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利回り6.1%、劣後10%、サブリース付き。一見すると堅実な構成だが、足元の土地は借りもの。出口で売れるのは建物だけ、買い手は限られる。鑑定なし・費用明細なしで1億350万円の妥当性は霧の中。ML先1社への依存が重く、その信用力が揺らげば劣後バッファは砂上の楼閣と化す。
ポイント
土地は借りもの、建物だけの所有権という現実
本ファンドの対象不動産は「一般定期借地権」付きの土地に建つ木造2階建て共同住宅だ。契約成立前書面には「権利形態:所有権」と記載されているが、これは建物のみを指す。土地は借地であり、定期借地権の満了時には更地返還が原則となる。つまり、出口で土地を売却して利益を得るという選択肢は存在しない。事業者は「売却活動をしつつ、安定家賃が入ってきますので当社で保有し続けることも視野に入れております」と説明しているが、借地権付き建物の売却は買い手が限定され、流動性は著しく低い。築4年の木造物件が10ヶ月後に高値で売れる保証はどこにもない。
鑑定評価なしで1億350万円は検証不能
物件取得価格1億350万円に対し、不動産鑑定士による鑑定評価は「無し」と明記されている。価格算定方法は「近傍の類似物件の取引実例に基づいた評価額」とあるが、具体的な比較対象や算定根拠は開示されていない。借地権付き木造共同住宅という特殊な物件類型において、第三者による客観的な価格検証がないまま投資家に出資を求める構造は、透明性の観点から減点せざるを得ない。
マスターリース先への一極集中リスク
テナントは株式会社アップル1社のみ。サブリースシステム建物賃貸借契約により年間賃料959万400円が保証されているが、敷金・保証金は「無」と記載されている。マスターリース先が経営破綻した場合、賃料収入は即座に途絶え、劣後出資10.0%では吸収しきれない損失が発生する可能性がある。同社は埼玉県さいたま市に本社を置く賃貸管理業者だが、財務状況や信用力に関する情報は書面に記載がない。投資家はマスターリース先の信用リスクを丸呑みする構造だ。
事業者TSONの財務体質は薄氷の上
株式会社TSONの自己資本比率は9.1%と、不動産クラファン事業者としても低水準だ。2024年度は赤字から脱却し、2025年度は純利益9,195万円を計上しているが、総資産61.8億円に対して純資産5.6億円という構造は、外部環境の変化に対する耐性が弱い。218件の償還実績・元本割れゼロという実績は評価できるが、財務レバレッジの高さは事業者リスクとして認識しておくべきだ。
完全インカム型の配当原資は賃料のみ
本ファンドは「完全インカム型」を謳い、配当原資は100%賃料収入としている。年間賃料959万400円に対し、優先出資者への配当は年利6.1%(アップフロントフィー込み8.3%)で計算すると約773万円。賃料から配当を賄う構造は成立しているが、運営費用(管理費・保険料・固都税等)の明細が書面に記載されていないため、実際のNOIは検証できない。推計ベースでは賃料の20〜30%を費用と仮置きした場合、NOIは671〜767万円程度となり、配当原資としてはギリギリの水準だ。
物件概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都江戸川区篠崎町一丁目82番3 |
| 物件種別 | 共同住宅(メゾネットタイプ) |
| 構造 | 木造2階建て(2×4構造) |
| 築年月 | 2022年4月(築4年) |
| 延床面積 | 322.58㎡ |
| テナント | 株式会社アップル(サブリース) |
| 稼働率 | 100%(サブリースによる) |
| 土地権利 | 一般定期借地権 |
| 土地面積 | 467.00㎡ |
収益構造とNOI分析
本ファンドは書面に運営費用(管理費・火災保険料・固都税等)の記載がなく、実額ベースのNOIは算出できない。
- NOI(実額): 書面に運営費用の記載がなく算出できません。
- (推計・参考値)想定NOI: 6,713,280〜7,672,320円/年
- (推計・参考値)想定キャップレート: 6.5〜7.4%
- 運営費用の一部が書面から取得できないため、賃料収入の20〜30%を運営費用の目安として控除し、利回りをレンジで推計した参考値です。実額が取得できた費用とは別枠の概算であり、本ファンド固有の一次資料に基づく確定値ではありません。
- 配当原資: インカムゲイン型(100%賃料収入)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 年間賃料収入 | 9,590,400円 |
| 管理費 | 書面記載なし |
| 火災保険料 | 書面記載なし |
| 固都税 | 書面記載なし |
| NOI(推計) | 6,713,280〜7,672,320円 |
優先出資者への年間配当(年利8.3%ベース)は約773万円。推計NOIの下限671万円を下回る可能性があり、配当原資としては余裕がない。ただし、マスターリース賃料が固定されているため、空室リスクは転嫁されている点は評価できる。
市場価格検証
| 比較項目 | ファンド物件 | 近隣取引中央値 | 乖離率 |
|---|---|---|---|
| ㎡単価(土地) | 約22.2万円/㎡ | 約60万円/㎡ | -63% |
| 取得価格 | 1億350万円 | 約5,849万円 | +77% |
近隣取引データ(江戸川区内、2024年)の土地㎡単価中央値は約60万円。本物件の土地面積467㎡に単純適用すると土地価値は約2.8億円となるが、これは所有権前提の数値だ。本物件は一般定期借地権であり、土地の資産価値は大幅に減価される。
一方、建物のみの価値で見ると、木造2階建て・築4年・延床322.58㎡の共同住宅として1億350万円は、建物単価約32万円/㎡に相当する。新築木造共同住宅の建築単価が20〜25万円/㎡程度であることを考慮すると、借地権の残存価値を含めても割高感がある。ただし、鑑定評価がないため客観的な検証は困難だ。
土地評価と出口シナリオ
本物件は一般定期借地権付きであり、土地の所有権は投資家に帰属しない。定期借地権の残存期間や地代の詳細は書面に記載がないが、出口戦略は以下のシナリオに限定される。
| シナリオ | 想定売却価格 | 投資家への影響 |
|---|---|---|
| 楽観(借地権付きで売却成功) | 1億円〜1.1億円 | 元本全額償還 |
| 基本(事業者が継続保有) | 売却なし | 賃料収入で配当継続 |
| 悲観(ML先破綻・売却困難) | 5,000万円以下 | 劣後10%では吸収不能 |
借地権付き木造共同住宅の流動性は極めて低く、買い手は限定される。事業者が「当社で保有し続けることも視野に入れております」と述べているのは、売却困難を織り込んだ発言とも読める。
ストレステスト
| 変動要因 | 変動幅 | 物件価値への影響 | 劣後バッファとの関係 |
|---|---|---|---|
| 賃料下落10% | 959万円→863万円 | NOI▲96万円 | 配当原資が不足 |
| ML先破綻 | 賃料収入ゼロ | 物件価値▲50%以上 | 劣後10%で吸収不能 |
| 借地権残存期間短縮 | 不明 | 売却価格大幅下落 | 元本毀損リスク |
劣後出資額は1,040万円。物件取得価格1億350万円に対する劣後バッファは約10.0%であり、物件価格が10%以上下落すると優先出資者の元本が毀損する。借地権付き物件の特性上、土地価値の下支えがないため、建物の減価がダイレクトに元本リスクに直結する。
契約上の注意点
- 一般定期借地権: 土地は借地であり、定期借地権満了時には更地返還が原則。土地の資産価値は投資家に帰属しない。
- 第1号事業(倒産隔離なし): 匿名組合型であり、事業者破綻時は破産財団に組み込まれる。信託法第34条の分別管理とは異なる。
- マスターリース先の信用リスク: 株式会社アップルへの一極集中。敷金・保証金なしで賃料保証を受ける構造。
- 鑑定評価なし: 物件価格1億350万円の妥当性を第三者が検証していない。
- 契約期間延長条項: 売却未完了時は6ヶ月を超えない範囲で延長可能。出口の不確実性あり。
結論
利回り6.1%・劣後比率10.0%・サブリース付きという表面スペックは悪くないが、借地権付き物件という本質的な制約が出口リスクを高めている。鑑定評価なし・NOI費用明細なしという情報開示の薄さも減点材料。余剰資金での分散投資先としては検討可能だが、ポートフォリオの主軸に据えるには透明性が不足している。
⚠️ 免責事項:本記事はRE:Insight AIが公開情報・PDF書面を元に自動生成したファンド紹介・分析情報です。 投資助言には該当しません。投資判断は必ずご自身の責任のもとで行い、各事業者の公式情報を直接ご確認ください。