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SMART FUND149号(東京都小平市鷹の台駅A棟)

TSON ・ 分析日: 2026年09月25日 ・ RE:Insight AI
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利回り5.8%・7ヶ月運用・売却先確定済み──出口の見える短期案件は一見カタい。だが鑑定評価なし、NOI非開示、肝心の売買契約も書面に記載なしという「見えない地雷原」が足元に広がる。劣後10%は売却価格▲10%で溶ける薄氷。確認せずに飛び込むか、問い合わせてから踏み出すか。

インカム型マスターリース有利回り:平均的運用212日
予定利回り
5.8%
運用期間
212日
募集総額
7,090万円
劣後比率
10.0%
所在地
東京都小平市上水本町1丁目25番
種別
不動産
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4.0
収益性
2.6
透明性
3.3
元本安全性
3.2
事業者信頼性

ポイント

売却先確定済みが最大の安心材料だが書面に記載なし

サイトでは「買い手との売買契約を締結済み」と大きく謳っている。キャピタルゲイン型ファンドにおいて出口が確定しているのは投資家にとって朗報だ。しかし契約成立前書面・重要事項説明書を精査しても、売却先の属性・売却予定価格・契約条件への言及が見当たらない。「締結済み」が仮契約なのか本契約なのか、解除条件付きなのか、書面で確認できない以上、サイトの文言を鵜呑みにするのは危険。投資判断前に事業者へ直接確認すべきポイントだ。

鑑定評価なしで1億1,590万円の妥当性は検証困難

物件価格1億1,590万円に対し、不動産鑑定士による鑑定評価は「無」と明記されている。価格算定方法は「近傍の類似物件の取引実例に基づいた評価額」とあるが、具体的な比較対象や算式は開示されていない。新築木造3階建て・延床315.74㎡で土地183.51㎡、㎡単価で見ると建物込みで約36.7万円/㎡。近隣の土地取引事例では㎡単価22〜38万円程度が相場であり、新築建物を加味すれば極端な割高感はないが、第三者評価がない以上「事業者の言い値」を信じるしかない構造だ。

NOI実額が非開示、推計キャップレートは参考値止まり

書面には年間賃料8,928,000円(月額744,000円)が記載されているが、管理費・火災保険料・固都税といった運営費用の実額は一切開示されていない。システムが賃料の20〜30%を運営費用と仮置きして推計したNOIレンジは624〜714万円/年、推計キャップレートは5.4〜6.2%程度となる。ただしこれは一次資料に基づく確定値ではなく、実際の費用構造次第で大きく変動する。配当原資がキャピタルゲイン100%であるため、インカム利回りの裏付けは本質的に不要だが、透明性の観点では減点材料だ。

事業者TSONは黒字転換も自己資本比率9%と薄い

TSONは302件のファンド組成実績を持ち、累計償還216件で元本割れ・償還遅延ゼロを謳う。2025年度は売上51億円・純利益9,195万円と黒字転換を果たしたが、自己資本比率は9.1%と業界でも低水準。純資産5.6億円に対し総資産61.8億円という高レバレッジ体質は、不動産クラファン事業者の特性とはいえ、万一の市況悪化時には脆弱性を露呈するリスクがある。匿名組合契約のため倒産隔離はなく、事業者破綻時には出資金が保全されない点は認識しておくべきだ。

7ヶ月の短期運用は流動性リスクを軽減

運用期間は2026年10月〜2027年5月の約7ヶ月。不動産クラファンでは1〜2年が標準的な中、短期運用は資金拘束リスクを軽減する。ただし書面には「6ヶ月を超えない範囲で延長可能」との条項があり、最長で約13ヶ月まで延びる可能性がある。売却先確定済みを信じるなら延長リスクは低いが、建物完成遅延や買主都合のキャンセルが発生すれば話は変わる。短期だからこそ、出口の確実性が生命線となる。

物件概要

項目 内容
所在地 東京都小平市上水本町1丁目
物件種別 共同住宅(メゾネット型賃貸住宅)
構造 木造3階建て(2×4構造)
築年月 2027年2月予定(新築)
延床面積 315.74㎡
土地面積 183.51㎡
テナント 株式会社アップル東京(予定)
稼働率 建物竣工前につき記載なし

収益構造とNOI分析

本ファンドはキャピタルゲイン型であり、配当原資は物件売却益に100%依存する。インカムゲインは想定されていない。

  • NOI(実額): 書面に運営費用の記載がなく算出できません。
  • (推計・参考値)想定NOI: 6,249,600〜7,142,400円/年
  • (推計・参考値)想定キャップレート: 5.4〜6.2%
  • 運営費用の一部が書面から取得できないため、賃料収入の20〜30%を運営費用の目安として控除し、利回りをレンジで推計した参考値です。本ファンド固有の一次資料に基づく確定値ではありません。
  • 配当原資: キャピタルゲイン型
項目 金額
年間賃料収入 8,928,000円
管理費 書面記載なし
火災保険料 書面記載なし
固都税 書面記載なし
NOI(実額) 算出不能

サイトでは「売買契約締結済み」と明記されており、売却益の実現可能性は高いと推測される。ただし売却価格が書面に記載されていないため、キャピタルゲインの具体的な金額は不明。予定利回り5.8%(年利)を7ヶ月で按分すると約3.4%の配当が見込まれるが、これは売却益から逆算した「予定」であり、保証ではない。

市場価格検証

比較項目 ファンド物件 近隣取引中央値 乖離率
土地㎡単価 約63.2万円(推計) 約32〜38万円 +66〜97%
総額(土地+建物) 1億1,590万円 4,300〜6,100万円 +90〜170%

近隣の土地取引事例(小平市内、2024年)では、㎡単価22〜38万円が中央値帯。本物件の土地183.51㎡を仮に35万円/㎡で評価すると約6,423万円。残り約5,167万円が建物価値となり、延床315.74㎡で割ると約16.4万円/㎡。新築木造の建築コストとしては妥当な水準だが、鑑定評価がないため「適正価格」の客観的裏付けは得られない。

近隣の「宅地(土地と建物)」取引では、木造新築で4,000〜6,100万円程度が多い。ただしこれらは戸建住宅が中心であり、6戸の共同住宅とは単純比較できない。収益物件としての評価は、キャップレートと売却先の買値で決まるため、市場取引事例との乖離だけでは割高・割安を断定できない。


土地評価と出口シナリオ

小平市上水本町周辺の公示地価は、サイト記載によると2026年で前年比+3.16%上昇、2013年からの累計で+18.2%上昇とされる。東京都多摩地域の住宅地として堅調な地価推移を示している。

土地持分相当額の概算(推計):

  • 土地面積183.51㎡ × 近隣相場35万円/㎡ ≒ 6,423万円
  • 建物価値(残余法): 1億1,590万円 − 6,423万円 ≒ 5,167万円
シナリオ 想定売却価格 投資家への影響
楽観(契約どおり売却) 1億2,000万円以上 元本全額償還+予定配当5.8%
基本(取得価格同等) 1億1,590万円 元本全額償還、配当は劣後吸収
悲観(売却先キャンセル) 市場売却1億円程度 劣後710万円で吸収可能か微妙

売却先確定済みが事実であれば、楽観シナリオの蓋然性は高い。ただし建物完成前の売買契約は、完成遅延・品質問題等で解除されるリスクがゼロではない。悲観シナリオでは、劣後出資710万円(事業総額の6.12%)で吸収できる下落幅は約6%、金額にして約700万円程度。1億900万円を下回る売却となれば優先出資者の元本毀損が始まる。


ストレステスト

変動要因 変動幅 物件価値への影響 劣後バッファとの関係
売却価格▲5% 1.16億円→1.10億円 ▲580万円 劣後710万円で吸収可能
売却価格▲10% 1.16億円→1.04億円 ▲1,160万円 劣後超過、元本毀損開始
建物完成遅延3ヶ月 運用期間延長 利回り希薄化 元本影響なし

劣後出資額710万円を事業総額1億1,590万円で割ると約6.1%。物件価格が6.1%(約710万円)下落するまでは優先出資者の元本は無傷。売却先確定済みであれば価格下落リスクは限定的だが、契約解除時には市場売却となり、新築プレミアムが剥落する可能性がある。LTV38.8%(借入4,500万円)は保守的な水準であり、金融機関への返済後も優先出資者への返還原資は確保されやすい構造だ。


契約上の注意点

  • 倒産隔離なし: 匿名組合契約(第1号事業)のため、事業者破綻時には出資金が破産財団に組み込まれ、一般債権者として弁済を受ける立場となる。
  • 関連当事者取引: 対象不動産は事業者TSONの固有資産を匿名組合勘定へ振り替える自己取引。取得価格の妥当性を第三者が検証していない。
  • マスターリース先の変更可能性: 賃貸管理業務の委託先は「株式会社アップル東京(予定)」とあり、変更の可能性が明記されている。
  • 契約期間延長条項: 売却完了しない場合、6ヶ月を超えない範囲で延長可能。最長2027年11月頃まで資金拘束される可能性あり。
  • 中途解約制限: やむを得ない事由がない限り中途解約不可。流動性は極めて低い。

結論

売却先確定済みという出口の安心感と、7ヶ月の短期運用が魅力の開発型ファンド。ただし鑑定評価なし・NOI非開示・売却契約の詳細不明という情報の薄さが、透明性スコアを押し下げている。事業者TSONの実績は申し分ないが、自己資本比率9%という財務体質は万一の際の脆弱性を示唆する。余剰資金での短期運用と割り切れるなら検討価値あり、ただし「売買契約締結済み」の具体的内容は投資前に事業者へ確認すべきだ。

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