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新築メゾネット6戸、手取り6%の裏でファンドが稼ぐべきは年8.2%。推計NOIでは約250万円足りず、売却益頼みの設計。劣後10%は盾だが薄い。インカム重視という看板と中身は別物。
ポイント
「インカム5%」の看板と配当の実態が合わない
サイトでは「インカムゲイン5.0%+キャピタルゲイン1.0%」と説明されている。しかし書面の分配シミュレーションを見ると、まずアップフロントフィー年2.2%(10ヶ月で1,626,164円)を差し引き、償還時に年8.2%(6,061,164円)を分配して手取り6.0%に戻す仕組みである。つまりファンドは10ヶ月で約606万円の利益を出す必要がある。主要費用が書面に記載されていないため、10ヶ月分のNOIは推計で約310〜354万円にとどまる。不足する約252〜296万円(推計)は売却益で埋めるしかない。事業者は「キャピタル1.0%」と説明するが、書面の数字から逆算すると売却益への依存度はその3倍超になる。
自社保有物件を鑑定なしで9,860万円で組み入れ
書面には「自己取引」と明記されている。TSONが自社で保有する新築物件を、そのまま匿名組合勘定へ振り替える取引である。価格の算定根拠は「近傍の類似物件の取引実例」のみで、不動産鑑定士による評価は無。売主と運営者が同じ主体である以上、取得価格が妥当かどうかを第三者が検証した形跡はない。満額で取得するという前提そのものが、検証されないまま置かれている。
出口戦略:「保有継続」は契約上ありえない選択肢
サイトでは「保有継続も含めて運用判断を行う」と書かれている。一方、書面上の契約期間は2026年10月23日〜2027年8月22日で、延長は最大6ヶ月までである。したがって最長約16ヶ月以内に売却しなければならない。買主は書面で特定されておらず、出口価格の根拠も示されていない。また、償還予定日はサイトでは2027年9月22日、書面では契約終了日が8月22日、金銭配当日は計算期末の2ヶ月後応当月末までとされており、日付の記載にもズレがある。
地価上昇6.99%は出口価格の支えにならない
「2017〜2026年で公示地価が6.99%上昇」という数字は、年率に直すと約0.75%にすぎない。近隣の土地取引単価から推計すると、土地部分の価値は約2,225万〜4,154万円。仮に年1%上がっても増える額は年40万円程度で、必要な売却益約250〜300万円には遠く及ばない。この数字は、魚の大きさを語るのに水槽のガラスの厚みを持ち出しているようなものである。
事業者:件数は十分だが財務は薄い
DB上の実績は306ファンド(償還済み221件)。サイトでは380ファンド・約374億円と自己申告しており、件数に差がある(DBの集計時点の遅れの可能性がある)。元本割れなしという点も事業者の自己申告に基づく。財務面では、自己資本比率がFY2025で9.1%。書面に掲載された直近期(2026年6月期)の貸借対照表から計算すると約5.6%(純資産約5.8億円/総資産約104.9億円)まで低下しており、固定負債も約5.6億円から約39.2億円へ急増している。第1号事業のため倒産隔離はなく、事業者の財務体力がそのまま投資家のリスクになる。
物件概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 岐阜県大垣市楽田町二丁目 |
| 物件種別 | 共同住宅(メゾネット1棟6戸・駐車場12台) |
| 構造 | 木造2階建(2×4構造) |
| 築年月 | 2026年9月(築0年・新築) |
| 延床面積 | 417.01㎡(土地741.74㎡・所有権) |
| テナント | 株式会社BB保証(マスターリース・保証賃料) |
| 稼働率 | ML契約上100%(直前5年の稼働率は記載なし) |
収益構造とNOI分析
- NOI(実額): 書面に管理費・修繕費・保険料・固都税の記載がなく、実額ベースのNOIは算出できない。
- 年間賃料収入(ML保証賃料・駐車場込み): 5,307,960円(表面利回り5.38%)
- (推計・参考値)想定NOI: 3,715,572〜4,246,368円/年/想定キャップレート: 約3.8〜4.3%
- 上記の推計は、運営費用を賃料の20〜30%と仮置きした一般的な目安によるもので、本ファンド固有の一次資料に基づく確定値ではない。
- 配当原資: ハイブリッド型
| 10ヶ月換算 | 金額 |
|---|---|
| 必要な分配原資(年8.2%相当) | 6,061,164円 |
| 推計NOI(10ヶ月) | 約3,096,000〜3,539,000円 |
| 売却益で埋めるべき差額(推計) | 約2,520,000〜2,960,000円 |
推計NOIを取得価格で割った利回りは4%前後にとどまる。投資家に約束された手取り6%は、インカムだけでは賄えない設計である。
市場価格検証
| 比較項目 | ファンド物件 | 近隣取引中央値 | 乖離率 |
|---|---|---|---|
| ㎡単価(土地面積ベース) | 132,931円 | 47,761円 | +178.3% |
| 取引価格 | 98,600,000円 | 18,935,880円(平均) | +420.7% |
近隣データは大垣市全域の土地・戸建・中古マンションが混ざった858件であり、新築の収益アパートとの直接比較には向かない。乖離率が大きいのはこのためで、この数字だけで割高とは断定できない。
視点を変えて原価で見る。近隣の土地取引単価(30,000〜56,000円/㎡)から土地部分を推計すると約2,225万〜4,154万円。残りの建物部分は約5,700万〜7,600万円(延床㎡あたり約13.5万〜18.3万円)となり、新築木造の建築費水準としては不自然ではない。つまり9,860万円は原価に利益を乗せた価格としては説明できるが、収益還元で見ると強気である。地方の新築木造アパートで表面利回り5.38%は、買い手の目線より低い可能性が高い。公開取引データに同種の収益物件の成約事例がないため、この点は推計にとどまる。
土地評価と出口シナリオ
当該地点の公示地価・路線価の具体的な水準は、公開情報からは確認できない。近隣の住宅地取引から推計すると、土地の持分相当額は約2,200万〜4,200万円(概算)。
推計NOIの中央値(3,980,970円)を基に試算する(いずれも推計)。
| シナリオ | キャップレート | 想定売却価格 | 投資家への影響 |
|---|---|---|---|
| 楽観 | 3.8% | 約1億476万円 | 元本全額償還+予定分配を確保 |
| 基本 | 4.0% | 約9,952万円 | 元本は確保。売却益不足で分配は予定未達のおそれ |
| 悲観 | 5.0% | 約7,962万円 | 劣後990万円を超過し、優先元本に約576万円(6.5%)の毀損 |
予定どおり手取り6%を得るには、売却諸費用を差し引いた手取りで約1億110万〜1億160万円(推計)での売却が必要になる。
ストレステスト
| 変動要因 | 変動幅 | 物件価値への影響 | 劣後バッファとの関係 |
|---|---|---|---|
| キャップレート+1% | 4.0%→5.0% | ▲約1,990万円(20.0%下落) | 超過 |
| 空室率+10% | 0%→10% | NOI▲530,796円(価値▲約1,327万円) | 超過(ML期間中は直接影響なし) |
| 賃料下落10% | 5,307,960円→4,777,164円 | NOI▲530,796円(価値▲約1,327万円) | 超過 |
劣後出資990万円を物件取得価格9,860万円で割ると、劣後バッファは10.0%。物件価格が990万円下がって8,870万円になるまでは、個人投資家の元本は理論上無傷である。ただし仲介手数料などの売却費用(第三者へ売却する場合は約330万円規模)がこのクッションを削る。また、キャップレートが1%動くだけで約2,000万円の下落となり、バッファの2倍に達する。マスターリースが入っていても、買い手はいずれ市場賃料で評価し直すため、売却価格への影響は避けられない。
契約上の注意点
- 自己取引・鑑定なし: 事業者の自社保有物件を、第三者評価なしで9,860万円で組み入れている。
- 第1号事業・匿名組合: 倒産隔離がなく、投資家に抵当権も設定されていない。事業者が破綻した場合、投資家は一般債権者として扱われる。
- アップフロントフィー年2.2%(税込)の先取り: 取得時に1,626,164円が控除される。手取り6%は売却益の実現が前提である。
- ML賃料は3年ごとに改定、更新は合意が条件: 新築のため賃料実績・稼働実績はなく、ML先BB保証の財務情報も開示されていない。
- 延長は最大6ヶ月、中途解約は「やむを得ない事由」に限定: 地位の譲渡には出資金の3.0%+消費税の手数料がかかり、外部監査も予定されていない。
結論
自社物件を鑑定なしで組み入れ、手取り6%の多くを売却益に頼る構造であり、確実なのは劣後比率10.0%のクッションだけである。事業者の実績件数を信頼できる人が、余剰資金の範囲で検討する案件にとどまる。
⚠️ 免責事項:本記事はRE:Insight AIが公開情報・PDF書面を元に自動生成したファンド紹介・分析情報です。 投資助言には該当しません。投資判断は必ずご自身の責任のもとで行い、各事業者の公式情報を直接ご確認ください。