約1,600万円の損失が及ぶ可能性がある。
ストレステスト
| 変動要因 | 変動幅 | 物件価値への影響 | 劣後バッファとの関係 |
|---|---|---|---|
| キャップレート+1% | 6.5%→7.5% | ▲約1,200万円(11%下落) | バッファ内 |
| キャップレート+2% | 6.5%→8.5% | ▲約2,200万円(21%下落) | バッファ超過 |
| 賃料下落10% | 880万円→792万円 | NOI▲約88万円 | 配当原資圧迫 |
| ML先破綻 | 保証賃料消失 | 配当原資消失 | 重大リスク |
劣後出資額1,080万円を物件取得価格1億720万円で割ると、約10.1%の下落まで優先出資者の元本は保護される計算。キャップレートが1%上昇する程度なら劣後バッファ内に収まるが、2%以上の上昇や賃料下落が重なると元本毀損リスクが顕在化する。
契約上の注意点
- 倒産隔離なし: 第1号事業(匿名組合型)のため、TSON本体が破綻した場合、出資金は破産財団に組み込まれ、一般債権者として弁済を受ける立場となる。
- 自己取引: 対象不動産はTSON自身が保有する物件を匿名組合勘定に移管するもの。取得価格の妥当性を第三者が検証していない。
- マスターリース先リスク: 配当原資の全てを株式会社ブルーボックスの支払能力に依存。同社の財務情報は非公開。
- 延長条項: 売却が完了しない場合、6ヶ月を超えない範囲で契約期間を延長可能。最長16ヶ月の拘束リスク。
- 譲渡制限: 出資持分の譲渡には事業者の事前承諾が必要。流動性は極めて低い。
結論
空室保証付きの安定型インカムファンドとして設計されているが、NOI実額非開示・鑑定評価なしという情報の薄さが判断を難しくしている。マスターリース先の信用力とTSON本体の財務健全性を信じられるなら、余剰資金での参加は検討に値する。
⚠️ 免責事項:本記事はRE:Insight AIが公開情報・PDF書面を元に自動生成したファンド紹介・分析情報です。 投資助言には該当しません。投資判断は必ずご自身の責任のもとで行い、各事業者の公式情報を直接ご確認ください。