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SMART FUND150号(東京都江戸川区篠崎駅A・B棟【2期】)

TSON ・ 分析日: 2026年09月29日 ・ RE:Insight AI
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利回り6.1%・劣後10.1%・サブリース100%という三拍子は魅力的だが、足元は借地権という砂上の楼閣。鑑定なし・残存期間不明・出口は建物のみ売却。築4年の木造が10年後にいくらで売れるか、事業者の「保有継続も視野」という言葉を信じるかどうかが賭けの分かれ目。

インカム型利回り:平均的運用304日
予定利回り
6.1%
運用期間
304日
募集総額
9,350万円
劣後比率
10.1%
所在地
東京都江戸川区篠崎町1丁目82番地1、2
種別
不動産
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3.5
収益性
2.6
透明性
3.3
元本安全性
3.3
事業者信頼性

ポイント

土地は借地権、出口は「建物のみ売却」という特殊構造

本ファンド最大の特徴は、土地が「一般定期借地権」である点だ。書面には借地権の残存期間・地代・更新条件の記載がない。定期借地権は期間満了で土地を返還する契約であり、出口で売却できるのは建物のみ。築4年の木造2×4構造は減価償却が進みやすく、10年後・20年後の建物価値は急速に目減りする。事業者は「保有継続も視野」と述べるが、借地権残存期間が短ければ売却は困難になる。この構造リスクを理解せずに「東京23区」「駅徒歩13分」という立地だけで判断するのは危険だ。

鑑定評価なし、9,350万円の根拠は「近傍類似物件」のみ

物件価格9,350万円の算定根拠は「近傍の類似物件の取引実例に基づいた評価額」とあるだけで、不動産鑑定士による鑑定評価は実施されていない。借地権付き木造共同住宅という特殊な物件を、単純な取引事例比較で評価することの妥当性には疑問が残る。借地権の残存期間・地代負担・建物の収益還元価値を総合的に評価した鑑定がなければ、投資家は「高値掴み」のリスクを自ら負うことになる。

サブリース賃料は年間1,184万円、だが費用明細は一切不明

書面にはサブリース賃料(年間11,836,800円)が明記されているが、管理費・火災保険料・固定資産税・修繕積立金などの運営費用は一切開示されていない。NOIが算出できないため、利回り6.1%が賃料収入に対して適正かどうかを検証する術がない。事業者は「完全インカム型」と謳うが、費用控除後の実質利回りがいくらなのかは闇の中だ。

事業者TSONは216件償還・元本割れゼロだが財務は薄氷

TSONは303ファンドを組成し、216件を償還済み。元本割れ・償還遅延ゼロという実績は評価できる。一方、直近の自己資本比率は9.1%と低水準。純資産5.6億円に対して総資産61.8億円という高レバレッジ経営であり、不動産市況が悪化した場合の耐久力には懸念が残る。2025年度は黒字転換(純利益9,195万円)しているが、営業外費用(借入利息等)が2.6億円と重く、金利上昇局面では収益が圧迫されるリスクがある。

「篠崎駅徒歩13分」は駅近か?メゾネット需要の実態

事業者は「駅近立地」と強調するが、徒歩13分は一般的に「駅遠」の部類。メゾネットタイプは「賃貸市場に3.7%しかない希少価値」と謳うが、希少=需要旺盛ではない。ファミリー層向けメゾネットは駐車場付きが前提となることが多いが、本物件に駐車場はない。サブリースが切れた後の空室リスクは、立地・設備の両面から慎重に見積もる必要がある。

物件概要

項目 内容
所在地 東京都江戸川区篠崎町一丁目82番1・82番2
物件種別 共同住宅(メゾネットタイプ)2棟8戸
構造 木造2階建て(2×4構造)
築年月 2022年4月(築約4年)
延床面積 A棟189.94㎡ + B棟215.67㎡ = 計405.61㎡
テナント 株式会社アップル(サブリース)
稼働率 100%(サブリース契約による)
土地権利 一般定期借地権

収益構造とNOI分析

本ファンドは「完全インカム型」を標榜し、配当原資は100%賃料収入としている。

  • NOI(実額): 書面に運営費用の記載がなく算出できません。
  • (推計・参考値)想定NOI: 8,285,760〜9,469,440円/年/想定キャップレート: 8.9%〜10.1%
  • 運営費用の一部が書面から取得できないため、賃料収入の20〜30%(実支出ベース。減価償却・借入金利は含まない)を運営費用の目安として控除し、利回りをレンジで推計した参考値です。実額が取得できた費用とは別枠の概算であり、根拠は賃貸管理事業者による一般的な費用目安および国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」等に基づきます。本ファンド固有の一次資料に基づく確定値ではありません。
  • 配当原資: インカムゲイン型

収益構造の検証

項目 金額
年間サブリース賃料 11,836,800円
予定配当(優先出資×6.1%) 約5,130,100円
アップフロントフィー(年2.2%相当) 約1,850,200円
事業者取り分(劣後出資配当含む) 残額

サブリース賃料から予定配当とアップフロントフィーを差し引いても約480万円の余裕がある計算だが、ここから管理費・保険料・固都税・修繕費が控除される。費用明細が不明なため、実際のキャッシュフローマージンは検証不能。推計キャップレート8.9〜10.1%は予定利回り6.1%を上回るが、これは費用を一律20〜30%と仮置きした概算であり、配当原資の裏付けとして採用することはできない。

市場価格検証

比較項目 ファンド物件 近隣取引中央値 乖離率
㎡単価(土地建物) 約230,500円 約600,000円 ▲62%
取引価格 9,350万円 約5,850万円 +60%

近隣取引データ(江戸川区内、2024年)の中央値㎡単価は約60万円だが、これは所有権付き土地建物の価格。本ファンドは土地が借地権であり、単純比較は適切ではない。借地権付き物件は所有権物件より2〜4割安くなるのが一般的だが、本ファンドの取得価格9,350万円は近隣所有権物件の平均を上回っている。

この乖離の理由として考えられるのは:

  1. サブリース契約による安定収益のプレミアム
  2. 築浅(4年)木造のため建物価値が高い
  3. 事業者の自己取引による価格設定

いずれにせよ、鑑定評価なしでは「適正価格」の検証は不可能。投資家は事業者の価格設定を信じるしかない状況だ。


土地評価と出口シナリオ

土地評価の限界

本物件の土地は一般定期借地権であり、所有権ではない。書面には借地権の残存期間・地代・更新条件の記載がないため、土地持分相当額の算出は困難。

江戸川区篠崎町周辺の公示地価は㎡あたり約25〜30万円程度と推計されるが、借地権の場合は借地権割合(通常60〜70%)を乗じた金額が土地価値となる。仮に土地面積451.35㎡×㎡単価28万円×借地権割合65%で計算すると、借地権価値は約8,200万円。ただし定期借地権は残存期間に応じて価値が逓減するため、この数字は参考値に過ぎない。

出口シナリオ

シナリオ 想定売却価格 投資家への影響
楽観(借地権残存長・買い手あり) 9,500万円 元本全額償還+キャピタル配当
基本(事業者保有継続) 9,350万円 元本全額償還(インカムのみ)
悲観(借地権残存短・買い手なし) 7,500万円 劣後出資で吸収可能(▲20%まで)

事業者は「保有継続も視野」と述べており、10ヶ月の運用期間終了後も売却せずに次期ファンドへ組み替える可能性がある。この場合、投資家は元本償還を受けられるが、キャピタルゲインは期待できない。


ストレステスト

変動要因 変動幅 物件価値への影響 劣後バッファとの関係
キャップレート+1% 10%→11% ▲約850万円(▲9%) バッファ内
サブリース解約 賃料▲20% NOI▲約237万円 配当原資に影響
借地権残存10年以下 価値逓減 ▲30%以上の可能性 バッファ超過リスク

劣後出資額940万円は物件取得価格9,350万円の約10.1%。物件価格が10.1%(約944万円)下落するまでは優先出資者の元本は毀損しない。ただし借地権の残存期間が短い場合、建物価値の逓減と相まって10%を超える下落は十分にあり得る。


契約上の注意点

  • 自己取引: 事業者TSONが保有する物件を匿名組合に売却する構造。利益相反の可能性あり。
  • サブリース先: 株式会社アップル(埼玉県さいたま市)。契約満了は2032年3月。事業者グループとの資本関係は不明。
  • 倒産隔離なし: 第1号事業・匿名組合型のため、事業者破綻時は一般債権者として扱われる。
  • 借地権リスク: 一般定期借地権の残存期間・地代・更新条件が書面に記載なし。
  • 契約延長条項: 売却未完了の場合、6ヶ月を超えない範囲で契約期間を延長可能。

結論

利回り6.1%・劣後比率10.1%・サブリース付きという表面スペックは悪くないが、土地が借地権であること・鑑定評価がないこと・NOI費用明細が不明であることの3点が重なり、投資判断に必要な情報が決定的に不足している。余剰資金での分散投資先としては検討可能だが、借地権の残存期間を事業者に確認してから判断すべき。

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